ささやかな備忘録

大体推しの現場にいるけど推しの話は少ない

「正義」と「夢」の交差点で-舞台「RE:VOLVER」の話 その1

ご無沙汰してます。

推しの出演作の地方公演も終わり、大事なイベではラッキーなことが続き幸せな気持ちで現場期間を終えて、今は一段落してる所です。その後ちょっと色々考えることもあったけれども。

 

少し余裕があるのでいい加減ずっと書きたかった最近観た中で印象深い舞台の感想諸々書いていこうかな、と思う。

最近と言っても去年観劇した作品の話なので大分間が空いてしまってるけど、ご容赦を。

 

今回書きたいのは 舞台「RE:VOLVER」の話。

愛称はボルステ。

これは、去年の10月に東京と大阪で上演された作品で、推しが出るということでチケットを取ったのだけど、好きな演出家の吉谷さんのオリジナル脚本・演出だし、キャストも結構知ってる人が多かったので凄く期待が大きかった。

世界観とかキャラクター設定がちょっとガラが悪そうなのも「これはきっと好みに違いない」と思う一因だった。ちょっと中2病チックな雰囲気があるのだけは若干心配だったけども。

 

そんな期待を胸に実際に観劇した結果、

予想を遥かに越える「熱さ」のある舞台だったし、若干の心配もすぐ吹き飛んだ。去年観たストレートのお芝居の中で一番面白かったと思った。

内容は複雑な部分も多くて、初見だと見落としたり掴みきれない部分もあったけど、その分観れば観るほど細かい所まで伏線があったり、世界観の作り込み、キャラクターの心情が上手く描かれてたりする所が凄く面白かった。

あと、殺陣。兎に角殺陣が多かったし、派手なので、間近で観たときは迫力に圧倒されたりもした。めちゃくちゃカッコ良かった!

ちょっとアニメ・漫画っぽさというか、クサい部分もあったけど、お話や演出の作り込みとか前述の殺陣の凄さに持っていかれるのでそんなに気にならなかった。

 

大まかにはそんな感想を持った舞台だった。

東京も大阪も何度も観たけど、観れば観るほど細かい点に気付くことが出来たので飽きなかったし、千秋楽は楽しいけど凄く寂しかった。

 

そして、お話とかテーマの面から考えさせられる部分があったり、凄く印象に残ってる場面もいくつかあるので、ここからはそれらをもう少し掘り下げて感想とか考察(という程のものではないけど)を書いていきたいと思う。あくまで超主観の入った私の見方であること、そしてネタバレもりもりなので嫌な方はお気をつけ下さい。

(推しが誰なのかは敢えて伏せるけど、どうしても劇中でも見てる時間が長いので無意識に偏ってしまう部分はあるかもしれないので、そこはご了承ください笑)

 

まず、全体のお話とかテーマの面から。

その前に少しだけ内容の説明をしておくと、元々海賊の英雄に与えられたものだけど、帝國軍との抗争で敗北したことで外に出られない監獄のようになってしまった都市が舞台で、主人公・聖木は幼少期に出会った仲間たちと「都市海賊」というグループを作って都市を脱出しようと試みるも失敗し、慕っていた仲間(阿羅来)を失う。

そして現代。バラバラの道を進んでいた当時の仲間たちと再会し、帝國へ反乱を起こす革命軍と協力し、再び全員で都市の脱出を目指す。

しかし、死んだと思われていた阿羅来は実は生きており、実は帝國軍の司令官であり、帝國軍も監獄都市へ仕掛けようとしている…というのが(非常に)ざっくりとしたお話。

 

聖木の幼なじみだった伊透は聖木の大嫌いな警察になっていたり、革命軍のリーダーになっていた玄汰は監獄に捕えられていたり、探偵兼殺し屋をしている壬浦は親代わりの人物が実は帝國のスパイだと仲間に言われ信じられずに仲間を疑ったり、聖木自身も自己の感情を優先して戦いに身を投じてしまったりと、都市海賊が再び集まるのにも色んな紆余曲折があって、そこも凄く面白いポイントだけど、登場人物の細かい話に関してはまた後述しようと思う。

 

こうした点からも分かるように、この物語の登場人物たちは、皆自分の意思に沿って動いていて、時には信用すべき仲間であるはずの存在に背くような行動を取る場面が沢山描かれているように思う。

こうした描写って、一見自己中心的に見えたり、「悪」であるように捉えられたりすると思うのだけど、この作品においてはどの登場人物も「それぞれ自分の「正義」に従って行動している」ことの象徴になっているように思えた。

例えば、阿羅来は、最終的に聖木たちを助ける立場に回るとはいえ、帝國軍司令官として監獄都市を水害へ陥れようとした存在な訳なので、「悪」であるように見えると思う。

でも、軍人たちが暮らしていくには監獄都市を制圧する必要があり、自分の仕事の責任を全うする必要もある。でも、かつての仲間のことも助けたい。その思いから阿羅来はギリギリの所で聖木たちを助けたのだと思えたし、彼はしっかり自分の信念を貫いてから彼らの前から姿を消したように見えた。

聖木の台詞にもあったように彼は彼自身の「正義」に従って行動しているのだと思う。

 

他にも、実際は玄汰しか信用していない抹尹の行動や言動も「革命軍が勝つ」という大きな信念によるものだと思えるし、敵サイドである倭潮や鷹城といった如何にも「悪役」な人物たちも、自分の位置する立場なりの正義をもって行動しているように思えた。

 

こうした場面を見て「正義って一体何なんだろうな?」と改めて考えさせられた、というのが一つあった。誰かにとっての正義は他人にとって「悪」であり得ることをすごく実感させられた。

 

そして、その「正義」と交わるように「夢」に関してのお話が展開されていくのも面白い点だな、と思った。

序盤はバラバラだった登場人物が自分の芯になっている「信念」は曲げること無く、一人ずつ「仲間を信用する」思いを取り戻していくこと、自分が成し遂げたかったことが何であったのかを思い出してラストへと繋がっていく部分や、再び「都市を脱出するという」破れた夢を拾い上げて、大人になった自分たちだから、仲間の増えた自分たちだから出来る現実に組み上げていく様なんかを見ていたら、自分にとって大切な信念や希望は例え形を変えても成し遂げるまで持ち続けるべきなんだな、ということも改めて考えらせられた。

本当に、想像以上に深い内容とテーマだなぁ、と思った。

 

まあ長々と書いてしまったけれど、様々な形での「正義」を示すことで、「正義」の在り方の複雑さと難しさについて考えさせつつ、でもそれだけで終わらせず、それの理想的な在り方のひとつ(あくまで一つなのかな、と思う。きっと沢山あるものなのだと思う。)として、「夢」を叶える土台となり得るものであることを上手く描いているように私には見えて、そこが全体を通してのこのお話の面白いポイントのひとつなんじゃないかな、と思っている。

 

思ったより長くなってしまったので、登場人物の細かい話とか、場面ごとの感想とかはまた次の記事に書きます…。

読みにくかったらすみません…ここまで読んで頂いてありがとうございます。