ささやかな備忘録

いつか死ぬ日の僕のために

推しがギター弾いたから死ぬ(かと思った) ードラマチックライブステージ「アイドルマスター sideM」感想など

3月末日、私にとって一大事件が起きた。

事の顛末は下の記事に書いたとおりである。

 

appleringo.hatenablog.com

要約すると、昔ず~っとギタリスト本命だった元ギャ*1の私は、好きな人がギターを弾いている姿を見るのが大好きだ。そんな私の大好きな推しがついにギターを担当しているキャラクターを舞台で演じることになり、ギターを持ったビジュアルが発表されて信じられない気持ちで写真を見返しながら、ギター弾くのかな…いや流石に…とドキドキしながら初日を待っていた、という話である。

 

それから3ヶ月が経ち、その舞台は初日を迎え、先日無事に幕を下ろした。

上の記事では作品もキャラクターも全部伏せて書いていたから、観劇後の感想を書くかどうかはすごく悩んだのだけど、夢みたいなことが起きたのだから折角だから書き記しておこう、見返したときに良い思い出になるもんだと思って、筆を執ることにした。

察している方もいるかもしれないが、その舞台とはドラマチックライブステージ「アイドルマスターsideM」、略称"サイステ"である。そして、私の推しが演じていたのは、High×Jokerのギター担当・秋山隼人である。

私は舞台の感想を書くときにはなるべく中立的な立場で書きたいので、敢えて推しが誰であるのかを明記しないようにしているのだけど、今回ばかりはどうあがいてもそこを明かさない限りは話にならない。というか明かさなくてもバレてる。もはや即バレ。だけどここで本人の名前を明記するのは照れるので、ひとまず秋山隼人くんを演じた役者、としておく。

 

というわけで、この記事は舞台と役者のオタクから見た"サイステ"の感想諸々と、"ギターを持った推し"に対して溢れた感情諸々を書き留めた記事である。私は中高生の頃に電撃の某雑誌を愛読していたので、アイドルマスターの情報はxbox時代まではなんとなく把握している(のでJupiterはギリ知ってる)が、その後のことは殆ど知らない状態だった。幸いにも今回一緒に通ってくれた共演者のオタクが原作のファンだったので色々教えてもらったり、アニメを履修してから舞台に通った。ピエールちゃんかわいい。

とはいえ詳しいわけではないし、私は舞台ファン側の人間なので、この感想も原作のファンの方の意には沿わない部分もあるかもしれない。そこはあくまで舞台と俳優のオタクから見た感想ということでご理解いただければと思う。

 

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サイステは稽古期間から役者陣が稽古場の様子や写真をツイッターなどで頻繁に呟いてくれていたので、ワイワイ話しながらつくっている感じがアイドルものって感じで楽しそうで良いな~と見ていたんだけど、その中に「ハイジョにはバンド練がある」という呟きがあり、バンド…練…??とひとりザワザワするなどしていた。練習…がある…ということは?

 

初日だけ2階席だったので立ち位置確認するぞ~という気持ちで開演を待っていて、始まったら急に社長のBIG VOICEが響いたのでびっくりしたが、作品そのものの”熱さ”は伝わってくるし、説明が入ったことで初見の人でも世界観を分かってから観劇出来るのはありがたいな~と思った。

ドラマパートは駆け足な部分もあり、かなりシンプルな作りで登場人物のセリフ感が強かったこと、自分が最近かなり演劇らしい演劇を続けて観ていたこともあって、初日はちょっと物足りないな~……と思ってしまう部分はあった。でも、その辺りは日を重ねるごとに、キャストさんたちの肩の力が抜けてきた感があったので、登場人物一人ひとりの個性も自然に感じ取れるようになり、それを受けてこの関係性があるんだな~とか、ここでこういう会話をするんだな~という人物同士の細かい関係性を見て楽しめるようになった。(この辺の感想は後で詳しく書くことにする。それと、やっぱり近くで表情見る方が入り込める。) あと、この作品はそもそもアイドルのキラキラを浴びて、応援して、楽しむものだな!!と気づきを得たことですごく楽しくなった。

初日のドラマパートで一番頭に残っているのはやっぱり序盤のハイジョのライブシーンなのだけど、アンプがないので当て振りなんだな~流石にそりゃあ弾きながら歌ったり踊ったりプロでも難しいわ…と思ったものの、スミスのソロをコピーする時にかなりきっちり弦を押さえているのが見えたので、頭にたくさん???が浮かんでいた。

通常、当て振りだと大体それっぽく見えるように押さえる~というのが主流だと思うので、スライドなんかも忠実にやっているように見えてポカンとしてしまった。当て振りなのに、推しがめちゃめちゃギターを弾いている?

話は進みライブパートになりC.FIRSTはダンスが凝っててカッコいい~!ドラスタは王道の明るさで心が躍る!やっぱりアイドル作品はライブパートが楽しいな~とか考えていたらハイジョの番になった。

ハイジョのライブシーンでの私の視線は完全に隼人くんのギターにロックオンしていた。楽しげにステップを踏みながらギターを手に持った推しは、やはり忠実に弦を押さえているように見えた。楽しそうにギターを弾いている推しを見ていたら、なんだか胸がいっぱいいっぱいになってしまって、暫くペンライトを振れなくなってしまった。こんな日が来ることがあるんだなぁと思った。(どの楽器もかなりきちんとパフォーマンスをしていたので一瞬ワイヤレスなのかと思った。まあ流石にそんなことはない。予算。)

その後はあまり記憶がなかった。終演後隣を見たら自ジャンルの作品で推しが真ん中に立っているのを見て泣いているフォロワ~がいたので、慰めつつ二人で泣きながら帰った。

まあでもこの日は2階席、近くで見たら印象が変わるかもしれない。次の観劇日は最前の回があるし、その次の日は手持ちの中でギターの立ち位置に一番近い、2列上手通路の回があったので、近くで良く見てみることにした。

近くでじっくり見たら、弦を弾く方の手も曲に合わせて弾いているのが見えて、より一層きっちり弾くパフォーマンスをしてくれていることがよく分かった。推しが別の弦楽器をやっていたのは聞いていたけどギターは初めてだと言っていたので、めちゃくちゃ本気で向き合って練習してくれたんだな~と思って、嬉しくてグッと来てしまった。

(アフトや生配信で練習中に勢い余って指で弦を弾いて手が血まみれになった話とか、裏で折れたピックが大量に並んでてメンバーが怖がってた話、バンド練習の時間がありかなり大変だった話などをしていてそんなにストイックに…ありがとうございます…という気持ちになった。ピックアップが赤くなってたのも多分それで…と思った。)

ニコニコ楽しそうに弾いているのを見たらとても幸せな気持ちになったし、ハイジョのライブシーンは5人とも本当に楽しそうにパフォーマンスをしていて、見ているこっちまで楽しくなった。四季と背中合わせになるパートが好きだ。あとバンドあるあるの"ドラムの周りに集まって曲の最後のキメを弾くメンバー"まで見られて嬉しかった。この姿を毎回見られただけでも315だったなと思う。あと、推しの歌パートの歌詞がとても好きだったりした。声が出せるようになったらもっと楽しめそうな曲だなと思う。

 

アニメを見てからの観劇だったので、隼人くんが明るくて素直な子だというのは分かっていたのだけど、舞台上の彼はとにかくすごく表情豊かで、何かに気がついたり楽しいことがあるとパッと顔が明るくなったり、ギターを弾いている時は得意げな表情を浮かべていたり、予想外の展開があると固まって叫んだりと、くるくる変わる表情が愛おしくて、見ているだけで何だか幸せな気持ちになれた。そして何よりライブの時はずっとニコニコと笑顔を客席に向けてくれるので可愛かった。

私は櫻井さんの細かい表情のお芝居がとても好きなので、色々な表情が見られるのが嬉しかった。目の演技で細かいニュアンスを出すのがすごく上手いので、それもパッと変わる隼人くんの表情の変化を表現するのにしっくりきていてとても良かった。

 

隼人を含め、ドラマパートでハイジョメンバーが集まって話している場面は本当に「ちょっとしたことでもみんなで一緒に笑って、活動できる今という瞬間が最高!!」という青春のキラキラを肌で感じられるのがすごく良かった。直接眩しさが空気から伝わってくるのは、舞台ならではの良さだよね、と思う。

スミスから反応が来たシーンのワイワイ感とか、マネージャーからメールが来たシーンの大騒ぎとか、「高校生ってこうだよね!」とすごく納得できてしまったし。(当事者の隼人が他のメンバーに邪魔されて見えなくて困ってるのが可愛かった。夏来に延々邪魔されてた日がめちゃめちゃ面白かった。)

旬くんは真面目気質だから四季隼人春名に度々手を焼いていながら、表情はいつも「ヤレヤレ」という感じで、呆れながらも愛しいな~という視線を向けているのがすごく良いなと思った。夏来との対話シーン含め、オール肯定ではないけど彼にとっても掛け替えのない"仲間"なんだな~というのがよく分かった。横でそっと見守る夏来も。何だかんだフォローを入れる春名も。(フォロワ~がよく隣で「惚れるかと思った」って言ってた)

それを踏まえてライブ後に隼人が「バンドが、ハイジョが好きだ!」って言うシーンとか、合同ライブ前に「この5人でHigh×Jokerだ!」って言うシーンを見ると胸に沁みるものがあるな~と思った。自分の高校時代も思い出したりして。

余談だけど私は合同練でヘロヘロになっている隼人を拾い上げる春名が好きだったんだけど、起こし方、あれは…モテる。(終盤の公演は隼人のほっぺをツンツンしてたのも可愛かった。) あとアフタートークが本当に面白かった。笑 どこまでも話の尽きない感じとか、最後の口セッションとか、ハイジョのワイワイ感がそのままですごく良かった。笑

あと忘れてはいけない宿題のシーン!笑 個人的に25日の夜が一番面白かったな~と思っていたら、千秋楽がそれの進化版で来たので、放り投げられる春名を見ながら笑いを堪えるのに必死だった。きっとリアルに旬くんがいたとしてもああなっていたと思う。お疲れさまです!!笑

 

同じ高校生だけどC.FIRSTは打って変わってクールな感じで、憧れを一身に受ける側の人間というか、全員が主人公気質な感じがあって分かりやすく差別化されている印象だった。(有名生徒会長っていう肩書き、何!?とは思ったけど)

クラファの設定に関してはほぼミリしら状態での観劇だったんだけど、3人とも過去に何か抱えていそうで気になる。敢えて気になる!段階で止め置かれているのがミステリアスなカッコよさを引き立たせているのは良いなと思った。でも時折とぼけた部分や年相応にはしゃいでいるのを感じさせる部分もあって、そこは年相応の男の子って感じで良かった。百々人とかミステリアスと可愛いのバランス具合が絶妙で、中島さんがその辺りの雰囲気の出し方が上手いのかな?

ライブパートのダンスは一番カッコよかった!フォーメーションの入れ替わりが凝ってて見てて気持ちいいというか。そして、3人で一番小柄なのに秀がセンターでパッと目を引くのがすごく印象に残った。北川さんに華があるというのも大きいと思っていて、めちゃくちゃ適任キャスティングだと思った。流石ジュノンボーイ、伊達じゃない。勿論百々人と鋭心もカッコよかった。ていうか衣装ズルくない??好きだわ (軍服モチーフ衣装が好きな人からの投稿)

 

DRAMATIC STARSはアニメでは王道!という部分が強く印象に残ったけど、舞台では他のユニットメンバーとの対話シーンが多かったのもあって、三種三様なある意味ムードメーカーな印象を受けたかも。大人だからちょっと俯瞰してみんなを見つつも、物語の核の部分では必ず中心にいる…というような。

合同ライブの話を引っ張っていたのは確実にドラスタの3人だったけど、引っ張り方が3人とも全然違うから、そこに個性が見えるのが面白かった。向ける視線の方向や向け方、空気感が違うことまで伝わるのが舞台ならではというか。そしてそれ故にぶつかってしまうのも、考え方が違っても本当は同じ方向を向いていることも、輝が桜庭に怒るシーン~3人で初めて会った時みたいに話をするシーンまでの流れで特によく分かった。必ずしも似ている同士で何かをする必要はなくて、正反対だからしっくり来ることもあるんだなぁということをしみじみ考えたりもした。

個人的に翼の他人に対する話の聞き方(話を遮らない、相手の言うことを否定しない、相手の言いたいことを反復する)が、所謂メンターの立ち位置そのものだなと思っていて、あんたは絶対良い先輩になれる…。(誰?) あと加藤さんのものすごく通る声が輝のパワフルさにぴったりだった。序盤叫ぶ時に前方だと毎回ビクってなっちゃったけど。笑

ライブパートは王道の明るく前向きな曲で自然と笑顔になれるな~!と思った。一回やや引きの席から見てた時に、ドラスタのダンスはフリが大きめなので、フォーメーション含めて引きで見る方が映えるなと思った。3人揃って真ん中で踊っている時のフリと輝の得意げな表情が好き!

 

最後の全員曲2曲はダンスやキャラクター同士のワイワイしている部分を堪能できて嬉しかった。私は推しのダンスも大好きなので立ち位置付近でじっくり見たくて、元々下手が多くてラッキーだったのに加えてサイチェンでほぼ下手側にいる人になってた。8割位の公演に入ったんだけど、その中の8割下手寄りだったかも。笑

新曲は手の振り付けが可愛くてニコニコしながらでもキレキレにこなしてる推しがとても315だった。あと3人順番にターンするところも好き。めちゃくちゃ見入っちゃう。四季がスタートダッシュしてそれを追いかける4人も楽しそうで見てて幸せな気持ちになった。DRIVE A LIVEの立ち位置前の最前だった時があったんだけど、ステップ踏みながら回るのがとても可愛いなと思ったりした。

下手側はDRIVE A LIVEの時にハイジョがワイワイ歌ってるのがよく見えて可愛かった。隼人と四季が旬にちょっかいをかけるのが基本パターンで、隼人が旬に手拍子させたり、四季が隼人を持ち上げたり、二人で片手ずつ手拍子してたり、可愛くて見てて飽きなかった。あと、下手の最前にいた時に旬が私のうちわを見て、隼人の肩を叩いてほら!って示して隼人が反応してくれた時があって二人のやり取りを間近で見られてとても嬉しかった。

割と隼人くん名指しのハートつくってうちわを持っている日が多かったのだけど、よく見つけて手でハートを作って飛ばしてくれたので可愛くて幸せだった。ちょっと引きの席の日に流石に見えないだろうな~と思って持っていたら、戻る時に指差してやってくれたのでちょっとびっくりしたりもした。

 

千秋楽のカーテンコールも一人ひとり本当に個性豊かな挨拶が聞けて、キャストも本当に個性豊かで良いな~と思ったし、ハイジョは最後までワイワイしてて笑った。突っ走って「ウィーアーハイジョーカー!!…あれ!?」になっちゃう土屋さんも、「翔と四季が混ざってカキって呼んじゃった」って言ってた櫻井さんも、爆笑する他メンバーもめちゃくちゃ面白かった。

 

初めの方でも書いたけど、演出とか構成は比較的シンプルだったと思うのだけど、その分見る度にキャラクターそれぞれの個性が滲み出て、それが交差することでお話が進んでいくのを楽しむような作品だったな~と思う。そして何よりアイドルのキラキラを沢山堪能できてすごく楽しかったし、キャストさんの振る舞いやキャラクターの表現に愛の溢れた作品だったな~と思う。最後に楽しかった!!!思い残すことない!!!と思えて嬉しかった。

気になる方は是非円盤を見てください!(急な宣伝)

 

追記

推しはこれを機にエレキを買って練習するつもりらしいので、また私が魂を持っていかれる日も近いかもしれない(?)

*1:バンギャル。かつてヴィジュアル系のライブに通っていた人間の名称