大学院の研究の関係もあって
女性ファンの文化とかを調べたりすることがあるのだけど
最近凄く気になるのが
「量産型ヲタク」または「量産型オタク」なる存在である
主にドルヲタ界隈*1で使われている言葉のようであり
ネットで検索を掛けると
「私は量産型ヲタクです」といった文言のみならず「量産型ヲタクを目指しています」といった”私はそれになりたい”という意味合いの文言まで沢山ヒットするのである
見たところどうやらヲタクとしてのある一定のファッションやスタイルに関して使われている言葉らしい
私はこの状況を知った時凄く驚いたのである
何故なら私の中で「量産型」という言葉が表す意味というのは、
外部から見て同じような格好をした無個性な集団を批判したり揶揄したりする
というものだからだ
つまりどちらかといえばマイナスに使われていたイメージのある言葉なのだ*2
例えば数年前に流行した「量産型女子大生」なんていうのは量産型という表現が一般に浸透するきっかけの1つであり、上記のイメージをそっくりそのまま表している存在であろう
同じような茶髪の巻き髪、ベージュのトレンチやジャケット、パステルカラーの洋服…といった格好の女子大生がわんさかいて見分けがつかないことを批判して使われた言葉であったと思う
当時自分も丁度学部生だったのでよく覚えている
(現在は上であげた定型スタイルはそう多くは見掛けなくなったが代わりにパンツにスニーカー+リュックの女性が凄く増えたように感じる時期があったりと「定型」がうつろっているだけで量産型女子大生は消えていないのでは?というのも面白い着目点かと思うのだが話が逸れるのでまた別の機会に*3 )
まあとにかく
上記のように、ファッションやスタイルにおいて使われる「量産型」という言葉はマイナスイメージの言葉ではないかと私は考えているのである
でも、現在多数のオタクの女性たちが「量産型」に"なりたい"と言っている
つまり彼女たちにとっては「量産型」という言葉は褒め言葉であり、憧れの対象であり、
自らにプラスのイメージを付加させるための表現として「量産型」という言葉を使っていると考えられるだろう
これは非常に大きな言葉の意味の転換なのではないか?と興味深く感じているのである
「量産型」は褒め言葉になったのだろうか?
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ジャニーズを含むアイドル界隈、また俳優界隈、歌い手界隈などの「量産型ヲタク」と呼ばれるスタイルはリボンを頭につけたり、ふんわりとした洋服を着ていたりと確かにパッと見て「可愛い」と感じられるものだと思う
個人的には人とは違う格好をして生きていきたい人間なので、彼女たちの憧れを良く理解することは出来ないのだけれど、
彼女たちの服装が「可愛い」表すものであることは事実だし、「推しの前で可愛い自分でいたい」という気持ちはどこのオタクもきっと一緒なのだろうなと思う
*1:主にジャニーズのファンの間で多く使われている模様 でも特徴を見てみるととうちの界隈も似た感じの子を見掛けることが良くあるなと思う
*2:元々の「量産型」という言葉はガンダムの「量産型ザク」が由来となって使われ始めた言葉らしく、試作を経て量産されるロボット等を表す言葉だったようで、イメージにプラスもマイナスも無かった模様である
*3:この量産型女子大生の変遷を上手くまとめてくれている記事を見つけて、面白かったので参考までにリンクさせて頂こうと思う
「なぜ女子大生は「量産型化」してしまうのか? 元量産型の女子大生が語る、絶滅した「ガーリー型」の謎と、わたしが量産型になってしまうまで。」