居ても立ってもいられないから他の書くべきすべての記事をほっぽり出して書いている。仕方がないよ なぁ、久保ちゃん?
時は令和になり5年以上が過ぎている。
平成も最早懐かしむ対象へと移りゆくそんな令和の時の中、突然、予想だにしていないニュースが飛び込んできた。
『WILD ADAPTER』in YOKOHAMA 2025────
そう、ワイルドアダプターのオンリーショップ開催告知である。
『WILD ADAPTER』(以下『W.A』という。)は事あるごとに私がこの世で一番好きな漫画で…と話しており、同作者さん(峰倉かずや先生)の『最遊記』と並び、学生の頃に出会ってから多大な影響を受けている作品である。これも別の記事で触れているが、私がブログのトップに置いている言葉も本作品のキャッチコピーである。(好きすぎて…)
『最遊記』が私にとっての人生のバイブルであるとすれば、『W.A』は私が今まで見た中で一番しっくりくるなと思う「二人の人間の関係性」を描いている作品である。
二人の主人公・久保田誠人と時任稔は、路地裏に倒れている時任を久保田が拾ったことで出会う。記憶喪失である時任は、彼の存在の"手がかり"に少しだけ繋がりのある久保田と生活を共にしながら、自分が何者であるのかを突き止めるために行動していく。この説明からわかる通り、彼らは殆ど"赤の他人"の状態で共に暮らし始めるし、久保田も自身のことを殆ど話さない。しかし、家庭環境のせいで他人に無視され続けて自分の存在が曖昧な久保田にとって自分を真っすぐに見つめて来る時任は掛けがえのない存在となり、時任にとっても自分を変に見ないで普通に接してくれる久保田は心を許せる存在となっていく。だけど、二人はその後もずっと「ただ互いに掛けがえのない存在」のままなのである。元々がBL誌の連載なのもあり、そのまま恋愛描写に流れそうなものであるが、そうはならず「互いに掛けがえのない存在」のまま物語は続いていくのである。(「恋愛関係である」という描写がないことは必ずしも「恋愛関係ではない」ということを意味するわけではない、ということも重々承知だが、直接そういった描写がなされない、曖昧なまま進んでいくという所に価値を見いだしている…と言うとわかりやすいかもと思った。)
7巻(最新巻)では、時任が近所に住む老人との交流を通して"家族"という存在について考えたことから、久保田に「俺たちってどんな関係だ?」と聞くシーンがある。それに対して久保田は少しあとのシーンでこのように答える。
「恋人」?「友人」?「家族」「同居人」「相棒」
…正確に言えば「赤の他人」かもしれない
──なんにだってなれるよ
世間が勝手にどうカテゴライズしようと
俺達はこの世に 俺とお前だけの
「俺とお前」でいい*1
このシーンを読んだ時「ああ、こういう関係性を描いているから私はこの作品が好きなんだなぁ」と思ったことをよく覚えてる。何かとカテゴライズしがちな世の中において、互いに掛けがえのない存在である「俺とお前」ただそれだけで良いと提示してくれる作品ってすごく視野を広げてくれる存在だった。名前を付けられない関係を、そのまま受け取っても良いという考え方を教えてくれたのがこの作品だと思っている。
(勿論、だからと言って人間の親密な関係を全て「俺とお前」で良いよね、ハイ、終わり…と考えてしまうことは逆に思考停止の切っ掛けになる恐れもあるとも思っているので、こういう考えも出来るんだ、ということの提示であると受け取っている。)
決して明るい作品ではないし綺麗ではない描写や暴力的な描写も沢山あるけれど、軸にこの二人の関係性を初めとして「人と人の関係性」の在り方が色々な切り口で問われ、描かれることに大きな魅力を感じるから、本当に大好きな作品なのである。しかもそこにプラスアルファでもう一軸、「時任の記憶」に関する謎解きの部分も絡んでくるので、大変読み応えのある作品だと思う。マジで好き(真顔) 。*2
さて、作品の好きな点を語っていたらかなり脱線してしまったのだが、本作、実はまだ完結しておらず、私が上で最新巻と書いた7巻は2015年出版である。10年前である。(今漫画の奥付の発行年見て白目剥きそうになった。)
7巻が出版された頃はOVAが発売されたりもしたのだが、その後、連載誌が休刊となり、オンライン連載に移行となり、7巻の続きにあたる1話分が掲載された。作者さんの体調不良や『最遊記』の連載が終盤に差し掛かったことにより、その後は作品としては殆ど動きが無い状態だった。過去『最遊記』と合同のくじが発売されたが、それも2016年のことである。
正直、最遊記が完結するまでは動きがないだろうな~と思っていたし、完結したとてその後に本作の動きがあるかも実際の所わからないな~と半分諦めかけてるところもあった。悲しいけれども。
そんな中、昨年、峰倉かずや先生が「あともうちょっとお待ちを…」という言葉とともに『W.A』の二人(以下、久保時という。)のイラストをXにポストされた。
水面下でたくさんお仕事させて頂いているので、今年後半に順次お知らせできるかと思います。お待たせして申し訳ないです。出来る範囲で頑張ります。
— 峰倉かずや (@kaz_minekura) 2024年6月3日
あとアナログ作画可能なアシさんを切実に募集中ですので、一迅社までご連絡ください。
【落書き】
最遊記もコチラも、あともうちょっとお待ちを… pic.twitter.com/as8GSpbXJ1
もしかして…下半期に何かある!?と思っていたものの、2024年中は特に何も告知がなく、一旦忘れていたのだけれど、先日、『最遊記』と『W.A』合同のくじの発売が発表された。
◤速報◢
— アニメイト商品情報局@店舗受取り手数料無料! (@animateonline) 2025年5月28日
「最遊記&WILD ADAPTER」くじメイトの発売が決定📢
峰倉かずや先生描き下ろしイラスト&デザインの豪華景品がラインナップ✨
アニメイト通販限定での販売となりますのでお見逃しなく!!
販売は【5月30日(金)12時】より開始💨#最遊記 #WILDADAPTERhttps://t.co/FfXASalmis
お昼休憩に見てスマホを放り出しそうになった。『W.A』のグッズが出ていた頃って、アクスタがまだメジャーじゃなかったので制作されたことがなく、二人のアクスタ(しかも描きおろし)が手に入るのが本当に嬉しすぎて……。
始まって秒で回して無事にアクスタもアクキーもステッカーも缶バッジも二つずつ手に入ったので、迷わず久保時を選んだ(選択制ありがたい)。早く飾りたい。
(無事にゲットしたアクスタ)
2024年時点で想像していたお知らせもそんなに大きな告知ではないだろう…グッズが販売されるとかかな…と考えていたので、くじのことだったのかな?と思っていた所で追加で飛び込んできたのが、冒頭のニュースだったのであった。(やっと本筋に辿り着けた)
オンリーショップ開催!の文字を見て、帰宅時にまたしてもスマホを放り出しそうになった。10年弱ほぼ何もなかったのに、この令和に、まさかリアル開催のイベントがあるなんて思ってもいなかった。しかも横浜で。(※『W.A』の舞台は1995〜98年頃の横浜である。)
しかも、描きおろしのイラストに添えられている言葉は「ふたりは今日も、横浜に居る。」である。
過去の作品としてでなく今を生きる作品としてイベントが開催されていることが感じられて、すごくすごく嬉しい。まあ実際に2025年の今、彼らが横浜に居るかどうかは……どうかな……という部分もあるが……笑、それはさておき。
イラストの展示なんかもあるみたいで本当に楽しみ!整理券取れますか?いえ、取ります。学生の頃、実家の割と近所で原画が展示されているのを見に行ったのをふいに思い出して懐かしくなる。*3
そして、くじ、オンリーショップの展開と来ると、これ以上の何かが待っているような気がしてならないのである。原作が動くのか何か他のメディアミックスが動くのかはわからないが、何かあるのかなと楽しみにしながら、一先ずオンリーショップの開催を心待ちにしたいと思う。
久保時のいる夏、サイコ~~~!!!!!
(ずっと仕舞ってた宝物、アクスタが届いたら一緒に飾りたい)
06.20追記
同じようにオンリーショップにワクワクしてる方が沢山いることを反応から知られて嬉しい!!と思っている。
嬉しいな♪と呑気にXを開いたら峰倉先生から本編の続きが読めるのではないか説のある情報が出ていて、再びスマホを放り投げそうになった。
賑やかな夏になると嬉しいな!峰倉先生、ありがとうございます!!無理はせず…です!!