ささやかな備忘録

いつか死ぬ日の僕のために

初めて宝塚を観た

1月某日

明日推しのイベントだな~と思いながらお風呂から上がったら、友達から連絡が来ていた。

何かな?と確認すると、明後日チケットが余っているので観に来ない?という観劇のお誘いだった。その日は丁度何もない休日で、今まで観たことのないジャンルの演劇だったので、私は喜んで誘いを受けることにした。

 

 

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観劇したのは

宝塚歌劇団 星組公演『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』である。

今までそれなりに色々な演劇を観てきたけれど、宝塚は初めてだった。

周りの宝塚が好きな人から、独自の雰囲気を持っていると聞いていてずっと気になっていたし、私は女性のファンダムとかファンカルチャーの周辺の研究をしてきたので、宝塚カルチャーにも研究書等で触れたことがあるが、文章で読むのと実際に体感するのは全く違うので、いつか現場で観劇してみたいな、と思っていた。

あと、本格的に男性も全て女性が演じるという演劇を観たことがなくて、どういう雰囲気なのかなというのも気になっていた。(逆に女性も全て男性が演じるという演目は結構観たことがあるけど) なので、当日を楽しみにしていた。

 

友達2人*1と合流して会場に入ると、何となく普段通っている現場とは客層が違っていて、興味深く周りを見回してしまった。

東京宝塚劇場は、お城にありそうな素敵な階段とシャンデリアがあり、明るくて綺麗な劇場だなと思った。

始まる前に誘ってくれた友達が、今回の1幕はしんみりするお話だけど、2幕のショーを見ると大体全部吹き飛ぶから気を付けて、と教えてくれた。(吹き飛ぶ…!?) と2幕が気になり過ぎた。同じく初見の友達と、「メガファンタジー」という名前から既に並々ならぬものを感じるという話をしていた。

すかさず自分のご贔屓の綺城ひか理さんがどの役で登場するのかも教えてくれたので、見逃さずに見ることが出来た。笑

友達とは離れた席だったけど、2階の通路後ろの席を譲ってもらい、初めて観るのにはぴったりの全体を見渡せる席だった。*2

 

1部が始まると、美しい薄紫の服を纏った女性が沢山出てきて舞い始めて、2階から見るとかなり圧巻だった。すぐに咲き誇る花だなと理解して見ていたけど、すごく綺麗な表現だった。(意外とこういう表現って見たことなくて) リラの花ってあまり馴染みがなかったし、何故この花がモチーフ?と思って観劇後に調べたら花言葉が「初恋」で、うわ~成る程…と思った。

程なくして一人の老人(美稀千種さん)が登場して、この老人も綺麗な女性が演じているんだな…。とちょっと不思議な気持ちになった。花たちの語りの後に、ドラマチックに男役の方が登場し、流石の私でもその方がトップであることがすぐにわかった。

 

この男性が礼真琴さん演じる主人公のディミトリだった。

基本的には母国の同盟の人質のためにジョージアに連れて来られたディミトリが、王女のルスダンと惹かれ合い、モンゴルとの戦いに敗れた若き王の遺言によって、王となったルスダンの夫として彼女を支えていく。しかし、他国の侵攻、母国からの侵攻などジョージアが揺れる中で、余所者として嵌められ、他国へと逃れる。そんな中でもジョージアと今後のルスダンを最期まで案じていく…という彼の生涯を描いた作品だった。

 

冒頭でルスダンがディミトリを探しに初めて登場するんだけど、彼を見つけて、いたずらっ子な顔で「どこにいるか足跡でわかる」(すごいな)と話すのがチャーミングですご~~く可愛かった。舞空瞳さん、小顔でスレンダーでとても可愛らしくてずっと目で追ってしまった。丸顔で小柄な可愛らしい女性が好きなので…。リラと同じ色のドレスもよくお似合いで素敵だし、2人のお互いに大切で信頼をしている関係性もパッと伝わってくるシーンだった。

ディミトリを連れてお忍びで市場に出掛ける時も、好奇心旺盛でくるくるとお店を回っている様子に見ているだけで彼女の素直さや可愛らしさが伝わってきた。この素直さが"王"となった時には仇になってしまう部分もあるのだけど、最終的には素直だからこそディミトリを信頼出来たのだと思うし、ディミトリもそんな彼女だから最期まで愛したのだな~と思った。

ディミトリは強くて優しくてしかも美しく、王子然としてはいるけれど、出自によって裏方に回らざるを得なかったり、ギオルギ王の死への葛藤やミヘイルの嫉妬なども描かれていたので、人間らしさを感じられた。だからこそ知性を持って進んでいくことの出来る聡明さが強調されていて、ただのカッコいい王子様ではない生き様のバックボーンのようなものを感じられるのが物語をよりドラマティックにしていて良いな~と思った。ルスダンもディミトリも最後まで芯がブレない所が共通していて、この2人だから国を守れたのかなと思ったりもした。芯がブレないというのは2人の間の愛にも当てはまるし…。

あとディミトリの礼真琴さんは、すごく歌がお上手で、凛々しい楽曲も悲しげなバラードも歌いこなしていて、そこもディミトリの人柄をじっくり知られたポイントであったりした。

 

序盤の大きな見せ場はチンギス・ハン率いるモンゴル軍がジョージアへ攻め込んでくる戦闘シーンだと思うのだけど、殺陣がバチバチの立ち回りではなくて、ダンス寄りの動きになっているのが華やかで印象的だった。中でも、両軍の戦闘服の裾が本当に綺麗に広がるようになっていて、ターンをするたびに舞台上がすごく華やかでありながら、激しく戦闘が起きている様子も表されているのが一番印象的だったかも。本当にそんなに…良いんですか!?というくらい惜しみなくターンをしてくれるので驚いた。笑  大勢のキャストが隊列を作って揃って剣を振ったり回ったりするのも迫力があって圧巻だった。

ここで指揮を取っていたのはギオルギ王で、軍を奮い立たせるように掛け声をかけるのは迫力があったし、剣を振りながら勇敢に進んでいく様にはすごく威厳があるな~と思った。ギオルギ王も芯がブレない人だったし、愛の意味をすごく理解している人だった。序盤で亡くなってしまうけど、この人の思想はディミトリに受け継がれて、終盤でも要になっていくのが良く伝わってくるなと思った。

 

ルスダンとディミトリの婚礼のシーンも本当に衣装が華やかで見ているだけで楽しかった。ジョージアダンス、初めて見たな。一緒に初見で観た友達が宰相マジ許さんと言っていたけど、宰相は本当に嫌な奴ポジだったな…。出自がどうのみたいな話って本当にどうしようもないな…と思ってしまうよね。

宰相に吹き込まれてルスダンがディミトリとルーム・セルジュークの密談を目撃して勘違いしてしまうシーンは、まさかここで足跡で居場所が分かる設定がこんな形で活かされてしまうとは…。ただ愛し合って幸せに暮らしたいだけなのに、ここから少しずつ2人の運命が別れてしまうのが切なかった。

でもディミトリは拾ってくれたジャラルッディーンを裏切って、自分の居場所を失くしてまでルスダンとジョージアのことを守ろうとしていくから、切ないけど格好良くて素敵だったし、最期までルスダンを愛していたことが伝わってくるお芝居でグッと来た。ここでギオルギ王の愛の意味を彼がしっかり受け継いでいるのが分かることもすごくドラマティックだったし、本作はキャッチコピーに「勇気とは、何か。」とあるけど、勇気よりも「愛とは何か」をより強く考えさせられる作品かな、と思った。

ルスダンも最初はお転婆娘で、即位したての頃は「あんな小娘で大丈夫か」とか言われている訳だけど、徐々に凛々しい顔つきになっていって、ホラズムからの侵攻がある頃には政治を行い、軍配をしたり民を勇気づけたりと、しっかり大人になっていく過程が描かれているのも良かったと思う。王になった後のドレスも"可愛い"から"美しい"が似合う様子になられて、すごくお似合いで素敵だったな~。

瀬央ゆりあさん演じるジャラルッディーンも渋くて格好良かった。殺陣をしている時も迫力があってすごく気圧される雰囲気を感じたし。ディミトリが自害した後も、怒るのではなく彼の誇りを尊重した振る舞いするのが大人で良いなと思った。

現代日本で生きていると国を守る、土地を守るためにいざこざが起きるみたいな事ってあまり現実味がない話だと思う。だから、彼らがどうしてそんなにも危険を冒してまで国や土地に執着するのかを全て正しく理解出来ているとは思わないけど、ディミトリの生き様を通して、当時の彼らにとってはそれが命に代えてでも守り切るべきものだったということは理解出来たのかなと思う。あまり馴染みのないテーマだったけど、最後までじっくり楽しむことが出来た。

 

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1幕が終わって連れてきてくれた友達にしんみりしますね…と話していたら、再度「今のうちにしんみりしておいた方が良いよ、全部忘れるから…」と念を押してくれた。

いや、2幕本当にどんななんだよ。

 

休憩が空けると2部の『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』が始まった。

舞空瞳さん演じるクリスタルバードが美しく舞っていると羽をもがれてしまうんだけど、彼女の舞によって美しい国が誕生し、JAGURが誕生する…(ということらしい)という始まりだった。クリスタルバードは創造神的な存在なのかな?舞空さん、白が似合っていて可愛い~!

その後タイトルの2ndFANTASYの「JAGUR BEAT」で主題歌が流れ出して、ほどなくして極彩色の衣装をまとったキャストの方々が一斉にワッと出てきて、あまりの情報の渋滞具合に確かにさっき(1部)のことを一旦すべて忘れた。 これでもかというくらい柄オン柄のJAGURの衣装、サブキャストの方々のカラフルな衣装…2階からでもすごく迫力があって、確かにすべてを忘れた。衣装がみなさんそれぞれ少しずつ違っていて、どの方のものも華やかで見てるだけで楽しかったな。あと人生で初めてラインダンスを見ました!!これがラインダンスか~!になった。

JAGUAR BEAT」のターンで礼さんがすごくカッコイイ歌を歌いあげるシーンがあって感動してたんだけど、イエモンのRock Starだった。それは…カッコいいに決まってる。

 

その後クリスタルバードとJAGUARは別の世界線?(それとも転生?)で度々出会い、別れ、などを繰り返していくような物語だったのだけど、私が特に好きだったのは3rd FANTSY「PARADISE JUNGLE」。

カジノでクリスタ(クリスタルバード)が羽を返してほしいとバファローに勝負を仕掛ける様を歌とダンスで表現しているのだけど、舞空瞳さんのアリスっぽい衣装が本当にお似合いで可愛い~~!!一番好き~~!!他のキャストさんも何人かアリスっぽい衣装だったので、本当に可愛かった~!クリスタとバファローがゲーム勝負をしている時のふたりの得意げな表情がカジノな雰囲気に合っていて素敵。

あとどの幕だか忘れてしまったのだけど、急にクララが立ったな感じのシーンがあって何で!?になった。衣装も急にアジアンになって…色んな世界が並行しているのかな~…と思いながら見ていた。

あと、どなたなのかわからないんだけど、薄いピンクの衣装をまとって踊る娘役のキャストさんの衣装がすごく可愛らしかった。神話を題材にしている6th FANTASY「NARKISSOSー星の砂漠の恋人たちー」も美しくも少しドロッとした雰囲気が他のギラギラした幕とは少し異質で、目を引いた。

友達のご贔屓さんの顔はすっかり覚えたので、衣装の特徴聞いていたからすぐ見つけられた。笑

フィナーレは初めて大階段から順番に降りて来られるキャストの方々が圧巻だった。ミュージカルでもここまで大勢での歌唱ってあまり聞く機会がなかったので、迫力もあるしパワーもあって、エネルギーをもらえるな、と思った。あとこれが大階段か…と、友達に聞いた通り、絶対に壊れなそうな頑丈さを感じて眺めていた(?)

 

長時間の演目だなと思ったけどあっという間に幕が下りた。1部がサクサク進むから面白かったのもあったし、キャストさんも衣装も華やかだったから見ているだけでも楽しかったし。それを友達に伝えたら喜んでいた。

あと、宝塚の公演は女性が男性を演じるという以上、区別のためになのか男役は強くてカッコよかったり、渋くてダンディだたりと男性性の強調がされていることを感じていて、私はどちらかというと可愛い男性が好きなので、男役の方にはそこまで惹かれず、単純に娘役の可愛い人に目が行っていたんだなと自己分析した。わかりやすいな~…。

 

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最初に少し書いた通り、私は女性のファンカルチャーのオタクでもあるので(?)折角だから、自分が普段いる舞台の界隈と比べて驚いた事とか違うな~と思った文化について最後に書き留めておこうかと思う。

1.空気が落ち着いている

まず会場に入って思ったのがこれ。老若男女様々な方がいらっしゃるように見受けられたけど、会場の空気に忙しなさがなくて、すごく時の流れが穏やかに感じるな~と思った。別に自分の界隈がいつもうるさいとかではないのだけど、何となく忙しない空気な時があるので。会場全体がそうした空気だから、自然と皆さん穏やかな感じになるのかな。高校生の団体さんとかもいたけど、うるさくする子とかいなかったし…。

 

2.拍手ポイントが決まっている

1部でトップ男役の礼さんが初めて登場した時に、ワッと拍手が巻き起こり、拍手ポイントなんだな!?と合わせて拍手をしたのだけど、登場時に拍手が巻き起こるという現場はほとんどないので驚いた。あと2部で銀橋に男役の方々が出てきた際にも拍手が巻き起こっていたので、なるほど…と思った。2部は段々慣れてきて拍手ポイントがわかるようになっていた(?)

 

3.拍手の統制が取れている

こちらも拍手関係なのだけど、1部の礼さん登場シーンで拍手した後に、止むタイミングが綺麗にそろっているのがすごい!!と思った。何となくパラパラと長めに拍手をする人の音とかが残ることはなく、ピタッと止むので…。その後もここだけではなく、各種拍手ポイントで兎に角綺麗に拍手が止まるので、そういう文化なんだな、と思った。

 

4.パンフレットが豪華

幕間に友達が見せてくれたのだけど、マジで分厚くてなんでも載ってる。すごい。なのに安い。長期間公演で大量に刷れるものだから値段についてはそれはそうだろうという所なのだけど、インタビュー関係も充実しているし、各組の公演スケジュールなども掲載されていて見応えがあって良いな、と思った。

 

5.私設のファンクラブでの団体観劇

友達はご贔屓さんの私設のファンクラブに入っていて、その方のファンみなさんで観劇をしましょうという日があり、その時にみんなでお揃いのスカーフを巻くんだと教えてくれて、そんな催しがあるんだ!?と驚いた。その日はチケットが少し取りやすかったりすることもあるとか。ファンクラブ用のチケットケースも見せてくれたのだけど、ご贔屓さんのお写真がプリントされていたりしてすごく凝っていて素敵だった。

私の界隈ではFCってせいぜい先行があってFC特典のブロマイドが付いてちょっとした動画が見られるくらいなので、ファンクラブの持っている意味合いが全然違って面白いな~と思った。あと同担同士で団結することがそもそもほとんどないので…。(有志で大きなお花を出す時くらいかな) 宝塚の私設ファンクラブについては昔少し本で読んだことはあったけど、実際に話を聞くと思っていた以上にパワーがあるのだなと思った。

 

以上、私の異文化体験の感想と記録である。(?)

組ごとに結構雰囲気が違うということも聞いたので、他の組の公演もまた今度観てみたいな~と思った。

*1:ちなみに2人ともバンギャル・元バンギャルである。バンギャル、バンドに行かなくなっても大体何かしらでオタクをしている。(私もですが…。) 最近は周りを見ると観劇に流れる人が多い印象。

*2:オケピより前の通路に出てくる時若干手すりが被るけどちょっと頭を下げれば見えたのでOK

観劇総括【2022年編】

ようやく2023年初めらしく(?)昨年の観劇録へ。昨年は推しの主演作品が過去一多かったのが思い出深いな~と思う。あと好きなシリーズの続きが上演されたものがいくつかあって嬉しかった記憶。

 

★2月

舞台『MARGINAL#4 BIG BANG STAGE』

ヒューリックホール東京

去年の観劇初めこれだったのか…と思い出して何とも言えない気持ち。私は原作のマジフォー、というかピタドルがもう7、8年好きで、長いこと「舞台化したら文句を言いつつ観に行くと思う(そして意外と良かったと言って帰って来そう)」と言い続けていて本当に舞台化したので当然観に行ったんだけど、意外と良かったと言えるものなら良かったのにな…という感じで…。

キャスト発表の時点でキャストさんが頑張っているのは伝わるけど、明らかにミスキャスティングでは…と思う部分があり…。初日に観劇したら、今まで観た舞台の中で一番中身がなくて本当に何も言えなくなった。夢オチ?みたいなシーンから始まるけど、結局誰の夢なのかはたまた現実なのか分からないまま終わるし、話を盛り上げるためだけに脈略もなくメンバーに怪我させるし、良かったのは可愛いセットとライブパートのセトリ、ダンスを頑張っていたキャストさんたちだけだった。スタクラは超展開に慣れてるから何でもいいか、とでも思われたのかな?と腹立たしい気持ちになった。

好きな作品が適当に舞台化されるのって本当に最悪だね!!!2回目は要りません。

 

★3月

本能バースト演劇『sweet pool』

銀河劇場

舞台化と推しの主演が発表された時、本当に衝撃的だった作品。原作を知っていたのでどこまで攻めるのか気になったし、インタビューとかでもすごく気合が入っているのを感じたので楽しみにしてた。実際に観劇して、全体的にそこまで攻めるんだ!?と良い意味で衝撃を受けたし、推しもかなり体を張った演出が多くて、毎公演本気でぶつかって作り上げてくれているんだというのが伝わってきて、2021年一番印象に残った作品だった。お芝居が上手い人ばかりだったのもあって、細かな心理描写を作り込んで見せてくれたのもすごく良かった。

千秋楽のあと、6年前に好きになったのが推しで本当に良かった~…と改めて思った。

推しの主演が2年ぶり・シリーズ以外の主演が初だったので嬉しくて久しぶりに全通しちゃお~と気合入れてチケット取って、最前でも前方でも沢山観られたし、ゲネご招待やポスターの抽選が当たったりと個人的にも一番印象に残った作品だった。

詳しくは個別に書いているのでそちらで

appleringo.hatenablog.com

★4月

舞台『無人島に生きる十六人』

こくみん共済coopホール スペース・ゼロ

スプステで久しぶりの主演~♪とルンルンしていたらまさかの2連続主演で驚いた。ただ本作はW主演だから、単独主演とはまた違った色があって面白かった。嵐で無人島に流れ着いたある船の船員たちが生き延びる実話を基にした小説が原作なんだけど、16人がそれぞれの思いを胸にぶつかって逞しく"生きること"を考えながらサバイバルしていく様がすごくエネルギッシュで、観ていてすごく生きる活力をもらえる作品だった。歌も沢山あって、そのパワーがまたすごく強くてステージから客席にグッとエネルギーがぶつかってくるようですごく良かった。柳瀬さんのソロが本当に圧巻!バックの水夫ダンサーズさんたちも素敵だった。

推しの役は天涯孤独の少年(国後)で、初めは"自分"がなくて人のために死んでも別に良いと無邪気に言うような真っ白な状態から始まるんだけど、劇中でどんどん心が人間らしく成長していくのが顔つきの変化からすごく伝わって来て、初めと終わりで同じ歌でも全く違う顔をしているのがすごく印象的だった。仲良しのアザラシを殺して食べなきゃいけない…ことに対して人間の愚かさを感じるシーンがあって、そこが公演ごとに大分雰囲気が違って、激怒したり、静かに絶望したり、どれも人間らしい感情!という感じで良かった。あと、終盤で心の葛藤を叫ぶシーンがあるんだけど、千秋楽近い公演で苦しさよりも生きる上でのもがきみたいな雰囲気を感じられて、セリフ回しとか叫びがすごく人間くさい感じで、大人になっているんだというのが強く感じられて良かった。その後の歌も優しいのに力強くてすごく好き。

2幕に国後がもう一人の主人公の範多(校條さん)とぶつかる歌があるんだけど、範多のどうしていいのか分からない気持ちと、国後の仲間のために死んでもいいと歌う時の気迫がどちらも譲れない思いのぶつかりを感じてすごく熱かった。どちらが正解なんてないんだな…という。

若い船員同士がワイワイしているのもリアルにありそうで可愛かった。国後と小川の関係も素敵だった。毎回のアドリブもむちゃくちゃすぎてめちゃくちゃ笑った。あとどうでも良いんだけど、推しは3月も脱いでたので、雨が降ってきたシーンで若い船員がバッ!と服を脱ぎだして「また服脱ぐの~!?」ってなって笑った。

 

ミュージカル『FLOWER DRUM SONG』

日本青年館

3月に砂川さんを久しぶりに見て、また舞台で見たいなあ~と思って観に行った。

アメリカのチャイナタウンの人々がショービジネスを通して悩んだり成功したりする話で、皆新しいものを通して古き良き自分のソウルである心もちゃんと思い出していくのが良かった。すれ違いはありながらも最終的にはハッピーになるお話だったので気負わず観られるのも嬉しかった。ただ砂川さん演じるチャオは絵に描いたような当て馬だったので…香港で幸せになってくれ…チャオ…。リーにぐいぐいなのが可愛かったです。

ショーパフォーマンスが多かったのでその部分も華やかで見ていて楽しかったんだけど、中でもフランク莉奈さん演じるリンダが暫く頭から離れないくらい本当~に素敵だった!セクシーで抜群の歌唱力でまさにショーの華だった。しかも、女の美しさと官能性を武器に取りながらも男に寄り掛からず自分の手でのし上がっていく熱さと聡明さがあって、尚且つ他の女性に対しても"嫌な女"じゃないのがすごく素敵。フランク莉奈さん、前に見たのが2013年のロミジュリだったので、なんと素敵になられて…という気持ちになった(誰?)

 

★5月

『ACTOS★LEAGUE in Games 2022』

幕張メッセイベントホール

イベントなのだけど、大分印象的なので入れておく。俳優がゲームするのを見守るの、どんな気持ち?と思いながら行ったんだけど、すごく白熱していて盛り上がったので楽しかった。他の俳優ファンの友達と連番したんだけど、その子の推しと私の推しが初戦から当たっててその瞬間一番沸いた。笑 途中推しのチームに急に脱衣ターンがあって服を脱ぎ始めたので、また!?ってなった。笑 廣野くんのぷよぷよテトリスはもはやレジェンド。推しは驚くほど…負けていたので…最後に土下座していてちょっと可哀想でした。次があったら是非勝ってほしい。

 

『アマネ・ギナジウム オンステージ』

Theater Mixa

友達の推しが出ていたので観に行った。原作は読んだことなかったけど、まあ兎丸さんの作品だしな…と構えてはいたけどなかなかハードなお話でした。最終的に主人公のカタルシスのための設定(無意識)だったことが明かされるのは中々心に刺さった。そんなハードなお話をポップな歌に乗せてキャストが歌い上げたりするので、そのアンバランス感がシュールで逆に作品の雰囲気に良く馴染んでいたような気がする。

 

舞台『キノの旅

シアターサンモール

推しの2連続主演で驚いていたらまさかの3連続だったという作品。 3連続主演も驚いたけど、個人的に作品も過去に読んでいたし、何年も大好きな作家さんが挿絵を描いている作品なので、ビジュアルを見て本当~に驚いたし、本当~に嬉しかった。

作品としても、原作の空気感を上手く拾い上げて「演劇らしく」上演してくれていた脚本と演出だったので、すごく面白かった。2021年観劇して一番面白かった作品だなと思う。

個人的にエルメスを人が演じるという表現が想像がつかなかったんだけど、キノがエルメスを停める動作とか、手で押している時にちゃんとモトラドの重量を感じる2人の歩き方とか、本当にモトラドに見えてすごかった。キノを男性が演じるという部分も、想像していたよりイメージピッタリだったし、所々で「あ、女の子なんだ」というのがふと見える感じがすごくキノだった。キノとエルメスの絶妙~な空気感を2人のキャストさんが間とか話し方で上手く表現していたのもすごく良かった。主題歌も大好き。

単独主演だから全通したんだけど、ここ数年で終わるのが一番惜しいくらい素敵な作品だった。

詳しくは個別の記事にて

appleringo.hatenablog.com

★6月

舞台『HELI-XⅢ ~レディ・スピランセス~』

サンシャイン劇場

ヘリックス第3弾。辛すぎた第2弾を経てどうなるかと思ったらより辛い展開に!!やっとすれ違いが終わったと思ったのに!!どうして!!

第2弾で傷ついたサッドネスに幸せになってほしいとは確かに言ったけど、彼を愛した記憶さえ全部忘れてしまうというのは…もう何とも言えない切なさでいっぱいになってしまった。クライがこの後どうするのかも気になるところ。レスターとリュウジンの利害の一致コンビも結構良いコンビで好きだったんだけど、レスターは生き急ぎすぎちゃったのが惜しかったな。武雄くんは意外と筋肉質なので、殺陣の動きがしなやかですごく好き。

セーレが君たちが成し遂げようとしていることが理解できないということは我々も未だ完全ではない、ということか…と話すのがすごく哲学だなと思う。全知全能の神以外はきっと完全なものなど存在しないのである…という。

 

舞台『死神遣いの事件帖-幽明奇譚-』

ヒューリックホール東京

しにつか続編。しにつかシリーズのファンなので観なきゃ!と思い行った。幻士郎帰還の物語というわけで、どういう経緯で帰ってくるのか気になっていたので楽しみだったんだけど、まさか一旦幽霊になっていたとは…。笑 お話としてはいつものしにつからしい事件解決譚だったけど、シンプルながらに伏線の張り方が絶妙で、ストーリーの歯切れが良くて観ていて気持ち良かった。やっぱり正義とは?悪とは?を描きたい作家さんなんだなぁというのを改めて感じたり。

相棒が違うことで解決の糸口の探り方が変わってくるのも面白かった。亞門が想像していた100倍チャーミングで好きになっちゃった。あと小林くんの身軽さを活かした演出がすごく良かった。しにつかは可愛い系死神の衣裳がみんな可愛くて好きだな~と思う。観劇後に早く…早く十蘭と亞門の絡みが見たい…と思っていたので冬映画でしっかり話していて歓喜した。あと安西くんの演技力を久しぶりに目の当たりにして上手いな~と改めて思っていた…セリフ回しが完璧すぎる。升屋の得体の知れない怪しさがよく出ていてお見事だった。

ちなみに、冬映画もしっかり完成披露舞台挨拶公演で見てきた。幻士郎の相棒はやっぱり十蘭なんだな~…を強く感じた。前回は十蘭が幻士郎との別れに涙を流したけど、冬映画は幻士郎がハナとの別れに涙を流していて対比的で良かったな。死神にも人間にも大切な人を思う心があるんだなっていう。ハナとのシーンの幻士郎、今までで一番人間らしかったと思う。幻士郎と喧嘩したら新之助の所に行っちゃう十蘭も可愛かったです。

かなり余談だけど、ヘリックスとしにつかを立て続けに観たので、「昨日は闇の毛利脚本、今日は光の毛利脚本」などと言っていた。笑

 

舞台『晴れときどき、わかば荘 あらあら』

招待で観に行った。3カップルがオムニバス的に描かれる作品で、全体的にほのぼのとした雰囲気なので安心して見られたけど、ゆったりしている上にお約束な展開が多めであまり面白くは…なかったかも…。BLとしてはもう王道も王道なのでキュンを楽しむやつなのかな、と思いながら見ていた。誠のダメダメな師匠のことが何だかんだ言って大好きで、という大型犬みたいなところはキャラクターとしてすごく可愛かったです。あと佐藤くんがムキムキ。

 

ドラマチックライブステージ『アイドルマスター Side M』

銀河劇場

運命の作品(?) 長くなるので詳しくは個別の記事をご参照いただきたいのだけど、過去ずっとギタリストのファンをしていた私、の推しがとうとうギターを持ってしまい…すごい練習して当て振りしてくれて胸がいっぱいになってしまった作品。ニコニコ楽しそうに弾いているのを見たらとても幸せな気持ちになったし、ハイジョのライブシーンは5人とも本当に楽しそうにパフォーマンスをしていて、見ているこっちまで楽しくなった。推しの役は、表情がくるくる変わるのがすごく魅力的だった。

ドラマパートのハイジョも「ちょっとしたことでもみんなで一緒に笑って、活動できる今という瞬間が最高!!」という青春のキラキラを肌で感じられるのがすごく良かった。アフタートークも本当に高校の同級生みたいなワイワイ感があって見ていて本当~に楽しかった。

ドラスタとクラファもそれぞれ自分たちの持ち味を最大限に活かしたパフォーマンスになっていて、曲も素敵で、すごく良かった。ファンサも沢山もらえたし、2021年一番楽しかった作品かな。

詳しくは個別の記事にて(3つくらいあるんですけど…)

appleringo.hatenablog.com

 

★7月

うち劇オンステージ『禁断の取調べ』

Theater Mixa

単発の朗読劇。現地でも観られるし、配信だと背景効果なんかが合成されてまた違った雰囲気を楽しめるという作品だった。表向きは痴漢冤罪犯と取り調べをする刑事たちの話なんだけど、実は…というどんでん返しが何度もあって、すごく意外な結末を迎えるので驚きを隠せなかった。2回公演だったので、2回目はそこまでの伏線をじっくり見ることが出来たのも面白かった。

推しは(表向きは)変質者の役をやっていたんだけど、手を膝でもぞもぞさせてるのとかす~ごい挙動不審オタクそのものなのに、後半のどんでん返しで身分を明かした後はずっしり構えた感じで手も膝から動かさず淡々と喋る、、みたいな変化があって、すごく役者感を感じられる役だった。後半にトークがあったんだけど、推しが緊張してしまったということを伝えようとして「心臓が止まらなかった~!」って言って周りが???ってなってるのめちゃくちゃ面白かった。杉江くん「そりゃあ生きてるからね」

この作品、最速がFC先着で、選択ミスで売り切れてしまって泣きながらその後の運営先行先着で買ったら何故か最前列が出て???ってなった。結果的に良かった。

 

舞台『「弱虫ペダル」The Cadence!』

シアター1010

初演から映像で見てはいたけど、実は初めてのペダステ観劇。すごく、圧倒的な光の舞台で、ここまで眩しい光!って感じの作品久しぶりかも。自転車競技シーンは映像で見ていてもすごく体力勝負なんだろうな…と感じていたのだけど、生で見たら本当にほとばしるエネルギーがひしひしと伝わってくるくらい熱いバトルになっていて、一緒に手に汗握って見てしまった。他のどんなスポーツものの舞台の数倍疲れるだろうな…という気迫とパワーだった。

19歳の島村くんが感じる坂道、本当にフレッシュなエネルギーとパワーをひしひしと感じられて、夢を見つけて、そこに向かい始めた!という圧倒的光を感じて…眩しかった…。砂川くんの今泉はなんか、物理的に強そうだった。スマートさより熱さが目立つ感じの今泉だった。後輩の子と観に行ったんだけど、隣であの衣装だからこそのラインをめちゃめちゃ見ていたらしくて笑った。

 

★8月

ワールドトリガー the stage 大規模侵攻編』

品川ステラボール京都劇場

ワーステ第2弾。東京公演3日目で中止が発表されて、すごく切なかったけど、無事に京都公演を完走出来て良かった。中止前の公演を丁度観劇して帰宅していたら中止が発表されたの衝撃だった…。京都公演も土日と観に行けて最後まで見届けられて良かった。

前回同様サクサク説明付きで進むから、前回よりキャラクターが増えたけど話を見失うことなく最後まで楽しめた。前回のダイジェストみたいな部分があって、前回ダンスではなかった部分がダンスになっていて、そこの振り付けがすごく好きだった。

推しの役は前回ほど出番がなかったんだけど、最後にボスとのバトル(VS ハイレイン)があって、そこの殺陣がすごくカッコよかった。床付近まで腰落として足に斬りかかろうとする所とか、銃で狙ってる時の鋭い視線や右手に剣、左手に銃で低い姿勢で構えるポーズもすごくカッコよかった。ハイレインが他に気を取られている時に「お前の相手は俺だ!!!」って叫ぶんだけど、それが迫力があってめちゃくちゃゾクッとしたし、その後すごい勢いでハイレインに向かって斬りかかってくのも隙を与えない感じですごい迫力だったな。カテコで風間さんと太刀川さんに遊ばれてるのも面白かった。

あと第2弾で初登場だった浜浦さんの小南さんがチャーミングなのに強いというキャラクター性を体現していてすごく良かった。空閑への先輩風を吹かせようとしているのが可愛かったし、対戦訓練の息ピッタリのダンスが好きだった。あとアフトクラトルのダンスは曲と動きを合わせて"蠢く"って言葉がふさわしいような得体の知れなさがあって、全員静かに同じフリを踊るのが統制が取れた軍隊って感じで部隊のイメージとよく合致していてよく出来てるな~と思った。

 

少年社中『クアンタム-TIME SLIP 黄金丸-』

紀伊国屋ホール

ワーステが無くなってしまって何か観たいなと思った時に上演していたので観に行った。生で社中作品観るのは初めてだった。SFの設定の軽さとか寝がえりの早さとか、ストーリー的に気になってしまう部分はあったんだけど、細かい部分を気にするより演者の説得力で押す!っていう方向性だったのであんまり気にならなくなった。役者のエネルギッシュなパワーでバチバチに説得力を出している感じで、演劇らしい演劇を見られたのは嬉しかった。細かな部分の描写の繊細さよりも大きなテーマをいかに引き立たせるか、的な部分に重きが置かれてる感じ。

この作品は染谷俊之七変化って感じで、白目剥いたり可愛い顔の女の子に負けちゃったり、仲直りの仕方を忘れて原始人みたいになったり段差を降りるのが怖くて一度平衡になったりと、振れ幅が大きくて役者だなぁ…と思った。こんなにヘタレな染谷俊之を見られるのはこの作品だけかもしれない…。笑

こう見ると毛利さんって社中とそれ以外で大分作品の作り方違うけど、芯が一貫してるよね…と思う。

 

★9月

舞台『どーるはうす』

ウッディシアター中目黒

友達の推しが出ていたので一緒に観に行った。男性の役もみんな女性が演じるという作品だった。自分を愛してくれるドール型のアンドロイドを販売する家で虐げられている少女が、ある日ゴミ捨て場で出会ったアンドロイドを助けて、仲を深めていくけど、実は彼女には秘密があり…という話。お話の本筋は面白いのに細かな説明不足が目立ったのと、歌が少し不安定な方が多かったのが少し残念だった。皆それぞれ自分の正義を貫きたかったけど上手くいかないやるせなさ、みたいなのはすごく感じられた。バックグラウンドを見てみたいキャラクターが多かった。

友達の推しさんは背が高くて、軍人役が似合っていてカッコよかった。

 

★10月

アナタを幸せにする世界の伝説vol.3『ジェヴォーダンの怪物~狼男伝説~』

こくみん共済coopホール スペース・ゼロ

まさかの2021年4度目の主演で嬉しくて全通した作品。詳しくは今度個別でじっくり感想を書きたいなと思ってる。推しのド悪役がすごく新鮮で、最初見慣れなかった。笑 びっくりするほど人を騙すのが上手いので最初はシンの内面はどこまでが本音?どこまでが嘘?を噛み砕ききれなかったんだけど、ツンドラとの会話で「あなたは人を愛したことがない」と言われて傷ついた顔をしたり、メキシコやヘルシングを刺したあと泣きそうな顔で話したりする部分でああ、ここは本音なのかな…を感じた。完全悪にはなりきれていないのが、また人間味を感じて良かったりした。

物語としてはミステリー的な部分が大きくて伏線が多い話だったので、1回目でなるほど!と思って2回目以降で伏線に気付けて2度美味しい話だった。キャストさんたちも上手い人が多かったのでそれぞれが裏に隠している思惑を悟られないように、でもポロっと見えてしまっている部分もあり…みたいな人狼だけど人間らしい感情をじっくり味わえたので面白かったな。ツンドラちゃんは可愛い。

個人的には終盤の殺陣でシンが余裕がなくて死にそうになりながら戦っている気迫がすごくて好きだった。すごく生きてる!って感じで。あと上でも書いたレオを刺すシーンで、悪役なのにすごく罪悪感のある切ない表情をしているのが毎回しんどかった。あとは一番最後の口上がやっぱりカッコよくて好きだ~!と思った。結構色んな表現パターンがあったんだけど、本人に聞いたら着地点がわからなかったと言っていてなるほど…と思った。どれもシンの生き様がよく表れているな~と思っていた。

2部のライブパートは温度差がすごくてめちゃめちゃ笑ったけど、ダンスも歌もカッコよかったし、小芝居の所で笑顔になれて嬉しかったです。ダーウィンに何度笑わされたかわからない。笑 グループ曲は2人ペアになってボックスステップ踏んだり互いに前後で回るところが綺麗で好きだし、全体曲はグループでセンターに出てきたときのフリとか、サビの振りつけが細かくて見ていて楽しかった。また絶対感想書きます!

 

★11月

WATARoom『セーブ・ザ・ダディ』

恵比寿・エコー劇場

久しぶりの小劇場~!主人公が仲直り出来ないまま亡くなってしまったパパが出ていたミステリードラマに友達と入ってしまって、パパの役が死なないように奮闘する…というサスペンス・ミステリーなんだけど、ギャル2人っていう異分子が入ることでコメディに収束していくのがすごく面白かった。話は結構シンプルなんだけど、ギャル2人のツッコみがかなりメタなのがいい味を出していたり、濃すぎる謎解きメンツのやり取りが本当にテンポが良いので何度観ても飽きなかった。シリアスすぎず笑いに走り過ぎずなバランス感が絶妙というか。完全なハッピーエンドにはならないけど、主人公が前を向くきっかけにはなっているし、現実ってこんなもんだよねって言う振り切っていないラストは結構好きだった。ドラマの方のラストもすごく切なくて愛を感じる流れで良かったけど、急にエンドロール流れるのは本当にメタ過ぎて笑った。

メタな部分はありつつ、しっかりとミステリー的な謎解きのトリックもあって、2回目以降伏線を見つけながら観られたのも面白かった。推しは若い犯罪心理学の准教授で、爽やかにニコニコしながら推理をスラスラ論じるのがスマートでカッコよかった。でも途中亡くなった奥さんとのものであろう結婚指輪を触りながら切ない表情をするシーンがあって、それが後々の伏線になっていたりして…切ない役だったな。ギャルちゃんに好かれてて、自分がカッコいいのを分かってる感じに振る舞うのもよかった。笑 謎解きメンツが全員独特の決めポーズを決めるシーンがあって(ドラマだからね…)そのポーズが日替わりで毎回面白かった。笑 細かく書きたいポイントが多いのでこの作品もまた個別で感想書きます。

 

★12月

舞台『ヒプノシスマイク Rule the stage Bad Ass Temple VS 摩天楼』

品川ステラボール

ヒプステ ナゴヤ VS シンジュク公演。ドラマトラックの2nd D.R.B前の物語の補足のようなストーリーになっていて、原作で触れられていなかった寂雷と獄の関係修復が描かれているのがアツかった。原作では2nd D.R.B.でも敵として戦うような印象を受けたので、友としてぶつかったのかもしれないと思うとまた違った印象で曲を聞けるな~と思った。2人が最後にぶつかり合うシーンでは、2人とも本当に良い顔をしてて…。

今作の空却は本当~に不器用な部分がよく描かれてて、強い言い方をしてしまったり、一方通行でぐいぐい進んじゃったりするんだけど、実際はすごく芯が通っている男で好きだな…と思った。寂雷と獄に対して「ぶつかり合わないと得られない友情もあんだろ」って言うのが説得力があり過ぎてすごく好きだけど、お前も早くぶつかり合って仲直りせえ…の気持ちにもなった(?)

獄に対して十四が何かいつもと違う?を感じ取るシーンがあって、彼は人の感情の機微に敏感なんだなぁというのが良くわかるんだけど、一二三も作中で同じように寂雷の様子がおかしいことに気付くシーンがあって、別の自分で自分を守っているという意味で2人の繊細な部分というのはリンクしているんだろうな~みたいなことを感じられる構成だったりもした。今回の十四が空却に微妙に当たりが強いのもめ~っちゃ好き。笑

演出としてはホスクラ襲撃の後のバトルで、レザーライトを使って閉じ込めたり壁を作ったりしてるように見せる演出がとても面白いし、視覚効果として誰がダメージ受けてるかわかりやすくて良かった。ライブパートの客の気持ちわかり寂雷も面白かったな。笑

あと今回から参加の独歩役の井出卓也さん、流石本業と言いたくなるくらいラップが上手くて聞き取りやすいし、ダンスが大ぶりなのが独歩のバタバタ感にぴったりでとても良かった。普段ペコペコしてるのにダンスになると急にバッキバキになるのがめちゃめちゃ良い。好きです。

 

ミュージカル『東京ラブストーリー

東京建物ブリリアホール

招待で行った。令和に東京ラブストーリー…!?というのは結構衝撃的だったけど、ドラマ版を知らなくても綺麗にまとまっていたので観やすかった。元の話を知らないので、泥沼に次ぐ泥沼で笑っちゃったし、終盤のリカの所に行くカンチがどうにかなってしまうのではないかとハラハラしていたんだけど、リカは聡明だったのでそんなことはなく、リカ、幸せになってくれ…というラストだった。三上を見ながら、結局遊んでいた人間の心を動かせるのはおもしれー女だけ…という気持ちになった(?)

女性陣が歌の上手い人が多かったので、好きな人への気持ち、嫉妬、色んな感情を迫力のある綺麗な歌声で聞けたのは嬉しかった。あと、カンチが今治タオルの営業担当なんだけど、今治タオルをプレゼンする歌まであって存在感がすごくて、でも原作にもドラマ版にも別にそんなシーンは無いと聞いて驚いた。今治タオル、本当に何?

 

ミュージカル『ウインドボーイズ!』

シアター1010

推しが出るということで、時間がなくて原作ゲームを殆ど齧れないまま観劇した作品。かなりストレートな王道青春ものだったのでストーリーに捻りはないものの、高校生が一生懸命自分の夢に向かって頑張る!というキラキラが溢れていて、それで胸がいっぱいになった。なんか久しぶりにザ・2.5次元って感じの作品だったな~と思うほど、キャラ付けが濃すぎて最初ちょっとむずむずした部分もあったんだけど、見ていたらだんだん楽しくなってきた。

日替わりやギャグシーンもかなり多めに感じたけど、明るくお客さんと一緒に楽しく作る作品って感じだからアリかなと思った。どちらかというと作りこまれた感じの舞台が好きだけど、こういう刹那的なエンタメっぽい作品でしか味わえないものもあるしな~という気持ちがあり。男子高校生という題材にもその刹那的な感じが合っていると思うし…。

推しは合理主義的でちょっと冷めた部分がある役で、他人ともちょっと距離を置いている感じがあって、斜めに意見を入れたりするのがクールでカッコよかった。ラストの演奏会の成功のあと、桜晴とハイタッチしようとして一瞬躊躇して手を引っ込めちゃうんだけど、そのあと桜晴にハグされて驚いた顔をしているのが、友達との距離を取り慣れていない感じが出ててすごく可愛かった。あと、部活の再建について保護者が色々言ってくるというシーンで、根拠もないのに騒ぎ立てるのがとても現代人らしいですね♪とニッコリ笑いながら言い放って、終わったら真顔に戻るのが怒ってるんだな…が伝わって来て良かった。

宗洲の全力アドリブに毎回笑わせてもらったんだけど、一番好きなのは康人が入部を決めた後の「し、新入部員って本当かァ―――!?」ってデデンって出てくるところ。勢いあまって入部届け破いてる回は本当に大ウケした。桜晴康人コンビのかぶから宗洲も毎回本当に面白かった。モブJKも可愛かった。

ライブパート含め歌が沢山聞けて、ダンスも沢山見られたのも嬉しかった。テーマ曲で上手から下手に移動する時にステップを踏むのがすごく好きだった。デュエット曲も、音を伸ばす部分がすごく綺麗で好きだった~!蘇岳に盛り上げが雑だね!って怒られる康人くん笑った。

客降りも久々にあって推しが歩いてくる逆の通路を持ってる公演があって、たまたま真逆の通路席と交換してくれる方が見つかって、曲がってくるのをうちわ持って待ってたら、見つけてめちゃめちゃピースでレスしてくれたのでとても嬉しかった。

 

振り返ると、他の年に比べると回数通った作品が多めだった一年だったな~と思った。あとこうして見ると2.5が多めだったかも。推しの主演作品がどれも面白くて嬉しかったし、単発で観劇した作品も他の年と若干違うセレクトで、新鮮な気持ちで観られたものも多かったように思う。

そういえば9月の推しと仲の良い俳優2人のイベントの序盤で、久しぶりに起動されたゲームソフトの勇者と魔王が世の移り変わりで職を失くして演劇を志す、という内容のショート劇があったなと思い出した。2人の関係値にも即して描かれていて、かなりシュールだけど面白かった。笑

今年も沢山色んな作品を観劇したいです。

観劇総括【2021年編】

明けましておめでとうございま~す!年末友達とまったりしてたら記事が全く終わらなかったので、2023年の初っぱな2021年の観劇録から始まってすみません。笑 暫しお付き合いください。

 

★1月

演劇の毛利さん vol.0『星の飛行士』

サンシャイン劇場梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

推しの出演作品だから観劇したんだけど、2021年一発目にして、2021年一番面白かった作品だった。記憶喪失のサン=テグジュペリが「星の王子さま」「夜間飛行」の2つの自分の著作を通して人生を振り返るという物語だったのだけど、この2つの作品を順番に繋ぐ構成が本当に上手くて面白かった!

彼が自分の作品の登場人物や親友(といっても幻想みたいな存在だけど)と対話しながら自分が何を大切にして何を考えて生きてきたのかを思い出していくんだけど、その過程の台詞ややり取りがすごく美しくて好きだった。

特に好きなのは「星の王子さま」の飛行士が砂漠で妻の姿を見て、僕は幻でも見ているのか?と呟いた彼に対して、妻が「そう、わたしは幻。あなたとの暮らしは幻のようなものだった」と告げるシーン。幻影と幻のような儚い日々が掛かっていてすごく美しいなと思った。その後の楽曲も好き。王子さまの最期も伊藤理々杏さんと池田純矢さんの演技が良すぎて毎回泣いちゃった。

そしてもう1つ好きなのが「夜間飛行」のファビアンの最期の歌「孤独」。白い光に照らされたファビアンは綺麗だし優しく穏やかな微笑みを浮かべているけれど、その反面この先に来るものを暗示するようにすごく冷たくて、そこに悲しげな歌声が乗ってきてすごく切なくて…。序盤で夜間飛行を闇の中をくるくる回るダンスで表現しているシーンがあって好きなんだけど、そこの楽しげな笑顔とは本当に対照的。

毛利さんのいつもの作品ってどこか小劇場感のあるやり取りや小ネタが含まれる気がするけど、この作品はそれが割とバッサリ落とされていた印象で、普段と違うものを作りたいっていうのが伝わってくるな~とも思った。朗読激の方もいくつか観たけど、また雰囲気が違って面白かった。

書きたいことが多すぎて書ききれないので、いつか時間が出来たらきちんと感想を書きたいな…という作品。

 

★2月

舞台『ヒプノシスマイク Rule the stage track.4』

TOKYO DOME CITY HALL

原作のD.R.B決勝前夜の話が好きなので観に行った。原作より大分それぞれのディビジョンに起こるトラブルの繋がりがコンパクトにわかりやすく描かれているので、観ていてスッキリした。二郎三郎の兄弟喧嘩ターンの演出が可愛かった。私は兄弟がいないから本当のところどうなのかわからないけど、序盤のじろさぶの兄弟喧嘩しても二郎は三郎に激甘だし三郎は二郎に対して極ツンデレなだけで本当はこの世で一番大事なんだっていう感情がひしひしと伝わってくる感じがなんかいいなぁと思った。

あと、トーナメント前のお前が一人で戦うならチーム必要ねーだろ!って銃兎が怒り、りおがトカゲ持ってきて左馬刻が無言で食べて、やってやんぞ!ってなる所で感じられる、志を共有してるから言葉は要らない大人のチーム感がハマっぽくて好きだった。

 

最遊記歌劇伝-Sunrise-』

品川ステラボール

ヘイゼル編完結。オープニングから胸アツだった…。キャストが変わったのもあってか序盤は出会いからのダイジェストがあって前置きが長いかなぁとも思ったんだけど、集大成だし歌劇伝の歩みみたいな部分もあるのかな、と考えたら腑に落ちた。

三蔵を他の3人が闇から引っ張り出す所の三蔵はボロボロなのに3人がワーワー好き勝手話してるところが、本当に原作の空気そのままで大好きだった。その後の光にあふれた曲も大好き。あと、ガトの最期に悟空が「Over」を歌うのが…本当に良くて…。前作までの曲を別のキャストが歌って、このために作られたんじゃないかというほどぴったり噛み合うのが本当に神業だと思う。浅井さんと三浦さん、すごすぎる。最後へイゼルが泣いている所、法ちゃん俯いてるから涙が溢れ落ちていくのが光に照らされてよく見えるのでより切ないのも好きだった。

唐橋さんのバク転と長台詞にも驚いた。そして餞別だ、クソガラスが聞けて大歓喜だった。

私はどうしても鮎川悟浄のイメージが強すぎて平井悟浄どうなんだろう~と思ってしまったんだけど、鮎川悟浄とはまた違った悟浄の良さを強調しているような感じで、彼の悟浄も悟浄だったので良かった。平井悟浄は女にフラれなそうって言われてるの本当にわかりすぎて笑っちゃった。鮎川悟浄が圧倒的に無骨な感じだったので、やさしい部分が目立つというか。

千秋楽入れたので久しぶりに拡樹くんの挨拶聞けたのも嬉しかった。「初演から考えると、本当に長い旅でした」という言葉にじーんと来てしまった。

 

★3月

舞台『「双牙~ソウガ~」新炎』

シアター1010

推しが出ているので観に行った。かなりシンプルに「戦う」ことが主軸に据えられていてごちゃごちゃしていないから、登場人物同士の関係性が際立って見えて、初めはそのストレートさ故の熱さを感じられて面白いな~と思った。でも、何度も観てると登場人物の設定や物語の薄っぺらさがすごく気になってしまった。絵本くらいの設定を無理やり引き延ばしたような印象を受けた。

例えば大切な人が傷つけられた時だけ急に強くなるという余りにもベタな設定の人物がいたんだけど、何故そこまで執着するのか?何故人格が変わるほど強くなるのか?が一切掘り下げられなくて、話に深みが無さすぎた。推しの所属しているサイドは"天下統一と誇りのため"という目的が掲げられていたし、推しの役も軍師で、そのために真剣に策を練るというのが伝わってきたんだけど…全体的にみるとすごく微妙だった。

久しぶりに推しの出演作で通うの辛いと思った。チケットその場で譲って帰ったりした。

 

★4月

TAAC『世界が消えないように』

下北沢駅前劇場

友達の推しが出ていたので一緒に観劇。3人の大学生が卒業旅行をしながら、彼らを結びつけたもうこの世にいない友人を思い、前進する物語。誰も悪くないというのは3人ともわかっているのだけど、もう少し早く気が付いていたら"彼"は生きていたかもしれないという思いが拭い切れずギスギスする様子はリアル。そして、何となくずっと一緒にいたからこそ言えない悩みを抱える様子も、大人と子供の境界線にいる彼らの心情をすごく瑞々しく掬い上げているな、と思いながら観劇していた。

最終的に彼らはそれぞれ自分の悩みを打ち明けていくのだけど、その場でそれが解決するわけでもなく、わだかまりが完全に解消するわけでもない。でも、確かに"彼"がいて、自分たちがここにいて、一緒に過ごした日々がある。別にすべて分かり合う必要はなくて、それぞれが自分の思う形で友人として接していけばいいんだということを彼らが理解して、一歩大人に近づく様子があるのが良かった。彼らの日々はそれからも続き、きっとこの物語は今もどこかで続いているんだろうな~と思える広がりのある作品だった。

 

舞台『錆色のアーマ 外伝 碧の梟』

品川Club EX

シリーズ作品の外伝で、一応初演は前に映像で見たことがある状態で行った。初回はなるほど、帝に仕える三兄弟の話で、本編の登場人物と因縁があるのね~と軽く観ていたらすごく衝撃的なラストで、余りにも切なくて泣いてしまった。そして2回目以降そのラストへの伏線が劇中のそこかしこに散りばめられていることに気が付いて、余計切なくなってしまう…という作品だった。なんかあまりネタバレしたくない気持ちになる作品なので詳しくは書かないけど、終盤で長男と三男が次男にかけるセリフと、優しい笑顔が切なくて好きすぎる。

殺陣もかなり沢山あったんだけど、キャラクターが皆変形武器を使用するので見ていて面白かった。長男が弓と槍が一体化したような武器を使用していて、バンバン撃ったと思ったら今度は振り回して敵を薙ぎ払っていてめちゃめちゃカッコ良かった。蜘蛛の糸を張る武器を使うキャラクターも光と映像でそれを表現していたのが面白かった。

ライブパートもあって、推しの優しい歌声がたくさん聞けてダンスまで見られてすごく盛りだくさんで満足感が高い作品だった。3兄弟曲がすごく好き!黒氷と藤白のターンは毎回笑わせてもらった。ぞうさん…。

この作品円形ステージだったので、座る位置によって見え方が全く違うから毎回新しい発見があるのも面白かった。クラブexなので後ろの方の席の時はマジで見えなかったけど…。そして、急な政府要請で途中の公演から中止になったのは本当に悔しかった。推しが最終公演で、正直本当に悔しいって強めに言い放って言葉に詰まった時、そんな言葉言わせたくなかったよ…と泣きたくなった。しかも中止が決まった後の公演は全部最前のチケット持ってたので、個人的にも本当に悔しかった。もうあんな思いはしたくないなと思う。

 

舞台『ヒロイン』

シアターサンモール

アーマの中止で無になっていた次の日にたまたま客入れ最終公演が行われるというのを見掛けて、前に配信で見てめちゃくちゃ面白かった作品なので当日券で駆け込んだ。再演だけど、以前の配信の時の主役の女の子がとても良かったので、同じキャストで嬉しかった。

駆け出し女優の美里は銭湯のロケで上手く演技が出来ず、自分がどうして女優を志したのか思い出そうとするが思い出せない。そこで何故か銭湯の奥さんが自分の事を知っており、自分が何かを忘れていることを思い出す。そこに時を巻き戻す妖精のおじさんが現れて美里を過去の銭湯へタイムスリップさせる。そこにいたのは自分に良く似た小さな女の子…でというタイムスリップものの物語なんだけど、彼女がすべてを思い出すまでの家族や近所の人々のやり取りがすごく優しくて、愛が溢れていて、だからこそラストの別れがすごく切なくて思わず泣いてしまう。切ないけど最後はまた出会えて、暖かくハッピーエンドで観てよかった~になる作品だった。

正直、親権争いは母親の態度がすごく嫌な感じに思えるんだけど、父親側がメインだからわざとそう見えるようになっているのはあるのかな…とも思い…。でもすごく自分勝手だなぁと思ってしまう…。

 

★5月

ブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』

新国立劇場 中劇場

登場人物の関係性を逆再生して描いていくという珍しい構成の物語で、破綻してしまった関係の伏線をどんどん過去に向かって回収していくというのがすごく新鮮だった。すべてを裏切って富と名誉を手に入れて落ちぶれた主人公と、裏切られた友人たちが、どれだけ信頼しあっていて、夢を語り合っていたのかというのが徐々に見えてくるのが切なかった。あんまり万人受けするストーリーではないな~と思ったけど…。平方さんの歌を久しぶりに聞けて嬉しかったな。

 

★6月

舞台『「剣が君 残桜の舞」~再演~』

こくみん共済coopホール スペース・ゼロ

乙女ゲームの原作を知っている作品で、推しが演じる役がとんでもない運命を背負っているのも良く知っていたので、ヒエーと思っていたんだけど、各√分岐後の話には殆ど入らなかったので匂わせる程度で終わったのは少し残念だった。でも、序盤の話はきれいに纏まっていて、各剣士の個性もしっかり盛り込んであってすごく面白かった。(まあハトミュみたいに最後まで分岐するってなると莫大な時間がかかると思うので…) そして浅井さんの曲が本当に良い…。

実彰さん役の秋沢さんの殺陣がめちゃめちゃ華やかで綺麗だったので、6人の中で一番強いというのに説得力があってすごく良かった。あと九十九丸が常夜に憑かれている時の狂気に満ちた表情がゾッとするくらい怖くて、とにかく「生きている」感がなくてすごく良かった…。あと憑かれる前と憑かれた後で明らかに剣の実力に差があることがわかる表現がすごいなと思った…笑いながらバッサバッサ斬っていくの良すぎる。

運営がゴッタゴタで始まる前に急に主役がキャスト変更で大丈夫なのか…?と思っていたけど、浜浦彩乃ちゃんがチャーミングで歌も素敵ですごく良かった。あと狐狸コンビとハバキちゃんが本当に可愛くて癒しだった~!!ひそひそ話の歌、めちゃめちゃキュート。団杉江大志のアドリブぶっこみも毎回笑った。推しに聞いたら毎回勝手に振ってくるから困るって言ってて笑った。推しがカテコで頭下げたら傘がずり落ちてきて焦ってたのも可愛かったです。

 

『楽屋』

浅草九劇

友達の招待で観劇。何度も再演されているある演劇の楽屋の女優と女優の幽霊の話なんだけど、演じるとは何か、女優とは何か…みたいな問いかけが根本にあって、色々考えながら観られて面白かった。作中、役者が演じている女優が誰かを演じている二重の状態との切り替えが余りにも自然なので、どこからが"演じている人が演じている"状態なのかという境目が曖昧で、その二重の状態も"女優"そのものなのかも…と思ったりした。今回は男性が"女優"を演じていたので、その二重性も重なっていて。

あと他の演劇の引用もすごく多いので、元の作品の勉強もまたしたいなと思った。

 

TXT vol.2『ID』

よみうり大手町ホール

その人が"その人"であるために必要なこととは何なのか?人は本当に自分の意志で生きているのか?を問いかけた意欲作。凝った設定だけど長い説明台詞もないのにスッと話が入ってきて、高橋悠也さんめちゃくちゃ脚本も構成も上手いな…と思った。

人間より高次元の知性的存在である"委員会"が実験によって感情や人格をインストールした人間を作り出して「感情とは何か?」を知るために観察し、反抗したら始末する。でも実は、委員会のメンバーもある人によって実験対象となっていて、何度も記憶を消されて実験を繰り返されていた…ということが明らかになるので、結局人は誰の意志で生きているんだろう?を考えさせるという流れが上手すぎる…と思った。

終盤で崎山さん演じる生徒会長が学級委員を誤って殺してしまった時にワッと泣くのが、ただの知性だったものに感情が乗る経験があっての"人間"なんだということを感じて、人ではない彼らが段々人間になっていく道筋が見えるようで面白かった。あと、2回目観劇したときに、物語の中の話であるはずの「繰り返されることで少しずつ変化が出てくる実験」が、演者の雰囲気が公演を重ねるごとに日々少しずつ変化していくこととリンクしていて、演劇向きの題材だし、すごく面白いな~と思った。

 

舞台『タンブリング

赤坂ACTシアター

面白そうだったので観に行ったんだけど、シンプルに悩んでぶつかり合って分かり合ってかけがえのない仲間になるというザ・青い春で、観終わって胸に沁みるものがあった。みんな、わだかまりなく終わって良かった…。新体操のショーパートを役者が実際に演じるというのは聞いていたけど、想像よりずっとダイナミックで、航南も悠徳もすごく綺麗だった。悠徳のお茶目な演技、すごく笑顔になった。プロのチームの演技も素晴らしかった。私は蒼木陣くんの上腕二頭筋のファンなので(?)見られて嬉しかったし、力強いダンスがカッコ良かった。

 

★8月

舞台『One Night Butterfly』

よみうりホール

ほさかよう演出浴びたすぎて行った。バーレスクの閉店と女性キャストの全員退職という絶望から始まるけど、最終的には男性キャストが自分を曝け出してボーイレスクの練習を重ね、最高のパフォーマンスを届けることでハッピーに終わって良かった。キラキラの衣装を着て踊るキャストを見てたらそれだけでも楽しめた。オーナーはクズでしたけど…。

洋傘・和傘を回しながらキャストが隠れて登場する演出の多用とか、キャストがめちゃくちゃ脱ぐところとかにほさか演出を感じてワクワクしてた(?)ステージが上裸で満たされてる絵面が面白すぎる。

 

ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.3

品川ステラボール

去年原作にハマって、ミュージカルの評判が良いと聞いて丁度公演があったので観に行った。生バイオリン&ピアノ演奏でのホワイトチャペル事件、迫力があってめちゃくちゃ良かった…。私は原作のシャーロック・ダラム押しかけ事件が大好きなので、端折らず入れてくれて感激だった。最後にウィリアムがシャーロックの名前を呼ぶところの、シャーロックの「名前呼んだか!?」が原作まんまで良かった。平野シャーロックは、歌唱時に早まったり遅くなったりっていうテンポの取り方や、セリフ回しの躁鬱感が本当にシャーロックそのものだった。藤田ミルヴァートンの顔が最初は暗がりで見えなくて、途中から正体がわかるのも原作を踏襲していて堪らなかった。

あと「孤独の部屋に」の少しずつ心に入り込んでくるシャーロックの存在を優しく歌い上げるウィリアムがあまりにも良すぎて…。変えられていることに自覚的なのがすごく良いなって。そしてそれが2幕の最後の曲に繋がっていって、アンサーソング的になっているのがすごく良い。Op.4もチケット取ってるので楽しみ。早く橋落ちが見たいです。(それは多分もう少し先)

 

舞台『ヒプノシスマイク Battle of Pride』

ぴあアリーナMM

BOP!1回しか入らなかったんだけど、アリーナ花道横の席だったので、めちゃくちゃ楽しかった。「Champions In Da House」のいちばんバ~ン!で乱数にバ~ンされて可愛すぎて倒れかけた(?)あと、空却くんが塩対応で花道をずんずん進んでいくのがとても解釈の一致だった。テーマ曲の「Battle of Pride」は、それぞれのディビジョンごとのカラーが良く出ててカッコ良かった。

 

★9~10月

『演劇調異譚「xxxHOLIC」』

銀河劇場、京都劇場

2021年観た2.5の中で一番面白かった作品。オールメイルでCLAMP作品を舞台化ということで話題になっていて、面白そう~とは思っていたのだけど、全キャスト発表で推しがいたので通うことに。ここ数年で一番チケットを取るのが大変でした…。

原作のオムニバス形式が上手く纏められていたし、終盤のオリジナルパートで四月一日が自身の変化と向き合う部分を入れ込むことで「四月一日が妖との関わりで少しずつ変わっていく」1つの作品として綺麗に仕上がっていて、観ていてスッキリする部分が大きかった。

あと初日は本当に侑子さんの衣装の豊富さに圧倒されたのが思い出深い。原作で彼女がある理由から必ず毎日違う服を着ているという設定があるのは知っていたけど、まさか話の切り替え毎に別の衣装を着て出てくるとは思わず…それぞれの衣装も近くで見るとすごく凝った作りで、また太田基裕さんの着こなしが様になっているのでうっとりしてしまうような美麗さがあった。他のキャラクターの衣装もすごく凝ったものだったので(雨童女のスカートの広がりとかすごすぎない?)、すごいな…とシンプルに思ったのを覚えている。

女性役のキャスト全員が日に日に美しく、魅力的になっていくのにも圧倒された。推しも女の子の役だったけど、いつも俯き気味ではにかむような表情で儚げに優しい声で話すのが、原作キャラクターの可愛らしさそのもので見惚れてしまった。最前だった日に下から見上げるような形になると、ホワイトデーのお返しを四月一日からもらって一度ぎゅっと握りしめて微笑んでいるのが見えたんだけど、それがすご~く可愛くて好きだった。照れ隠しで着物の袖をぶん回すのとかも。笑 ひまわりちゃんも歩き方や仕草が完璧に「クラスの可愛い女の子」だったので最高だった。

あと、例えば纏わりつく邪気をアンサンブルの方たちの蠢きで表現したり、女郎蜘蛛の蜘蛛の糸を実際に張り巡らせてその真ん中で座敷童子支えられて仰向けに留まることで実際に糸に捕まって浮いているように表現したり、女の子の幽霊を人形で表現することで不気味さを表したりと、全体的に演劇らしい演出が多かったのも好きなポイントだった。2.5だと映像に頼りがちな作品も多いから演劇らしい見立ての演出が沢山使われている作品が観られるのって嬉しい。テーマ曲もめちゃくちゃ好きだし、紫陽花の歌の太田さんと阪本さんのデュエットもすごく綺麗で情緒があって好き。他にも書きたいことがめちゃくちゃ多い作品なので、いつか絶対に1つの記事に書きます…。

 

『キルミーアゲイン'21』

紀伊国屋ホール

劇団鹿殺し。1回しか観るつもりはなかったんだけど、ひょんなことから2回観劇。

東京で夢破れて地元に帰ってきた売れない役者の主人公と、彼とともに演劇をやっていたけど夢を諦めて地元で働く親友が、町起こしのために閉鎖の危機の劇場で演劇をする…というのが大筋で、素人含めた演者たちのわちゃわちゃとしたコメディっぽいシーンも沢山あるんだけど、彼らの関係性の中に過去の悲しい事件が絡んでくるので、実は結構仄暗く、人生のやるせなさがじんわり伝わってくるような作品だと思った。

終盤に向かうにつれ劇中劇と劇中の現実の境目がどんどん曖昧に見えていって、「この世は舞台、人はみな役者」を体現するような話だな、と思った。その真ん中に据えられるのが人生に葛藤する演劇人達なのも良いダブルミーニングになっているように思った。

劇中劇で男性キャストが人魚の姿になるシーンのインパクトがものすごく強くて、未だに鮮明に記憶に残っている。

 

舞台『HELI-XⅡ~アンモナイトシンドローム~』

紀伊国屋サザンシアター

HELI-X第2弾。レスターちゃんいないけど、シリーズ通して観たいなと思っていたので観に行った。観終わって外に出た瞬間一緒に観劇していた友達に「つらすぎる…」と言ってしまった。Ⅱはサッドネスが本当に本当に救われなくて…幸せになってくれ…と強く思ってしまった。アンガーとのすれ違いが辛かった。

オシリス(平野良)のビジュアルを初めて見た時、(コイツ、絶対裏切る…)と思ったんだけど、案の定だったので笑った。でも彼にも彼の正義があるんだよな…とも思った。ⅠよりもⅡの方が、正義とは何か、悪とは何か…みたいな毛利さんらしい思想が強めな気がした。イモータルとクライのシーンや、シデン・シュンスイとのシーンのアドリブが強すぎて本当に笑った。杉江大志のアドリブぶっこみ…。

 

★11~12月

ワールドトリガー the stage』

品川ステラボールサンケイホールブリーゼ

推しが出ることになったけど全く原作を知らなくて、友達にまあまあややこしいと聞いていたので大丈夫かな~と思いながら初日に入ったんだけど、かなりサクサク進むし、いい具合に設定の説明が入るので舞台だけ観てもすごく楽しめた。作品に興味がなかったので正直全然期待していなかったんだけど、サイバーっぽい雰囲気が映像演出や光る武器の殺陣の演出と良くあっていて臨場感が増してたし、逃げるシーンや殺陣をダンスで表現していて(フィジカライブというらしい)そういう浮遊感のある表現が作品の雰囲気に合っていたりして面白かった。ヤンキートリオのアドリブも毎回笑った。

推しの役柄はサイン会の時にどんな役ですか?と聞いたらギラギラしててオラついてます!と言われて想像がつかなかったんだけど、めちゃめちゃカッコよくてすごく良かった。私は推しの表情のお芝居が大好きなので、ネイバーに友好的なキャラに噛み付きながらも、自分の正義に必死なだけなんだなというのが目から感じられるのが人間味があってすごく良いなって思った。武器が特殊だから、低い位置で獲物を捉えるような目で剣を構えるのとか、冷たい目で銃を構えるのとか見られて嬉しかったし、対空閑戦のダンス+殺陣が本当にカッコよかった。隊別ダンスもキレが活きてる感じで好きだったな~全員ダンスのターンもめちゃくちゃ好き。

4、5回観れれば良いやと思ってたんだけど気づいたら2倍以上観てたし、大阪も行くつもりなかったのに楽日も前楽日も行ってた…。すごく個人的な話なんだけど、平日絶対終わらんと思ってた仕事が早く終わって、早上がりで当日券行けそう…今日行った方が良い気がする…!と思ってダッシュしたらカテコが推しだったのでめちゃくちゃ嬉しかった思い出。飛んでもないタイトルの間違いをして、植田さん溝口くんが崩れ落ちたの今でも忘れられない。笑

 

DisGooNie 舞台『MOTHERLAND』

明治座

仕事で微妙に間に合わなくて本当に申し訳なかったんだけど、公演時間が長いので途中から観ても話の流れが分かってありがたかった(?) 中国史に明るくないので人物の立場とか政治や戦争の情勢が上手く飲み込めない部分もあったんだけど、この時代の背景において嬴政がああいう風にしか生きられなかったことは伝わってきたし、だからこそ昌平君とのラストはやむを得なかったのだろうな、と切なく思った。個人的には春申君が好きだった。最期の描かれ方まですごく綺麗だったので。あと、凰稀かなめさんの項燕が立ち回りも生き様もめちゃくちゃカッコよくて…こういう女になれたら最高だな…と思っていた。的場浩司のムチャクチャな蒙武も良かった。プリン…。

 

シン る・ひま オリジナ・る ミュージカ・る『明治座で逆風に帆を張る!!』

明治座

年末のる・シリーズは初めての観劇だったんだけど、毎年お祭り騒ぎだとは聞いていたのでその気持ちで行ったら、思っていたよりお祭り騒ぎだった。

初日の1部はマジで(鳩だ…)(鳩だ…)しか考えられなくなったんだけど、段々慣れた(?) クルッポー…。鎌倉幕府の話だったけど、衣装や人物の立ち振舞に和洋折衷なアレンジがされていて登場人物の立ち位置を視覚的にわかりやすく表していて面白かった。基本的には源頼朝北条義時の友情の話で、2人を始めとして歌ウマキャストが多いので歌を楽しめたのも嬉しかったし、切ない流れがありながらもしっかりハッピーエンドなのも嬉しかった。年末はハッピーに納めたいので。史実も多少アレンジされていたと思うけど、初めの王様なんだろう?と思っていたので、最後に伏線が回収されるのスッキリした。

個人的には朝廷組がお茶会している時に義仲が暴れだして逃げながら皆が一句ずつ詠むシーンが好きなんだけど、広元が親能にくっついてそそくさと物陰に隠れてアワアワしてるのとか、最後に真ん中に寄る時も待って~!って感じで置いてかれてるのも可愛い。一句詠む時に中の人の暴露大会にしてるのも笑った。広元、基本的におどおどして下むいて話しているけどアイディア話す時は目がキラキラするのが良かった。あと、義時の「俺は1を5や10には出来るけど、0を1には出来ない」っていうセリフが天才故の認め方という感じがして好き。自分にないものを物凄く的確に言葉にしている感じが天才っぽい。激化するルマンド兄さんのシーンも好きです。

2部は本当に何でもアリ!という感じで、何度事故を見守ったことか…(?) 小林且弥さんゲスト回の「るひまって緩急とか知らないの?」という言葉がリアルすぎて笑ってしまった。大人になりたくない!の推しの暴走と、ツンデレラの松田岳くんの暴走が本当に面白すぎて年末笑い納め出来たと思う(?) 一番ウケたのは人魚アリエナイだけど。笑

初日まで本当に時間がなくて朝の4時までうちわ作って(開演が早いので…)なんとか仕上げて持っていって、少し後ろ目の通路席だったんだけど、曲中の指差しで推しが見つけてくれたので頑張って良かった…と思ったという思い出。

 

長っ!!!笑 振り返ってみると2021年は一般舞台と2.5も、ストレートとミュージカルも半々くらいだったかな。オリジナル作品も観劇して色々考えを巡らせられる作品とか、かなり面白いものが多くて充実した年だったな~と思う。そういえば推しの主演はなかった年だったな~と思い返していたけど、結構良い役を沢山演じてくれて嬉しかったな。

既に2023年になってしまったけど、引き続き2022年の振り返りもしたいと思う。

観劇総括【2020年編】

前記事に引き続き観劇総括2020年編。2020年はコロナの影響で3月以降は興行がストップしてしまったし、再開後も数はそこまで多くなかったので、他の年に比べると総数は少なめかなと思っていたけど、書き出したら別にそんなことはなかった。(推しの出演作品が少なかったんだなと思った)

 

★1月

『舞台「刀剣乱舞」維伝 朧の志士たち』

TOKYO DOME CITY HALL)、赤坂ACTシアター福岡サンパレスホール

2019年から引き続きなので詳細は前の記事をご参照くださいという感じなのだけど、1月に観劇した分で印象的なのは徹夜で修論を仕上げて提出したあと、当日券行っちゃおうかな♪みたいな気持ちで向かったら最前が当たってしまい、前にも書いたソロの殺陣を間近で見られてすごく嬉しかった~というのを良く覚えている。

大楽は初めての福岡で、全体を見渡せる席から楽を見守れて嬉しかったな。

 

デスノート THE MUSICAL』

東京建物ブリリアホール

招待で3階席に入ったんだけど、内容よりも舞台が見えなさすぎてそれがすごく印象に残っていて…。笑 目の前にバーがあって舞台の真ん中が見えない&花道の前方にキャスト出てくると見えないという致命的な席だった…。最近改装入って少し良くなったようだけど…。

原作のデスノは少し齧っている位だけど、それでもあれっ月とLってこんなキャラクターだったっけ?というくらい大胆にアレンジされていたように思った。綺麗にまとまっていたので舞台作品としては面白かった。村井ライトはちょっといい人そうすぎる感じがしたので、あのラストはアリだったのかも…。笑

一番印象に残っているのは月 VS Lのテニスバトルシーン。妙にテニスラケットを振り慣れている村井良大をこんなところで見られると思っていなくてめちゃくちゃ面白かった。帰り道に前を行く女性が「宍戸じゃーん」って言っててめちゃくちゃ笑い堪えた。

 

『私のホストちゃん THE LAST LIVE』

日本青年館

ホストちゃんには縁がなかったので、本当に何もわからないまま行って、松岡充、年を取らないな…と思いながら帰ってきた(?) 楽曲が次々に披露されたので楽しく聞いていたけれど、基本的にはやっぱり何もわからなかった。

 

ウエアハウス-double-』

新国立劇場 小劇場

平野良小林且弥の二人芝居。センターステージで、周りの扉から2人が入ってくるので、本当に2人がいる教会の部屋を外から覗いているような気持ちで見ることが出来た。

初めは何か違和感はあるけど淡々とした会話劇だなと思って観ていたんだけど、ヒガシヤマ(平野)の熱い暗唱の熱に引っ張られるように、会話の中で突然ルイケ(小林)の激情が感じられる部分が所々に出てきて、最終的には淡々とした部分を激情の方が圧倒するので、ラストに向かうにつれてすごくゾクッとするお芝居だった。一定のラインの上を滑らかに会話劇で進んでると思ったら。突然激情にぶち当たってそれが大きくなっていく…というような。物語の中に出てくる用語や人物は難しかったけれど、面白かった。

 

★2月

朗読劇『青空』

俳優座劇場

以前も推しが出ていて観に行った作品なんだけど、その時は若手キャストメインで、子の回はベテランキャストが多かったのでまた違った雰囲気で面白かった。

ヤマトの純粋さが本当に眩しくて、それ故の残酷さがすごく切ない。

好きなシーンは、ヤマトが川原でムギに話し掛けながら歩いてるシーン。ムギを手放せと言われて、きっと色んなことが頭をぐるぐる回ってるんだろうなぁと思えて切なくて結構好き。前は男性キャストがムギをやっていたのも好きだったんだけど、この回は女性キャストが演じていて、ニュアンスがまた違うから比べると面白いなと思った。ムギはかわいい。

 

最遊記歌劇伝-Oasis-』

紀伊国屋サザンシアター

三蔵不在のヘイゼル編第2部。私は原作ヘイゼル編でもオアシスのパートが一番好きで、入れてほしいと思っていたシーンは一通り入れてくれていたので本当に嬉しかった。三浦香さんへの信頼感。

村田さんの少女、正直発表時はどうなんだろうかと思っていたんだけど、可愛くて、凛々しくて、すごく"少女"だった。悟空との微妙な距離感が舞台でも会話のもだもだとか距離の演出からすごく伝わってきて、しっかりと今回の彼の成長の礎になっていたと思う。最後の馬車のシーンもどう演出してくださるのかと思っていたら、すごくドラマティックに描いてくださってとても嬉しかった。少女の表情は見えるけど、悟空の表情が見えないのがすごく良くて…。そしてまさか恋の火鍋っこテーマ曲があんなに素敵に2人の歌(「Over」)になるとは思わず…大好きな曲になった。

あと、この作品で悟空が椎名鯛造で良かった~~!を本当に本当に感じた。

 

舞台『浪漫活劇譚「艶漢」第四夜』

シアターサンモール

水劇編の大胆アレンジな第4夜。結構毎日通った。水劇をどう表現するんだろうかと思っていたら、薄幕と高さのあるセットで泳いでいるように見せていてすごく良かった。会話劇メインなので水劇女優陣のいざこざが繰り広げられつつじりじりとラストに向かって盛り上がっていくのも面白かったな。花魚の芯の強い感じがすきです。

3夜は詩郎と安里の関係性がメインだと思っているんだけど、4夜は詩郎と光路郎の関係性がメインだったのも嬉しかった。途中何度かぶつかる所もあったけど、詩郎が自分の意思で光路郎に刃を向けるシーンがあるけど、あの時に手が震えてて、泣きそうな表情なのが第三夜あたりで大きく見えてきた詩郎の心の変化が凄く良く見えるシーンでグッと来てしまった。ラストで詩郎が光路郎に「勝手にどっかに行ったりしやせん」って言う時、初めの頃は笑顔で言ってたのに、終盤は光路郎を真っ直ぐ見つめて真面目な表情で言ってるのがすごく良くて、光路郎もちょっと震えてて間があったりして、心の近づく音がするのが良いなって…思っていた。

あと、戦闘シーンの殺陣が今回は魅せる殺陣になっていて、すごく綺麗だなと思っていた。刀をくるくる回すのがすごく好き。安里(安里ではない)との戦いの時の、詩郎と安里の殺陣のキメの表情好きすぎるし、やっぱり前より止まる所がピタッと綺麗に止まるのがいいなーって見てた。詩郎が戦闘のシーンで本気になった時にニヤッと笑うのが狂気的で本当に好きで、でもキレると目を細めて冷たく怒るのも好き。「楽に死ねると思うなよ」が好きすぎた。

でもほさかさん、原作で生きてるキャラクターを尽く殺すのだけはやめてください。笑

丁度コロナ禍が始まる時期だったけど、千秋楽まで無事に出来て良かったと思う…。

 

 

舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』

TOKYO DOME CITY HALL

初ブタキン!エィスくんがいるというので推しがいる友達と観に行った。ジョージとエィスの漫才を目の前で見られて良かった。

どうやっても舞台でプリズムジャンプを表現するというのがかなり難しいので、パフォーマンス的にはそこまで面白さは感じなかったんだけど、生JOKER KISS!が聞けて嬉しかったし、久しぶりに生マジヤッベーチョースッゲー聞けたからそれだけで最高!の気持ちになってしまいました。(筆者はプリパラが好きです) あとお風呂のシーンへのあの熱意は一体…。 通路席だったのに客降りでエィスも友達の推しも2人とも逆に行ってしまい落ち込んだのもいい思い出。(?)

艶漢の休演日に入れたので、服を脱ぐ男の舞台の間に服を脱ぐ男の舞台になってしまい、何観てるんだろう…の気持ちにちょっとだけなった。完走できなかったのは悔しかったよね…。

 

★3月

TRASH MASTERS『対岸の絢爛』

下北沢駅前劇場

観に行ったら若者が皆無で驚いた。社会派の劇団なので、本作もIRの誘致への反対・賛成の論議というシーンがメインの政治に寄った内容だったんだけど、それを描くために、他に2つの時代、場所で交わされる政治的な問題と家族の関係を交互に描くことで、日本の政治問題の不変(いい意味でも、悪い意味でも)を強調しているのかな、と思った。1人の役者さんが3つの時代で違う役を兼任しているので、繋がりがあるようで、ない…みたいなニュアンスも面白かった。とはいえ政治経済に弱々の私には難しかったけれど…。

 

GHETTOプロデュース『死神は桜の下で舞う』

新宿シアターブラッツ

コロナ禍で色々ストップする前最後の観劇がこの作品だった。連れられて服部武雄くんをよく観に行っていた時期があって、この作品のあらすじを読んだ時に面白そうだったので、久しぶりに観に行った。

小さい劇場なのにすごく奥行きのあるセットで、色んな場所を行ったり来たり走り回りながら事件を解決していくこの作品の、世界の広がりにぴったりだった。新宿でなんでも屋を営む2人の男の前に死神が現れて、自分の死体を探してほしいと依頼する…というのが始まりなんだけど、土台がしっかりした謎解きものだったので最後までじっくり集中して楽しめた。女性陣もみなさん表情のお芝居がすごく魅力的で、憎しみとか悲しみ、清々しさとかがすごくよく伝わってきたのが印象的。すごく面白かった。初っ端から武雄くんが女装して出てきたので驚いたけど。笑

 

★7月

舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』

池袋サンシャイン劇場

コロナ禍で興行がストップした期間を経て、初めに観劇した作品。劇場で推しのお芝居が観られる!ってだけで本当に胸がいっぱいだった。一言で言えば王道勧善懲悪なお話なんだけど、何度も観れば見るほど見せ場や注目ポイントを押さえてじっくり観られるので面白い!という気持ちが増えていく作品だった。あと十蘭、可愛すぎる。

詳しくは下の記事にて。

appleringo.hatenablog.com

★10~11月

舞台『ヒプノシスマイク Rule the stage track.3』

TOKYO DOME CITY HALL

推しディビジョンが登場ということで初ヒプステ観劇だった。開幕して一番感じたのが荒牧慶彦、役者だな…だった。自分の中で簓とイメージが噛み合わなくて本当に?と思いながら観に行ったんだけど、表情も喋り方も完璧に簓だったので…この人はキャラクター表現が上手いんだなぁと思った。

私はナゴヤディビジョンの空却くんが好きなんだけど、廣野空却は空却くんの破天荒な部分だけじゃなくて、達観していて意外にも大人びている部分をしっかり拾って演技に組み込んでくれていたのが嬉しかった。空却くんがハルの話をそっと寄り添うように聞いてあげるシーンがあるんだけど、そこの「言えよ」が優しく諭すような感じで解釈の一致だったのを覚えている。あと別れ際に振り向かず手だけ上げるのも。

あと青柳塁斗さん、大昔にまだ細かった頃に小劇場で見たことがあって、ムキムキになってから初めて生で見たんだけど、すごい強そうだった!!!(?)

2回目が最前だったんだけど、十四くんに煽られて急に会場がE.L.Lになって笑った。

 

ミュージカル『ローマの休日

帝国劇場

私は定期的に加藤和樹平方元基の歌が聞きたくなるタイプで(?)そろそろ何かのミュージカルで歌聴きたいなと思った時に公演していたのがこの作品だった。ただこちらの作品、加藤平方がWキャストでどっちかしか観られない…ということで悩んだ結果加藤ブラッドレーの回にした。結果、加藤和樹の悪い男サイコ~!という気持ちになったので、加藤ブラッドレーを選んで良かった。アン王女に振り回されて結局ほだされてしまうのに不覚にもキュンとしてしまった。最後の別れのシーン本当に良かった。太田アーヴィングのおちゃらけ感もすごくいい味を出してたな~。土屋太鳳さんは正直歌は…って感じだなぁと思った。でもとてもチャーミングで可愛かったです。

 

『LIVEミュージカル演劇「チャージマン研」R-2』

新宿FACE

友達の推しが出ていて初演も行ったので、折角だから続編も観に行った。初演ほどのインパクトはなかったけど、途中から見覚えのある展開なのにご時世に即したアレンジになってたのは笑った。キャロンちゃんが相変わらず可愛くて、それだけで元が取れる。

 

舞台『魔法使いの嫁

紀伊国屋ホール、サンケイホールブリーゼ

推しが出演するということで、原作未読のまま観に行った。演出がすごく綺麗で、ファンタジーを肌で感じるというような雰囲気なのが良かった。チセが妖精に誘われて夜の森に出かけるシーンで沢山の"見えないもの"が蠢く様子を他のキャストが黒子で手の動きで表現していたり、猫の国の猫をワイヤー製の猫の模型をキャストが動かして表現したりと演劇らしい表現が沢山あって嬉しかった。後方から見て花畑がサーッと消えるシーンで青の照明が線になって消えていくのもすごく幻想的で素敵だなと思った。安っぽくなくて、粗がない感じの演出だったなぁと思う。推しも黒子で出てくるシーンが沢山あったんだけど、歩き方で秒でわかるのが面白かった。笑 本役は決して出番が多い方ではなかったのだけど、平気でむごいことを人に吹き込むんだけど本人は悪いことをしている自覚がないという、すごく静かな狂気を感じる役で新鮮だった。人に悪いこと吹き込んだあとに無邪気に笑うのが可愛いけど怖すぎた…。あと兼役で花の妖精みたいなのを演じてて、衣装どうなってるのかなぁ…と思ってトークのときに聞いたら、スタッフさんがやってくれるので気づいたらああなっているので良くわからない…と言っていて笑った。個人的に初日と大楽で最前入れたのも良い思い出。ただ、途中あまり起伏のない話なので少し退屈に思ってしまった部分はあった。(これはストーリーの好みの問題なので仕方がない) あと座席の割振りが何故か当日で、その方法を前日発表したりと運営に対してすごく疑問な部分が多くて、この先あんまり関わりたくないなぁと思ったのを覚えている。改善してほしい。

 

『Oh My Diner』

品川ステラボール

三浦香さんのオリジナル作品が大好きだ~~!!という気持ちでいっぱいになった、めちゃくちゃ楽しかった作品。カラフルで可愛いセットで繰り広げられる濃ゆい面々の噛み合っているようで噛み合っていない掛け合いと、披露されるオールディーズの組み合わせが最高だった。

詳しくは下の記事にて。

appleringo.hatenablog.com

★12月

舞台『HELI-X』

紀伊国屋サザンシアター

毛利脚本×西田演出の新プロジェクト1作目。上に書いていた服部武雄くんが出るということで推しのいる友達と一緒に観劇した。顔のいい男とカッコいい女がバチバチに戦う作品に飢えてたから助かった。結構複雑な設定ではあったんだけど、衣装で所属組織とか仲間をかなり差別化してくれていたので見ていてこんがらがることもなくて良かった。

武雄くんが演じていたレスターは多分元女で、父に愛されるために男になって戦って、尚且つ兄が亡くなったのにそれでも目をかけられなかったキャラクターだった。結局物語の終わりに父も亡くなってしまい、最後に伏し目でわたしはただ貴方に…と呟くのがすごく切なくて印象に残っている。Ⅲまで全て観に行ってるけど、こんなに辛い話になるとは…この時はまだ思わなかったな。

 

舞台『WITH』

Zepp Diver City

プリパラに登場する男子プリパラアイドル・WITHを声優がそのまま舞台化ということで、WITHとWITHメンツが好きなので観に行った。プリパラらしいハチャメチャはそのままに、WITHとダークナイトメアのライブも楽しめて1粒で2度美味しい感じだった。

闇プリ時代のコヨイの過去が知られるとは思わず嬉しくなったし、アサヒとの過去の仲直りも可愛かった。原作ネタもゴリゴリに出てきて、三鷹アサヒによるあろまちゃんの真似がめちゃくちゃ面白かった。第2弾は行けなかったからまた次があれば行きたい。

 

この年は4~6月が全くなかった割に、2.5から小劇場、グラミュまで観劇したものが本当にバラエティに富んでたな~という印象。

それぞれにそれぞれの良さがあるなぁと思っているので、色々観る機会が持てたのはとてもありがたいことだなと思う。

続けて2021年分も書いていきます。

観劇総括【2019年編】

現場納めて年末に1年の観劇総括!みたいなのって書いたことないし、今年は筆が乗って色々感想を書けたのもあり、それも書いてみようかと思っている。

そもそも、初めは推しが誰なのか特定されたくなくて、総覧出来るような記事を書かなかったんだけど、もうこれだけ感想書いてたらバレバレだから別に良いか…みたいな気持ちになり。そして、普段感想を書いているTwitterも永遠じゃないんだな~……というのを最近強く実感したこともあり、ここに感想を書き留めていない作品もあることから、数年遡って書いてみようかな~と考えた。(はてなも別に永遠ではないのですが…)

推しの出演作品以外に何を観劇したか大分曖昧な記憶のものもあるので、確認すべく、すぐに手帳を引っ張り出せたのが2019年までだったので、ひとまず2019年から今年まで順番に総括の記事を書いていこうと思う。イベント系は基本的には省く。

 

★1~2月

『ミュージカル「スタミュ」SHUFFLE REVUE』

EXシアターROPPONGI、京都劇場森ノ宮ピロティホール

スタミュミュ」は初演から観ていて、これはスピンオフみたいな作品だったんだけど、よくオッケーが出たな!?みたいな破茶滅茶な脚本で毎回大笑いした記憶がある。辰己の脳内の想像を実際にキャラクターが演じる話だったんだけど、ただでさえキャラの濃い面々が更に濃く味付けされていて、2時間ドラマあるあるを詰め込んだストーリーは印象的だった。最後にライバル旅館の女将の辰己がホテルマンの星谷を切り捨てるシーンがあって、最初は包丁だったのが東京楽から急に日本刀になったのに本当に大笑いした。あと杉江大志のアドリブが光りすぎ。

ショーパートは次々と劇中曲のアレンジが披露されてすごく楽しかった。推しのソロ曲ダンスがすごく多くて、キレのあるダンスが映えるフリでカッコよかった~!チーム柊のトリオ新曲、ダンスがストリート感があって荒っぽくていい子に纏まりすぎてない感じなのに、ダンスが揃ってるのがチーム柊っぽくてカッコよかった。

客降りもあって、初日中通路で推しが急に横に曲がってきて今曲がるんだ!?って思いながらハイタッチしてもらった記憶。あと京都は最初行くつもりがなくて、2日前くらいに楽しいから行っちゃおう♪って交通とチケット手配して観に行った。ゲストの鳳先輩のターンも楽しかったし、通路席譲ってもらえてキャストみんな通って嬉しかったな~という記憶がある。友達も一緒で楽しかったし、行ってよかったなぁと思う。

 

『キューティー・ブロンド』

シアタークリエ

昔、友達がミュージカルでやっていて、曲が凄く良くて(主演の子が上手かったのもあったけど)また観たいな~~と思ってたら平方さんが出るというので観に行った。(平方さんの歌が好き)女性が好きなものを自分の武器にしながら戦うというストーリーがそもそもすごく好きなので、観ている間も観終わったあともすごく爽やかな気持ちになった。エル役が神田沙也加さんだったんだけど、本当にキュートで芯が強くて頭の回転が速いエルを演じきっていて、見ているだけですご~く元気が出た。元基さんのエメットも優しげな歌声がぴったりだった。

沙也加さんで再演があったらまた観たかったなぁと思っていた。叶わない夢になってしまったけど…。

 

おぼんろ公演『ビョードロ』

新宿FACE

久しぶりのおぼんろだった。いつも通りおとぎ話のような幻想的な世界観と演出で美しいという言葉がよく似合う作品だった。でも末原さんのお話は基本的にはハッピーエンドではないので…今作も、すれ違いとままならなさに溢れた切ないラストでボロボロに泣いた。黒沢ともよさん演じる愛娘を父が誤って殺してしまうシーンでガチ泣きした。わかばやしめぐみさんのビョードロがすごく可愛くて無邪気で魅力的だったな~だからこそ背負っている運命の切なさが際立っていた。

 

★4月

『浪漫活劇譚「艶漢」第3夜』

シアターサンモール

艶漢は歌謡倶楽部の初演から行っていて(浪漫の初演だけ生で観ていない)、いつも素敵なセットでお話を丁寧にじっくり描いてくれるのが嬉しい。ほさかよう演出が好きというのもあり。3夜は東雲が満を持して登場で、キャストが王子だったの驚いたけど、冷酷!鬼!無表情!の三拍子を体現するような冷たいお芝居が凄く良かった。推しが2夜以上に俊敏でキレがあるのに加えてしなやかさのある殺陣を見せてくれて嬉しかった~。詩郎と安里が実際には同じ場にいないけれど、二人の間に強い繋がりがあることをお互いの武器を使うのを見せることで象徴的に描くシーンがあって、そこがすごく上手いな~と思った記憶がある。詩郎と光路郎が最後にほっぺた引っ張り合って二人で笑い合うシーンが日に日に人間らしくなる所、さよなら、巡査殿って言う前の泣きそうな声の詩郎の震えた感じがすごく切なくて、好きなシーンでした。

初日が最前で、2夜より過激な脱ぎがあったのでどうして良いのかわからなかったのを覚えている(?)次の日から着物が追加されてて笑ったのも覚えている。笑 あと目の前に刀飛んできた日があった。

あと当時には珍しく、推しが感極まって泣いていたのが印象に残っている。(隣で末原さんが茶化すので余計に泣くという。笑)私はこの人のこういうひねくれてなくて素直な所、役にまっすぐ向き合える所が好きなんだなぁ、と思った。

 

★5~6月

DYNAMIC CHORD the STAGE』

ぴあポイントで観に行った。ダイナーは過激なイメージの作品だったので舞台化、大丈夫?な気持ちで観に行ったんだけど、観終わって違うベクトルで大丈夫??という気持ちになった。なんでこの手の作品って内容が無いよう…になってしまうんだろうか。キャストが実際に楽器を練習して披露するパートがあったのはすごいな…と素直に思った。経験者ではないのに人前で披露できるレベルに演奏出来るようになっているというのは裏にすごい努力があったのだと思うので…。

 

『ミュージカル「スタミュ」スピンオフ「Caribbean Groove」』

舞浜アンフィシアター

2018年にあったレビューの本公演。レビューも行ったけど、本公演は全通した。本当に元のある作品のスピンオフか?というくらい話も衣装も演出もゴリゴリに作り込まれていて驚いたし、面白かった。それぞれのキャラクターの掘り下げがしっかり歌に入れ込まれていて見ごたえも聞き応えもあった。最初のWILD CROWNが演出含めて本当~に好きだった。そして推しのソロ曲があんなにドラマチックに作り込まれていると思っていなくて、釘付けだったの覚えている。表情を近くで見てたら本当に切なくて凛々しくてすごく良かったのが印象的。

個人的には終盤でクリスとアルベールが丘で歌うシーンが好きで、千秋楽でアルベールに話しかける時点でちょっと泣きそうになっていて、歌も最後の一人のパートで彼を思う優しさと一緒に行こうと言えない切なさが現れていてすごく良かった。例えばティエラとの喧嘩でムッとしてたり、剣振いながら褒めて欲しそうにしてたり、無邪気にジョバンニに抱きついたり、レビューの時よりクリスは生意気でやんちゃな子なんだなぁと感じられるように掘りさげられてたのが印象的だった。

ショーパートもずっとキラキラしていて、楽しかったな~という思い出しかない。衣装付きスターオブスター嬉しかったね!最後の決めポーズへの手のフリがすごく好きで…。

高野くんがこの公演で卒業で、千秋楽のファンタスティックレビューで推しがあきらくんの髪くしゃくしゃってしたり、皆でぎゅーっと抱き締めてたのがグッと来たし、北川くんの男泣き、ずっと覚えてる。高野くんがサイレント卒業の話し始めた時は爆笑したけど。笑

全然関係ないのだけど、お手洗いに並んでいたら後ろのお姉さんが頭のリボンが曲がっていますよって直してくれて、マリみてだ…*1ってなった。(ありがとうございました)

 

最遊記歌劇伝-Darkness-』

ヒューリックホール東京

待ってた…4年…待ってた…。私は原作を人生のバイブルだと思っているくらい大好きで、歌劇伝は-God Child-から生で観ているのだけど、-Reload-でシルエットが出た後ずっと続報なしだったからヘイゼル編が決まった時本当に嬉しかったな。Darknessは代打でさいねいさんが再出演ということで、さいねい八戒生で見るのは初めてだったんだけど、不器用な真面目さがにじみ出ているような話し方が凄く良かった。藤原八戒も大好きだけど、また違った雰囲気があって。法月ヘイゼルも本当にひょうきんでちょっと嫌なヤツな部分が表情や動きからすごく感じられてとても良かった。法ちゃん、歌がうまいよ…。

歌劇伝は曲の使われ方が本当に考えられていて好きなんだけど、異聞を観に行った時にすごく好きだった「回顧」を、歌詞を少しだけアレンジして三蔵一行が歌っていたんだけど、異聞を観た時には全く思わなかったのに、本当に4人の過去にピッタリとはまっていて本当に驚いた記憶がある。

ラストのしんどいシーンの悟空の俺は、いいや、のセリフをしっかり演出で重ねて入れてくれていてしっかりしんどくて辛かったです。(褒めている) これを乗り越えないと次には進めないので…。

 

★7月

『school stage「ここはグリーン・ウッド」』

銀河劇場

元々原作が大好きな作品が令和の今舞台化!?(確かドラマ化の時に舞台化は一回ポシャってるはず)ということで非常に驚いたんだけど、ほさか脚本・演出ということで信頼しかなくて観に行った。良すぎてチケット増やして2回目も登校してしまった。

原作序盤がテンポよく描かれていて、ドタバタ感の演出がすごく上手かった。そして小西くんの蓮川一也があまりにも蓮川一也でちょっと、いやかなり感激してしまった。ピュアで生意気であ~~~そうそうそれだよ!!が止まらない。蓮川兄、忍姉の変態っぷりも上手すぎる。ほさかさんはなんであんなに変態の演出が上手いんだろう?笑

忍のシーンで原作のゲームパロの部分とかも使ってくれて本当にもう原作のオタク歓喜すぎた…。是非次回作で雨宿りと愛は勝つをお願いします。小西くんのすかちゃんの俺がついてるよが聞きたいです。

 

★8~9月

『舞台「刀剣乱舞」慈伝』

品川ステラボール

大千秋楽来ない?と誘われて観劇した初めての刀ステ。刀剣乱舞ミリしらだったんだけど、ドタバタコメディだったので楽しく観られた。バサァでめちゃくちゃ笑った。そして最後の特報の声を聞いて??となり、その後の発表で??そんなことある??となった。戦いの始まりであった。

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『ミュージカル「スタミュ」3rd season』

EXシアターROPPONGI、森ノ宮ピロティホール

キャス変後・オリジナルストーリーということでどうなるものかと思っていたけれど、楽しく観られたスタミュミュ本編3作目。修学旅行の話ということで、いつも以上にドタバタで日替わりも多めで毎回笑わせてもらった。

囚われたチーム鳳の目覚めのシーンと、三文芝居でパーティーに潜入しようとする辰己申渡コンビのシーンが大好きすぎる。実際にたこ焼き食べさせられてたのは爆笑だった。あといつの日かわかんないけど、緊張してきちゃった~那雪のやつまた上がってるよ~っていう会話に対してそっか~下がっとこ!って声かける星谷が死ぬほど面白かった。

話が進むにつれてどんどんアレックスがただの高飛車な人間じゃなくて、全てを掛けているから本気で、妥協できないからキツくなってるだけだというのが徐々に判明して、本気を見せた面々を信頼できるようになって、最後に星谷に、未来のスターって声をかけるシーンもすごく好きだった。

大楽で最前引けてすごく嬉しかったな。全員曲のダンスの推しのターンがすごく好きで、近くで見られて嬉しかった。あと、東京のカテコでピッと買えるリピチケを引きずられる推しと、大楽のカテコで北川くんが「スタミュ好きすぎて「いい」って言葉しか出てこないです~!」っていう語彙力を失ったオタクみたいなこと言ってるのに超笑った。

 

第27班『潜狂』

三鷹市芸術文化センター

久しぶりの小劇場っぽい作品。自分の選択とそれによって生まれる後悔を綺麗事なしで描いた群像劇だと感じた。実際に楽器演奏が出来るキャストが集められていて、ラストにそれぞれがどうにも出来ないいつかの後悔を胸に、それを吐き出すように、それぞれ別の場所にいながら同じ曲を演奏するのが印象的だった。音楽に救いを求めている人が沢山出てくるけれど、みんな音楽では救われない物語だったな…。

セットの後ろの照明に、小説のようにモノローグの文章が映し出されるのも印象的だった。

 

★11~12月
『舞台「刀剣乱舞」維伝 朧の志士たち』

TOKYO DOME CITY HALL赤坂ACTシアター、(福岡サンパレスホール)

未だに人生で一番通った作品記録タイ。少しだけ過去作を齧って行ったくらいだったけど、これまでとやや毛色の違う作品だったから、これだけ観てもすごく面白かった。「斬りたいわけじゃねえんだよ」とラストの「未来の日の本はええ国か」「ああ」のシーンで毎回泣いた。先日劇場編集版も観てきたんだけど、本当に殺陣すごかったな~と改めて思っていた。推しのソロ殺陣の十人斬り!が素早くてキレがあってカッコよくて大好きだった。あと以蔵と背中合わせで戦うシーンも大好き。

途中で終わっちゃってるけど、詳しくは下の記事で

appleringo.hatenablog.com

『勇者セイヤン(真)』

全労済ホール

多分招待で行ったんだけど、観たっけ?みたいなくらいあまり印象に残っていない(笑)ゲームの世界の話だったと思うんだけど、笑いの小ネタみたいなのがことごとく自分の好みにヒットしなくてちょっと退屈だった記憶がある。小劇場っぽいのって大好きなはずなんだけど、物によるんだなって…。

 

『脳内クラッシュ演劇「Dramatical Murder」』

品川ステラボール

来年再演が決まったドマステ。原作が好きな友達と一緒に観に行った。観たのはノイズ√で、ノイズ役の富園くんの若々しさとノイズの生意気っぷりが上手く合っていて可愛かった。富園くんめっちゃダンスキレキレで見惚れちゃった。ただ、ノベルゲーム原作という以上仕方がない部分があるんだけど、蒼葉が一通り全部ひとりで説明するのが若干間延びした感が否めないなぁと思っていたので再演では改善してほしいなぁと思っている。(スプステはその辺りすごくうまい具合に先生へ振り分けていて良かったので)

観劇後暫く身内間で暗喩ダンスという言葉が流行った。笑

 

書き出したらこれで1年なんだ!というくらい色々観劇していて驚いた。書きながら当時のことなどを思い出してなんだか懐かしい気持ちになった。

こうしてまとめて書いておくと、またいつか見返した時に懐かしめて良いな、と思った。

出来れば年が明けるまでに今年の分まで書き終えたいと思う。(頑張ります笑)

*1:タイが、曲がっていてよ。

文学フリマ東京35 お品書き・サンプル(「量産型」のゆくえ-「量産型女子」から褒め言葉としての「量産型オタク」へ)

出展予定の文学フリマ東京35の開催まで1週間となりました。

Twitterの方では数回ツイートしましたが、ようやく入稿完了したのでブログでも告知させていただこうと思います。

 

スペース:T-04

スペース名:ささやかな備忘録 出張版

webカタログ↓

https://c.bunfree.net/c/tokyo35/h1/T/4

【お品書き】

・「「量産型」のゆくえ-「量産型女子」から褒め言葉としての「量産型オタク」へ」

(A5 / 28ページ / 400円)

以前から制作しますと告知していた本をようやく頒布できます。

4年ほど前に女性のファン・カルチャーについて研究していた私が、以前はネガテイブな意味で使用されていた「量産型」という言葉が、「量産型オタク」という存在の台頭によって〝憧れ〟を示す言葉に変化しているという事実に非常に衝撃を受けて、それをどうにか言葉に残しておきたくて書いたのが「「量産型」は褒め言葉になったのか?」という記事でした。

この記事には思ったよりも反響があり、この興味深い文化事象についてじっくり分析して論じてみたという気持ちが湧いてきて制作を決めたのがこの本です。ポップ・カルチャーの流れの中でもしかしたら大きなムーブメントになる可能性があるこの言葉やファションについて真剣に分析することは結構重要なのではないかと考えたこともあります。

 

基本的には「量産型オタク」という言葉の表す意味について、また「量産型オタクファッション」や、それに身にまとう女性たちの在り方や、内包される文化がいかなるものであるのかという点に焦点を当てて、様々な切り口で論じています。また、そこに関連するものとして「地雷系ファッション」「ロリィタ・ファッション」についても一部触れている箇所があります。あと、現在は量産型・地雷系ファッションのブランドとなっている「Ank Rouge」「MAR*S」などの「元」ギャルファッションブランドについても触れています

当初はエッセイっぽいものにする予定だったのですが、参考文献を読み込んで書いていたら少し論文寄りのものなりました。といっても、そんなに堅苦しいものではないので、ご興味があればお手にとっていただけましたら嬉しいです。

 

章立ては以下の通りです。

1.「量産型」は褒め言葉になったのか?

2.「量産型」は誰のためのものか?

3.自己表現としての「量産型」

4.共同体としての「量産型」

5.「量産型」へ変貌したブランドたち―ギャルブランドの生存戦略

6.「量産型」と「地雷系」―新時代の〈ネオ・カワイイ〉

Extra.「ロリィタ」と「量産型」

 

↓Sample

 

 

 

★当日の諸注意★

・当日は15時半頃に撤退予定です。恐縮ですが、お求めの場合は早めにお越しいただくようお願いいたします。

・イベント開始直後の高額紙幣の使用はお控えいただきますようお願いいたします。

・以前時間があれば作るかも…と記載していたプリパラ本は今回少し厳しそうなので、上記の本のみ頒布します。

 

また、出展後はBoothで自家通販を行う予定です。

もし当日会場へ足を運べない方でご希望の方がいらっしゃいましたら、是非通販をご利用ください。

 

当日はよろしくお願いいたします!

そんなことあるんだという話

推しの舞台期間が終わり(それについてはまた今度書く)、現場の期間に開けられていなかった荷物などを確認していた。

その中にサイステ(ドラマチックライブステージ「アイドルマスターsideM」)の舞台楽曲CDがあった。発表があった当初から推しがギター持ってる役…やる…と個人的にザワザワして、実際公演が始まったら推しが本気で当て振りの楽器パフォーマンスをしてくれていてもうそれだけで胸がいっぱいだった公演である。しかも推しは元気で可愛いし、めちゃめちゃ楽しかった。

 

appleringo.hatenablog.com

 

6月に公演があって、10月にCDが出るスピード感めちゃめちゃありがたいなと思う。

どのグループの楽曲もとても良かったのでフルで聞けるのをとても楽しみにしていた。

High×Jokerの「LET'S GO ALL THE WAY!」、青春!感が強くて本当に良い。

LET'S GO ALL THE WAY!

LET'S GO ALL THE WAY!

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

事前に作詞・作曲・編曲者情報はパンフレット等でも発表されていたので、公演中も豪華だな~と思いつつ銀河劇場でパフォーマンスされる楽曲を聞いていた。C.FIRSTの「Don't U Worry」聞くとなんか無性にGolden Recordの「Love Holic」聞きたくなるんだよな~と思っていたら作曲が同じ早川さんだったりもした。お洒落楽曲。

Love Holic

Love Holic

  • Golden Record 風乃リツ(CV.梶原岳人) 朝波ナナセ(CV.広瀬裕也) 太刀川ダイキ(CV.矢野奨吾)
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

しかし楽曲のレコーディングを担当したスタジオミュージシャンについてはHPなどにも掲載されていなかったので(まあ大抵の場合はそう)CDのブックレットのクレジットを見て知ることになったのだけど、ハイジョの楽曲のクレジットを見て大げさでなく心臓が止まるかと思った。

推しがパフォーマンスを担当していたギターのパートを弾いていたのは、昔私が大好きだったバンドでギターを弾いていた、大好きだったギタリストだった。

 

バンドが解散してからその人・ミヤジマジュンさんは、サポートミュージシャンやアイドル・舞台などの楽曲プロデュースをしていて、あらいふとしさんと一緒に界隈の舞台の劇伴や楽曲のプロデュースも良くやっているので(有名なのは青春鉄道かな)いつか推しが出てる舞台の楽曲も担当してくれたら嬉しいな~と思っていた。でもそんな…自分の推しが担当しているパートを…弾いてるというのは…流石に…予想外で…。寝ようと思ってたのに一人でクソデカボイスでええ!?と呟いてしまった。

もしかしなくても、推しは、この人のギターの音に合わせて当て振りのパフォーマンスをしていたのか…私は…この人のギターに当て振りする推しを…見ていたということなのか…と気がついてしまい、むりむり…そんなの泣いちゃうじゃん…と驚きと嬉しさでリアルに大号泣していた。Aメロで刻んでいるあの音も…推しが歌っていたパートで鳴っているギターも…推しが最高のパフォーマンスをしていたあのギターソロも……ですか…そう…。これから寝るところだったというのに…。

 

実はハイジョのこと見ながら良く思い出していたのが「I sing for you」のMVだったので…なんかもう…流石にこの気持を言葉にすることが出来ない…。(BGM:春に(作詞・谷川俊太郎

www.youtube.com(左の黒髪がジュンさんです)

 

全く関係ない界隈で好きだった人や物事が繋がるの本当に人生のバグだなと思うけど、意外とそういうことって少なくなくて、いつも本当に不思議な気持ちになる。人生おもしれ~

 

ありがとう隼人くんのキャストに推しを起用してくれた誰か

ありがとう「LET'S GO ALL THE WAY!」の演奏を淳ちゃんに依頼してくれた誰か

ありがとう推し、ありがとう淳ちゃん

 

追記

推しの接触でその話をしたら、驚いたあとにしみじみと「運命だ……」って言っててめっちゃ良かった。

運命……