ささやかな備忘録

いつか死ぬ日の僕のために

ライドカメンズを始めた人の話(カメステの話もする)・前編

ど う し て こ う な っ た

 

 

 

一年前の今頃(もう少し前か)、『ライドカメンズ』というアプリゲームの制作が発表された。

www.kamen-rider-official.com

名前のもじりからも分かる通り、『仮面ライダー』シリーズをモチーフとしたゲームである。原作シリーズはあくまで設定のベースやモチーフであり、キャラクターやスーツのデザインは趣が異なっており、ゲーム自体も、主人公がエージェントとしてライダーたちのサポートを行うという所謂シミュレーションゲームとなっている。

ただし、メインのシナリオライター高橋悠也先生、プロデュースが武部P、サブシナリオライターにもシリーズスタッフがおり、原作スタッフが関わって制作されている作品である。

 

突然だが、私は『仮面ライダーギーツ』という作品がまあとにかく大変好きである。

appleringo.hatenablog.com

この記事とか、ブログ内にサマステとか夏劇のイベント回ったまとめ記事とか、イベントの年度まとめ記事内に舞台挨拶の話とか書いているので、その辺りを見てください…。

私は元々特撮界隈の人間ではなく*1、『ギーツ』を見始めた一番の理由は、放送開始の数年前に観劇した高橋悠也さん脚本・演出の舞台*2がとても面白かったからである。スーツのデザインも好みだったし、何より面白かった舞台の本を書いた人が、映像でどんな脚本を書いているのか興味があった。

そういう経緯でリアルタイムで初回から見始め、まんまとハマって何度も見返したりイベントに通ったりすることとなったのであった。(ついでにそのまま某キャストのファンになった。) まんまとハマったのには色んな要因があるとは思っているが、脚本と根本の世界設定が好みだったことが大きいと考えている(そうでないと見続けられないと思うので)。

ギーツ終わっちゃったし取り敢えず高橋先生が脚本書いてる他の作品を見ようかな、と思ってポツポツとエグゼイドなんかを見ていた所に降ってきたのが冒頭の『ライドカメンズ』(通称カメンズ、ドカメンとも呼ばれているらしい)の情報解禁だった。

 

脚本・高橋先生、世界観監修・武部Pということで、多分これ好きなやつだ…と直感的に思った。私はアニメとか漫画とか何でもそうだが、絵柄に結構比重を置いてしまうので、絵が好みじゃないと触れられない所があるのだが、絵柄も結構好みだった。内海紘子氏原案だしそれはまあ、そう。

しかしながら、一点重大な問題があった。丁度ひとつ前のプリパラの記事でも書いたことであるが、私はアプリゲームがとても苦手なのである。驚くほど続かない。学生時代以降殆どゲームをやらなくなってしまったこともあり、バトル系であれ音ゲーであれ途中で面倒くさくなって辞めてしまうのである。

そのため、『ライドカメンズ』も気になってはいたものの、手が出せずにいた。また途中で飽きてしまうだろうな~と思ってしまったためである。どうせ飽きるからと新しいものに手を出すのを諦めるの、本当に良くないな~と思いつつも、もし好きなキャラ*3が元ネタになることがあったら始めます…というない話(※ないとは限らない)をして一旦見送ったのであった。

 

そこから半年以上の時が経ち、『ライドカメンズ』の舞台化が発表された。『ライドカメンズ the STAGE』である。

脚本は高橋先生*4、演出が毛利さんであることが発表された。私は元々舞台のオタクで毛利さんの作品が好きなので、このタッグでの作品は絶対に観たい!と思った。(丁度昨年末の少年社中の作品に推しが出演していて通っていたので、劇場に出来立てホヤホヤのフライヤーが並んでいるのを見た。) この時点では結局ゲームをやっていなかったのでほぼミリしら状態だったのだが、劇場に行けば観られるのが舞台の良いところなので、何もわからないけど行っちゃお~!とチケットを購入したのであった。

私が観劇したのは東京公演中日だった。東映が絡む作品、サンシャイン劇場使い過ぎ説。何もわからないので流石にペンライトは買わなかった。始まると、執事のレオンが主人である"私たち"を起こしてくれる所から話が始まった。なるほど、観客の"私たち"=プレイヤーなので登場人物たちは私たちに話しかけてくれるのである。これは物語に入っていきやすいなと思った。大抵のことはレオンが説明してくれたので理解出来たので助かった。私たちがエージェントとしてライダーたちをサポートする立場であり、ライダーたちは街を守りながらカオストーンという石を集めているらしい…ということが物語の主軸であることがわかった。

序盤でまずメインキャラである魅上才悟の変身シーン~戦闘が組み込まれていて、それがかなりカッコ良くてテンション上がった。普通のヒーローショーと違って本人が変身しなくてはならない場合って変身シーンの演出ってどんな感じなんだろう?と気になっていたので、其々のキャラクターの変身ムービーが用意されていて、流れている間に衣装替え…なのが良いな~と思った。このムービーがまた良く出来ていて、徐々にスーツに身を包んでいく様子がしっかり描かれているのがカッコ良かった。

"顔の見える"スーツってどんな感じなんだろう?とこれもまた気になっていたんだけど、めっちゃカッコイイ~!と単純に思った。戦っている時に表情が見えるのってすごく新鮮だけど、それによって物語に深みが生まれている部分もあるので面白いし、舞台向きだな~と思った。私は今作に出てきたライダーの中だと才悟のスーツが一番好きだった。その後変身後のジャスティスライドが集合した時の画もカッコ良かった。終盤ではマッドガイも変身して登場したのだけど、造形すげ~…って思った。若手俳優の人々は普段、板の上で殺陣やアクションをしているので、死ぬほど動きにくそうなのにスーツアクションも映えるし、かなり動いててすごいな~~と単純に思った。

あと、カオストーンが輝いた時に、観客のペンライトが自動制御で光っていて急にGロッソで驚いた*5サンシャイン劇場でペンライトが自動制御されることあるんだ…面白い…。

カオスワールドの概念は完全には理解出来なかったのだけど、現実とは違う世界に閉じ込められているということは分かり(確かこれもレオンが説明してくれたから)、どうやら誰かの策略で過去をもう一度繰り返しているらしいこともわかった。その流れで、彼らにはカオスイズムという敵結社が結社の党員にするために人体改造された過去があるということを知り、そうなの!?と驚いた。生活の中で何かに巻き込まれて力に目覚める系だと思っていた…そこは昭和ライダー寄りの設定なんだ…。

ライダーアカデミー時代の描写を見て、各登場人物の性格等が分かってきた。神威為士がどナルシストであるという情報だけは知っていたのだけど(流石の私もすぐに元ネタが分かった人である*6 )、ずっと自画像持っている所を画として出されると強すぎて面白い。でもトレーニングシーンだけは今もやっぱりわからないよ*7…。ジャスティスライドのメンバーはそこまで仲良くなさそうだな!?(主に蒲生慈玄が)と思ったので、何で最終的に一緒にいるんだろうな~というのが気になった。でも慈玄から明らかにツンデレの波動を感じたので(これかな)とも思った(?)

この辺りまでの才悟と陽真のやり取りを見ながらこの2人のことがすごく気になった。才悟が"無"なのに陽真があまりにも全部わかった様子で接しているから。正反対なのに言外に信頼を感じるから。どういう関係なんですか?私気になります、になった。

久遠瞬十はどう見ても怪しいのでコイツが犯人だろうな~というのはすぐに分かったのだけど、まさか変身までしてしまうとは…。彼はカオスイズムの思想に賛同していると話していたけど、劇中で垣間見える彼の持つ善性と記憶改ざんの可能性を考えると、本当にそうなのか…?と思ってしまった。終盤の才悟とのやり取りにおいて、彼が本当に目指していたものと現実の乖離が辛かったから、最後の君も仮面ライダーだ、という才悟の言葉に少しでも救われていたら良いな、と思いながら見ていた。古谷さんは本当に器用な男なので、最後のやり取りのやるせなさみたいなのが台詞から伝わってくるのがすごく良かった。そして、かつて仲間だった人間の、最期のトドメを主人公ポジションのキャラクターに取らせるのもすごく、覚悟を感じた。綺麗な話として終わらせるならこの展開にはしないんじゃないかな、と思ったから。これはゲームの前日譚と聞いていたので、苦しい部分までひっくるめて描くことで、全てを背負う覚悟がこの先彼に必要となってくるんだな~ということが断片的に伝わってくる展開だったと思う。(この辺りで、もしかしてライドカメンズって…結構ハードな話!?ということに気が付いた。ゅぅゃ…。) あと私は木津つばささんを何らかの作品で見る時にいつもヒーロー性を感じていて(少年漫画の主人公を演じることが多いこともあると思うし、お芝居の熱の入れ方がそう思わせている所もある)、今回本当にヒーローの器だな…って思った(?)

物語はそういう切なさがあったけど、アクション面は8割ヒーローショーだった。フルフェイスマスクのアクターさんも出てくるし、キャストのアクションもかなり多くて迫力があったので見応えがあった。演出もアクションがある時の毛利さんって感じの雰囲気で馴染みがあったのもあるかも(?)

物語パートが終わった後に突然ライブパートが始まったが、ファイナルステージのライブパートみたいなもんか、と納得した(?) 私の観劇した回は日替わりが狂介&為士ペアの日だったのだけど、ずっと睨み合ってて面白かった。デュエットしてる曲「君がいるから」なのに…。レオンが楽しそうなのも良かった。廣瀬さんハマり役だったね…(私はこういう役をやっている廣瀬智紀しか見たことがない。)

 

そんなこんなで「カメステ」を大変楽しんだ私であったが、上の感想で書いた通り、才悟と陽真の二人の関係性みたいなものがめちゃくちゃに気になるようになってしまった。あと、マッドガイの3人は最終的に同じクラスを組むというのが何となくわかったのだが、ジャスティスライドの4人がどうして同じクラスを組むことになったのかがすごく気になった。

また、私はこの世で一番好きなものがツンデレなのだけど(?)、劇中での振る舞いを見ていて、蒲生慈玄からどう考えてもツンデレの波動を感じるので、確かめたかった。

そんなつもりはなかったのだが、これはもうゲーム始めるしかないのかも…と思っていた所で聞きつけたのが、開催中のイベントがジャスティスライド中心、中でも才悟と陽真が中心であるという情報である。これはやれってことでは?そう…。

その後も若干、本当に始めるのですか?と葛藤したけども、いい加減気になりすぎてそれどころではなくなってきたので、とうとうアプリをダウンロードしたのであった。

 

大変長くなってしまったので、後編に続こうと思います…。

 

 

*1:私が本当に幼少の頃は丁度仮面ライダーが放送していない時期で、代わりにメタルヒーローシリーズのビーロボカブタックがめちゃくちゃ好きで全集やらクワジーロのおもちゃとか持って男の子と熱く語り合っていたようなのだけど、何故かそのまま特撮方面には行かず…。ライダーは放映が始まったら早起きした朝にたまに見ていたくらいだった。友達がゼンカイジャーにハマった影響でゼンカイとドンブラは楽しく見てたよ。

*2:高橋悠也×東映シアタープロジェクト TXT vol.2「ID」

*3:全ての仮面ライダーをぶっ潰そうとしていた人

*4:インタビューによると物語の方向性・構成を高橋先生が出して、内藤祐介先生が脚本執筆→高橋先生がチェックや修正を繰り返した…という流れらしい。

*5:ドンブラザーズが好きだった時にGロッソのヒーローショーに行ったことがある。

*6:エグゼイドのことをぼちぼち調べながら見ていたので

*7:レーニングを急にダンスで表現する所、かなり最遊記歌劇伝初演の毛利さんの波動を感じて一人でじわじわ来てしまった。