ささやかな備忘録

いつか死ぬ日の僕のために

仮面ライダーギーツの話をさせてください

仮面ライダーギーツの放送が終わってしまった。

 

特撮のオタクでも出ているキャストのオタクでもなかった私が、

ただ「前に観た高橋悠也さんの舞台すごく面白かったし、狐のデザインカッコいいから」という理由で何となく見始めたのがギーツだった。仮面ライダーを真面目に通して見たことはなかった。

だから、終わるのがこんなにも、こんなにも寂しいほど大好きな作品になるなんて、思ってもみないことだった。最終回、来るな~!と何度思ったことか。終了後のウェブの更新とインスタのキャスト写真を見て泣いてしまうなんて思わなかった。

 

悠也さんの舞台(『ID』*1 )の観劇時に特に印象的だったのが、話の構成の上手さと複雑な設定を自然に話に落とし込んで回収していた所だったのだけど、

ギーツも同じ部分がとても巧みに作られていて、毎回計算外の展開の連続で、次回すら予想できないのに、いざ見てみたらピースが上手くハマって進んでいく物語が本当に面白くて、これをリアルタイムで見られたこと、幸せだったな~と思っている。特にすごく面白いな、と惹かれるようになったのが丁度年末の放送で、実はDGPがオーディエンスに見られているリアリティーショーだった…ということが判明した時だったのを覚えている。今まで見てきた物語が180°違う見え方になるのを一番体感した瞬間だったかなと思う。映画の物語もキャラクターのセリフを1つ1つよく聞いてると細かな設定が繋がっている部分が沢山あって、面白いな…と思う。

 

同時に、"仮面ライダーとオーディエンス"という関係を主軸に据えることで、現代の私達の"リアル"にも重なるテーマを描き出していたのも面白くて、物語の描き方やイベントの見せ方もそれを活かしたある意味"メタ"なものになっているのも面白かった。それが現代社会への賛歌でもあり、警鐘でもあり…という感じになっているのもすごく印象的。それこそ「誰かを応援するという行為はポジティブなパワーがありながら、同時にグロテスクさが付きまとう行為である」という部分において。良く出来ているな~と思う。

悠也さんがラジレンジャーで「僕、わかりやすい正義とか悪が好きじゃなくて」と話されていて、ギーツの正義と悪も、「誰かを応援するという行為はポジティブなパワーがありながら、同時にグロテスクさが付きまとう行為である」「1人の人間には様々な面があり、それを見え隠れさせながら生きているものである」という描き方だったなと思って、それがキャラクターの人間臭さを描き出していたのも魅力だったなと思った。私は何より、例えば感動を呼ぶような綺麗ごとだけではなく、人間が人間らしく生き生きと描かれている、見ていると人の感情がひしひしと伝わってくるような描き方をされている作品が大好きなので、この部分もかなり好みにヒットした部分だったのかもしれない、と思っている。その脚本を受けた、監督さんたちの演出や描き方も素晴らしい。

しかもそういう人間らしい描写で最終的に描きたい軸が「幸福論」だと話されていて、哲学的な命題を、実感を持って描くというやり方めちゃくちゃ好きだな~と思った…。以前『ID』を観た時もこの方、哲学が好きなんだろうな~と思っていたのでやっぱりそうなのかな?という気持ち。人とは何なのか?どうあるべきなのか?みたいな部分にすごく興味があるのかな?と思う。最早悠也さんのオタクになりそうなので、取り敢えずエグゼイドを見るところから始めます(?)

 

そしてそのキャラクターと、それを演じるキャストの方々もすごく魅力的で、それもこんなにも好きな作品になった大きなポイントだった。こんなにメインキャラクターも悪役も、好きだ!って思う事あるんだな…自分の好みに合ったんだろうな~と思う。

(しかも私は舞台のオタクなので、気づいたらゲストキャストが知ってる人だらけになっていて何故!?になった。DGPがある種舞台的な装置だから敢えてのキャスティングなのかな…とは思ってるけど。笑)
前に書いたけど、私が一番好きなキャラクターは吾妻道長だ。令和にこんなに好きなツンデレに出会えると思ってなくてかなり動揺した。しかも頑固で曲がらない信念、滲み出る悪役になり切れない感、黒っぽい服装…好きでしかないよ。私が。

道長くんって、序盤で透くんの幻覚に何で親方の元で働き続けてるんだ?と聞かれて、理由なんて必要か?と返すシーンが私にとってすごく印象的だったんだけど、それは何となく夢とかなくぼんやり生きてる若者だったのかな~と思う節があったからで、それがジャマ神になった後の対チラミで夢を聞かれた時に、(俺に)叶えたい世界なんてない!と叫ぶシーンが重なって見えてしまって。なるほど、失うものも欲しいものもないから自己犠牲でも構わないという考え方になってしまうのかなぁ、運命と進む道が悲しい形で合致してしまった結果なのかな、と思ったのをすごく覚えている。そう考えると実は一番ヒーロー気質なのって彼なのかもなぁと思ったりもした。だからこそ最終話でうまい肉を食う!でやっと自分の幸せのために願ってくれたのが嬉しかったな。ベロバとの何とも言えない関係性も好きだった。 「誰かを応援するという行為はポジティブなパワーがありながら、同時にグロテスクさが付きまとう行為である」の1つの体現でもあったように見えたし。…これ以上道長くんの話をすると、それだけで1万字超えてしまうので、それは別の機会に。

あと、ここで書くのもあれなんだけど、私好きな顔範囲がすごく狭く、推しの俳優ですら顔が好きというわけではないんだけど、杢代和人くんの顔が好きすぎる。何で…今まで誰も教えてくれなかったんですか!?

しかも彼の役との向き合い方もすごく好きだと思った。ヒールに一歩足を突っ込んでいる、けど実際はただ真っ直ぐなだけ…ってすごく立ち位置の難しい役だと思うんだけど、何を考えてこの人はこのように行動したのか、とか、こういう考えだからこの人はこういう態度なんだ、という部分をすごくストイックに考えて役作りしているのが演じている所からもすごく伝わってくるので、とても好きだな…と思った。和人くんに出会わせてくれたという意味でもこの作品には感謝だな~。その辺りの成り行きの詳しいことは以前げんじぶのイベントに行った時に書いたのでご参照ください。

appleringo.hatenablog.com

(丁度8日もFS帰りにフォトエッセイのイベントに行って来て、本人の記憶力に驚きながら帰ってきた所)

元々ギーツのスーツのデザインがカッコいい!と思って見始めた部分があったので、ギーツのスタイリッシュさはすごく好きなんだけど、バッファの重厚感のあるデザインもすごく好き。私はギミックにはあまり詳しくはないんだけど、パワー系のアクションは見ててすごくスカッとする。肩とか足でポイズンチャージする無骨さがとてもカッコいい。最近だと映画のⅩギーツとの戦闘でバーサークローで咄嗟にタイクーンを守って、ブジンソードでの反撃を待つシーンがあるけど、あの共闘がすごく好きだった。あんなにボッコボコにし合ってたのに仲直りして、咄嗟に守れるようになるなんて…という2人の変化が見えたのが嬉しかった。新フォームも楽しみだな~。

 

イベントに行くとキャスト陣の仲良しさが伝わってくるのもすごく好きだな。和人くんが簡くんの天然さの保護者をしながら、横で暴れまわる瑠雅くんにツッコみを入れるというのがお決まりになっているけど、これが本当に見ていて楽しい。かと思うと本人もとんでもないボケをかますのも良い。横で女性陣2人が苦笑いしたりツッコミを入れているのもとても好き。

そう、星乃夢奈ちゃんが番組ブログで書いていたけど、仮面ライダーにそんなに詳しくない私でも女性ライダーって割とカッコいい系だったりスポーティーな女性が変身して戦うイメージがあったので、小柄で可愛らしいお嬢様が変身するのって確かにすごく新鮮だな!と思った。夢奈ちゃんが「小柄でふわふわしてても強くなれるし、戦えるんだ!ということを伝えられて良かった」という話をしていたけど、それってすごく勇気づけられることだな、と思ったりした。どうやっても今の世の中で、可愛い女の子だって強くて良い、自分の力で闘える、みたいなムーヴはすごく大切なものだと思うので、そういう部分も入れ込んでくれているのはすごく嬉しいな、と思った。(スカート殺陣はすごく大変だったのだろうと思うけど…!笑) ツムリちゃんが対照的に"見守る存在"なのも良いなと思う。どちらのヒロインの在り方もすごく大切な存在なんだ~という描かれ方がすごく良いなと思った。

 

そして、私は元々現場通いのオタクなので、どこかに行って何かを見るというのではなく、映像作品を追うというのがすごく苦手なタイプなのだけど、

そんな私に毎週末決まった時間に起きて、決まった時間に何かを見るというとても健康的な生活を一年間続けさせてくれたギーツには感謝である(?)

 

…本編が終わってしまい、FSももうすぐ終わってしまうのが寂しいから、気を紛らわせるために夏映画のイベントを東から西まで色々見に行ったことを備忘として書こうと思ってエントリを立ち上げたんだけど、前置きで作品の話をしていたらそれだけで随分長くなってしまったので、それは次の記事に回そうと思う。

この記事は1つの雑感として置いておこうと思う。

*1:感想はこちらに書いているのでご参考まで。観劇総括【2021年編】 - ささやかな備忘録

ヘッドドレスのゆくえー"ロリィタ"と"令和のネオ・ヘッドドレス"

友達の推しが出ている舞台作品で、ゴシック・ロリィタブランドとのコラボ服が発売された。以前ロリィタを着ていた友達は大変喜んでいて、コラボ服を購入して久しぶりにロリィタを着ると言っていた。(作りが凝っていて素敵なコラボ服だと思う) シリーズものの作品で私も毎回観に行っているのだが、友達が一緒に観劇する際にも着ていくと言っていたので、私も久しぶりに黒ロリィタを着ていくことにした。

バンギャル時代はライブでよく着ていたが、観劇ではあまり着ていく機会がなかったし、一緒に着てくれる友達もあまりいなかったのでとても嬉しかった。

 

しかし、前日に準備をしながら1つ困ったことに気が付いた。丁度良い頭もの*1がない。

普段黒系のロリィタを着る時はベレーやハットを合わせることが多いのだが、観劇では邪魔になるので付けられない。かといってリボンカチューシャやヘアクリップは白とか赤しかなく、合いそうなものがなかった。(もしかして:実家に置いてきた)

今はヘッドドレスが付けたいな~という気分だったので観劇の前にどこかの店に買いに行こうと決めたが、マチネ公演なのでブランドの店を回っている時間の余裕が無さそうだった。クローゼットチャイルド*2は近くにあったっけ…と考えていた時にふと、あることを思い出した。それは、以前渋谷の109に行った際、上の方のフロアで何だか懐かしいファッションを取り扱っている店舗を見かけたことだった。

トゲトゲが付いた合皮のチョーカー、クロスの付いた黒いレースのチョーカー、黒+赤や青のボーダー柄のニット、赤×黒のチェックのプリーツスカートやジャンパースカート、ボンデージパンツ…今の若者向けであろうその店に見慣れた様相の服が沢山並んでいて、バンギャの友達と令和に?と驚いたものであったが、その中に確かヘッドドレスもあった。それがロリィタに合わせられるようなものかは覚えていなかったが、店は確かスピンズだったと思い出し、劇場の近くにあったので、観劇前に寄ってみることにした。

(ひとまず黒いグログランリボンはあったので、念のためヘアゴムは作っておいた。)

 

店舗に到着すると、記憶よりも随分豊富なバリエーションのヘッドドレスが並べられていた。白・黒・ピンク・水色など色とりどりで可愛い。少しレースがちゃちなものもあったが、しっかりとした作りのものも並んでいた。黒のトーションレースにリボンとレースアップがあしらわれたものがシンプルで可愛かったので合わせてみたが、着ていたBABYのブラウスにもイノワのスカートにもしっくり来たので、購入した。隣を見ると気付けば友達も色違いを購入していて、お揃いになった。友達の赤と黒を基調とした豪華なコーディネートにも良く合うヘドレだった。

良い頭ものが見つかり、舞台も面白かったので、大変満足した一日を過ごせた。スピンズには感謝であるが、同時に、恐らくスピンズがあんなにも豊富な種類のヘドレを取り揃えているのは、ロリィタに合わせるためではないのだろうと考えていた。

 

特に20代後半以上の人々のストリートファッションにおける"ヘッドドレス"の存在は、ロリィタ服に結び付いていることが多いように思う。私の周りの同年代~やや上の世代の人に聞いてもそういうイメージがあると言われることが殆どである。ロリィタという言葉を知らなくても、"フリフリの豪華な洋服のアクセサリー"、といった具合に。世代的に、漫画ローゼンメイデンなどの影響もあるのかもしれない。(学生の頃に萌えとかメイドが流行った世代でもあるので、あのホワイトブリムのカチューシャを想像する人も一定数いるかもしれないが、ファッションではないのでここでは一旦除外すべきだろう)

しかし、スピンズのヘッドドレスが置いてあるコーナーに掲げられていたのは「地雷系」や「天使界隈」といった言葉であった。

 

「地雷系」はもうすっかり世間でもお馴染みの言葉になった節があるが、フリルやリボンで彩られながらも、黒やピンクを基調としており、十字架やベルト・バックルなどの束縛・依存を連想させるような「病み・闇」要素が取り入れられたファッションである。*3

「天使界隈」という言葉はこの時初めて聞いたのだが、調べてみると登場はファッションとしての「地雷系」とそう変わらない時期(2016~2017年くらい)であるようだが、広く認知されるようになったのはここ1~2年のようである。

このファッションスタイルは、天使を彷彿とさせる白や水色などの儚げな印象を持つ色を基調としており、天使の羽のモチーフやフリル・レース等の可愛らしい装飾が施されながらも、ロリィタや量産型・地雷系などと決定的に違うのは、メインがジャージやジャージ素材のパーカー・スカートなどのカジュアルな服装だということである。このファッションを知った時、確かに最近淡い色のオーバーサイズのジャージや厚底靴が販売されていたり、優しい色味のカジュアルな服装の人を見掛けることがあるな、と腑に落ちたのであった。

「地雷系」も「天使界隈」も両方何となく「今を生きている」という刹那的な印象を持つファッションだな、と思った。特にデジタルネイティブな10代~20代前半の世代のイメージには良く合致するとも思う。これが令和スタイルというやつなのかもしれない。

しかしながら、両ファッションスタイルの特徴は良く理解できたが、「このスタイルにヘッドドレスを…!?」というのが正直な感想であった。横にいた友達に、ジャージとかにヘドレを合わせるらしい…と言ったら、彼女もジャージにヘドレを…!?と驚いていた。やはり、実際に見てみないとなかなかイメージが沸かないものであった。

その後のとある日、原宿に行く用事があり、普段使い出来そうなブラウス無いかな、と地雷系の服を取り扱うブランドの店舗に寄ってみたところ、実際に黒とピンクの地雷系ファッションに黒いヘッドドレスを着けている高校生くらいの子を見掛けたのである!また、そのブランドは所謂「天使界隈」向けのジャージも取り扱っていたようで、ダボっとしたジャージ生地のパーカーに、同じくヘッドドレスを着けた女性が歩いているのも同時に見掛けたのである。実際に着けているのを見ると、地雷系は元々装飾の多いファッションであるし、天使界隈も"ジャージにヘドレ"とは言っても綺麗な色の装飾のあるジャージのアイテムに合わせているためか、頭だけ浮いてしまうようなことはなく、可愛いなと思った。私はヘッドドレスをとても可愛いアイテムだと考えているので、ロリィタが減少してしまった今、ヘッドドレスが受け継がれていくのは嬉しいことだと考えている。なので、原宿という地で、ヘッドドレスが"令和のネオ・ヘッドドレス"として新しいファッションに取り入れられているのを見られたのは、とても嬉しかった。

そういえば、雑誌「KERA!」があった頃は、フェアリー系やパンク系のMIXコーデとしてロリィタのヘッドドレスが取り入れられているのを見掛けたことを思い出した。これは、このファッションのアイテムだけど、こっちのファッションにMIXしてもカワイイよね!という発想であった。しかし、上記のファッションにおいては、ロリィタがMIXされたコーデというわけではなく、型として既にヘッドドレスが組み込まれているような印象を持った。MIXとかではなく可愛いものを単純に取り入れて成立している辺りも"ネオ"だなと個人的に思った。

ちなみに、令和のネオ・ヘッドドレスは大体がクリップ式になっており、横についているあご紐は結ばずに垂らすのがトレンドらしい。結ばないんだ!? なんて斬新なんだろうと思う。でもクリップ色は、ロリィタブランドで良くあるコーム式よりも格段に着けやすいと思った。

 

余談だが、「地雷系」「天使界隈」で用いられているヘッドドレスは、どちらも型を見ると元はロリィタ・ファッションで使用されているものを流用していることは明らかである。しかし、フリルやレースをあしらったブラウスやスカート等が着用されるスタイルからロリィタの影響が強く感じられ、ヘッドドレスの流用が自然に感じられる「地雷系」と比べ、「天使界隈」は少し違ったルーツが混在しているのではないかと考えられる。

というのも、「天使界隈」を身に纏う女性たちの写真を拝見していると、度々ジャージ素材の洋服に真っ白なエプロンを着用している人が見られる。また、淡い色のレッグカバーを着用している人も度々見られ、サイバー・ファッションからも影響を受けているものと考えられる。*4この"真っ白なエプロン"はロリィタ・ファッションで用いられている"エプロンドレス"のタブリエやエプロンとは様相が異なっており、見た時に想像されるのは明らかに「メイド服」であろうと思う。また、サイバー・ファッションは"近未来"をイメージさせるものであり、そこにはアンドロイドとか、ロボット的なイメージも含まれていると考えられる。*5 このアンドロイドやロボットにも、特にサブカルチャー方面では一定の「メイド」イメージがそれなりに定着しているように思う。

先程少し、ヘッドドレスに「メイド」のイメージを抱く人も一定数いるだろうということを述べたが、以上の点から、「天使界隈」で用いられるヘッドドレスにはもしかするとこうした「メイド」のイメージも包含されているのではないかと考えられる。(あくまで憶測ではあるが)

実際に「天使界隈」と検索してみると、「サブカルジャージメイド」という検索候補が表示され、「天使界隈のメイド」ファッションを着用している人も見られるので、あながち間違ってはいないのかもしれない。「メイド」もファッションになる時代なのかと思わされる。

 

ヘッドドレスにせよ、レッグカバーにせよ時代とともに着用する人が少なくなっていったアイテムである。また、「メイド」的なイメージにしても、流行していたのは平成であり、少し前の時代であろう。こうした少し前に流行したものがまた時代とともに注目されるのは世の常なのだろう。今は平成ギャルもリバイバルしているようで、文化祭とかでこういう格好をしたりするの、可愛いよねーと話している女の子たちを見掛けた。

こうしたファッションアイテムやファッションスタイルは、当時流行した形とは様相を変えながら、"ネオ"なファッションスタイルに受け継がれている。しかし、どの時代においてもその根底には"カワイイ"の魂があるように思う。

"カワイイ"は少しずつ姿を変えながらも、繰り返していくものなのだろう。

 

*1:ロリィタに合わせるヘアアクセサリーのこと

*2:ゴシック・ロリィタ・ヴィヴィアン等の専門古着販売店

*3:こうして言葉に書き記してみると、趣向としてはロリィタよりはパンク・ファッションに近いな、と今改めて思った。

*4:サイバー・ファッションも現在のものと90年代後半に流行していたもので少し様相が異なるようだが、ここではどちらかと言えば90年代後半のものをイメージしている。

*5:「天使界隈」で着用されているレッグカバーを見ていると、正しくアンドロイドのキャラクターである、ボーカロイドシリーズの鏡音リン・レンを思い出す。

旅の続きへ―舞台「キノの旅Ⅱ-the Beautiful World-」キノステ 感想など

※6/25 千秋楽までの感想などを最後に追記しました。最後まで本当にお疲れ様でした!

 

昨年「ここ数年で一番終わるのが惜しかった舞台作品だった、早く第二弾やってほしい」と感想を書いた推しが主演を務める作品が、まさかのたった1年後に第二弾が決定し、現在絶賛公演中である。

発表された時は本当に嬉しくて、初日を心待ちにしていたけど、始まると早いものでもう半分終わってしまったという…。今回も私は全通予定なので、明日以降も観劇予定があるのだけど、第二弾もすごく良かったので、もし観に行くのを迷っている方がいたら是非!配信もあるから是非!という気持ちで早めに感想を書いて置いておきたいと思う。

というわけで"キノステ"こと舞台「キノの旅Ⅱ-the Beautiful World-」の感想ほか。

 

※ネタバレしかないので、観劇予定の方はご注意ください。

 

*******

初演が発表された時は、推しが主演でキノの旅!?とすごく驚きつつすご~く嬉しかったのを鮮明に覚えている。何故かというと、過去に原作を読んでいた作品であり、何より私は原作の挿絵を描かれている黒星紅白さんの絵が長年大好きだからであった。だからビジュアルが発表された時に原作絵に寄せてくれたのがすごく嬉しかった。

ただ推しがキノを演じる=男性が演じるということだし、エルメスを人が演じるということもあり、どのような見せ方になるのか若干不安ではあったのだけど、"エルメスに乗って旅をするキノ"を「舞台作品として上演する意味」をしっかり考えて作品として考えて作り込んでくださっていたので、キャストさんの演技一つひとつにしても、演出一つ取ってもすごく満足度の高い作品だった。推しがキノを演じている所は他の作品を見てきた中である程度想像は出来たのだけど、想像以上に説得力のある役作りをしてくれていて嬉しかった。

詳しい感想は下の記事を参照してほしい。

appleringo.hatenablog.com

この初演を経ての第二弾だったので、発表された時は本当に嬉しかった!また、キャストやスタッフの方々がインタビューなどで口々に「前回とは全然違う見せ方になっている」と話されていたので、今度はどういう切り口で見せてくれるのかすごく楽しみだった。

初日を迎えて観劇してみて、確かに特に構成面で前回とは全く違った見せ方になっていて、一方で、初演ですごく良かったな、と思った演出等は残してさらに進化させてくれていて、今回も期待以上のものを見せてくれて、すごく面白かった!

 

初演は、初めだからというのもあって、キノが誰かと出会う/回想するという要素が大きくて、キノの旅らしい単発のお話+今後活躍するキャラクターとの出会いや関係性の提示がメインだったと思う。第二弾ではその流れを踏まえてシズや師匠がメインで活躍する回も散りばめられていて、かわるがわる様々なキャラクターが登場してテンポ良く話が流れていくので、より原作の短編集的な読了感に近いように思った。

また、初演でもそれぞれの国の在り方や物事をあるままに俯瞰として書くよりかは、登場人物の視線を通した描き方を踏襲してくれていたと感じているのだけど、今回はシズや師匠(そして彼らの相棒たち)がその視線に入ってくれているので、一層"世界の見え方や感じ方は人それぞれ違う"ということを強く感じられるな、と思った。これは、今回の話のセレクトの中に「仮面の国」が入っていたのも大きいかもしれない。

「仮面の国」は、キノ、シズ、師匠たちの3組が同じ国を訪れた時の様子が描かれているので、それぞれの旅の在り方、旅先の国との関わり方が視覚的に示される。キノはこの国はこういう文化なんだなということをあくまで傍観する立場、シズは国の人達の気持ちを想像して介入してみる立場、師匠はとにかくどうしたら自分の利益になるのかを考える…と本当に三者三様な旅姿を見られるので、同じ国でもこうも人によって世界の見え方が違うんだ~というのが舞台という自分と地続きの場所で繰り広げられることで、身を持って実感できるのが面白いな~と思った。高いものなので物々交換で~と澄ました顔でさらりと言ってのける師匠の横でぶるぶる震えながらそれを回想するキノのギャップがすごく良かった。笑

「仮面の国」はキノたちが訪れた後にそこら中が仮面だらけなのを表現するために、仮面をつけた国民がぬっと表れて踊るんだけど、あれはすごくインパクトがある。陸が「仮面のような顔」を指摘した時に後ろのスクリーンが"顔"という文字でいっぱいになるのなんかも面白い表現だと思った。舞台映えする話だと思う。仮面の人を警戒してふんふんする陸可愛いな。笑 あと毎回エルメスが様々な日替わりに対応してて本当に面白い。本当に知らん人が乱入して来てイケてるモトラドくん、イケてる俺と旅をしないかい!?って声を掛けた時はどうしようかと思った。ギモンを持った少年・ギモンくんの登場も好きすぎる。笑 (三好さん毎回お疲れ様です。笑)

 

あと、初演と比べると話のセレクト的に、直接キノに「実は女の子」感を感じる場面が少ないかと思うんだけど、今回の櫻井さんは、隠れてるのが見つかった時のひゃ!っていう反応とか、自分の提案が却下された時に頬を膨らませる仕草とか、ふとした時の立っている佇まいとか、本筋とは重ならない本当に細かな点でそういう可愛らしさを表現されていて、一層自然ですごいな~と感心してしまった。

「女の子」感とはまた違うけど、今回セレクトされている「砂漠の真ん中にてb・a」でのキノは、無邪気に笑う所も含めて話し方や声の作り方を他の話より若干まだ幼さや可愛さが全面に出る感じで演じ分けられているのかな~と感じていて、それも上手いなーと思った。エルメスも若干振り回されているヤレヤレ感が強めで良いなって思う。笑 砂漠の~でばったり倒れたキノが雨が降りそうなのを砂から察知してわからないくらいの表情の変化で表現してるのもすごく好き!今回は主題歌の流れる部分がダンスになっていて、それがこの話と繋がっているのもすごく自然で素敵な演出だな~と思う。雨の中のダンス、コートをはためかせるように動いているのがすごく画として綺麗で好きだし、私は推しのターンが大好きなので、くるくる回って楽しそうにしている所が綺麗でずっと見てたいな~と思っている。(初演の時、主題歌大好きになったので、同じ曲を使ってくれたの本当に嬉しい!) あの話って改めて見ると、すごくキノの在り方の礎みたいな話だなって思った。

 

そして、初演から変わらなくて嬉しい!と思っているのは、まずはあの光を当てると裏が透けるようになっている舞台セット!あれ本当に天才だと思う…。旅人3組は乗り物に乗って旅をしているから、あのセット+映像の表現の担う部分は凄く大きいと改めて思った。特に"エルメスに乗っているキノ"を視覚的に提示してくれるから、それ以外の時の辻さんという"人"がエルメスを演じるという舞台らしい表現が一層際立つというか。師匠の車、シズのバギーもあのセットがあるからリアリティが増していてやっぱりすごく好きです。初演の時も書いたかもだけど、私は取り敢えず映像で画面を派手にしようみたいな演出が好きじゃないから、山本さんみたいに「人が見立てて出来る表現は舞台らしく人がやって、それを補うように映像を使用する」というハイブリッドな演出方法が演劇らしくてすごく好き。今回だと「魔法使いの国」の飛行機が飛んでいくシーンの映像、順番に遠ざかっていくのを映し出す場所で表現してて面白いなって思った。

 

次に、前項でも少し触れたけど、辻さんのエルメスとしての佇まいと、それに対するキノの身振りや動作が健在で嬉しかった。初演でモトラドを人が演じるということがしっくり来ていたのがすごいな~と思ったのだけど、飄々と良く喋るけどキノが止める身振りをしたらその場から絶対動かない(これ、今回初めて観に来てくれた友達がすごい!って言ってた)、とか、キノが跨って出発する時には一旦エンジンを掛ける間があって、反動を感じるように動く、とかそういったちょっとした動きで本当にモトラドに見えるという瞬間が今回も沢山あって、見立てる表現大好きな私は相変わらず歓喜だった。

それに加えて、今回は泥濘を進むために重そうに押していったり、銃撃戦で2人が連携してキノが素早く避ける演出で弾除けしてるのを表したり、エルメスに布の端を持たせて布を引っ掛けて張っている様子を表したり、2人の表現の幅が広がっていて、初演であれだけ色々見せてくれたのに、まだこんなに表現があるのか~と可能性を感じた。

あと私はキノとエルメスの感じ方の違いの描写が好きなんだけど、今回は特に「魔法使いの国」でそれが見られて、嬉しかった。例えば国長に歓迎されている時にエルメスがスラスラ~っと不満を言い述べた時にキノが慌ててそれを止めて暫くむっとした顔しているのとか、ニーミャがフィアンセにキスした時に口笛を吹くエルメスをキノがこらっ!て思い切り叩いて逆に硬さにやられていって~!って顔をする、当のエルメスは何?って涼しい顔をしている…というような、細かい"人間と、機械"の描写が舞台上での見え方をより深いものにしてるなって思うので。

「魔法使いの国」はニーミャと2人のアイディアの出し合いのテンポが良くて観ていてすごく楽しい。小口さんの芯が強くて、でも可愛らしさもあるニーミャ、すごく好き。前でも少し触れたけど飛行機が飛ぶシーンは圧巻だなと思う。細かいんだけど、キノがニーミャの話を聞きながら微妙に苦笑いしてる所があるなと思っていて、(あ、実は飛ぶのをあまり信じていないんだなぁ)を感じられるのがニクいポイント。あとこの話のエピローグの2人の会話が日に日に素朴で何気なさを感じる雰囲気になっててすごく良いな~と思う。(これがカテコで三好さんが言っていた"さり気なさ"の1つなのかもしれない) 2人の会話のテンポ感は初演から息ピッタリだったけど、第二弾になって一層、呼吸の間まで息ピッタリで好き。

 

他にも、「英雄達の国」もきっちりNo Hero→Seven Herosの順番で描かれていて、原作同様に後から明かされる事実を噛み締めて味わえる構成になっていて嬉しかった。このお話は今回の中で一番裏側とか7人やキノの心情を考え直しちゃう話だな~と思った。見ていると調査員たちは生き残ることより、心のどこかにある自分が一番華々しい成果を上げて死にたいという気持ちが会話の節々から滲みだしているのが言葉に出来ない気持ちになった…。何も知らされる術がなかった彼らにはもうそれしか残ってないんだなぁと思って…。最後の調査員とキノの対話シーンが毎回少しずつ雰囲気が違うのが良いなと思うんだけど、どんよりと思い空気が流れている中で、調査員の言葉を聞いた後にキノが僅かに動揺して空気が動くのが好きだな、と思う。対比して戦っている時のキノが楽しそうなのも良いよね。

銃撃戦のアクションもカッコよかった!初めのキノがエルメス弾除けにするシーンもカッコよかったし、その後も惜しみなく色んなところが爆発する!笑 フルートで狙撃しようとしている時の鋭い視線がすごく好きだな~と思って見てた。(自分たちが守りたかった国でもらった最新式のライフルを使う人間と撃ち合って敗北して散っていくの、すごい皮肉だよね…。)

あと衣裳の帽子!!私はやっぱりキノと言えばこの帽子のイメージがすごく強いので…衣装チェンジがあってすごく嬉しかった!!!帽子とブルーのジャケットの衣裳の時のビジュアルが体型含めてあまりにも完璧すぎて…本当に…。

 

「保護の国」は保護動物のビジュアルが強烈ですごくインパクトがあった。笑 初演から引き続き師匠は歩き方から銃の抜き方まで本当に滑らかで美しくて、隙のない感じをしっかり表現されていて素敵。交差するように歩く歩き方、美しすぎる…と今回気がついた。ずっとポーカーフェイスを保っているのだけど、保護動物におちょくられている時に段々イライラしてきているのをそういう空気を醸し出すことで表現されていて、加藤さんすごいな…と思った。今回の師匠で一番好きポイントは、実は仮面の国で机に座る時の動き。そんなに滑らかに座れることある!?と思っている。相棒も基本的には尻に敷かれているけどやる時はやるっていうギャップをしっかり感じられて良かった。2人が銃を構える瞬間の画が本当に強いのだ。(そして流れる不穏な音楽も大好き。笑) 「守られているということは、力があるということではないのですよ」、肝に銘じたい言葉だと思う。

 

「賭けの話」も箸休め的に挟まれることで、小説のテンポ感の表現に一躍勝っている感じで、良いなと思った。音楽も相まってなんだか可愛い雰囲気なのに、一人だけ全然かわいくない賭けっていうギャップも、色んな人がいるんだなと思えて良い。笑 どの話もそうなんだけど、初演に引き続きそれぞれの国での国民を演じる皆さんの演じ分けが素晴らしくて、最初から最後まで全く違う国を回っていることを肌で感じられるのがすごく好き。本当にただのモブ、背景ではなくて、ひとり一人のバックグラウンドが見える形で役作り・演出をしてくださっているのが嬉しいなと思う。休演日のツイッターでスタッフさんが衣裳の数がすごい!というのを載せてくれていたけど、きっちり気候や文化で分けてくれているの本当にすごいな~と思う。これだけメインキャラクターと関わる人がくるくると動いてく作品ってあまりないし、解像度が高ければ高いほど"旅"を感じられるので。

 

「祝福のつもり」もラストを知っていたので、ラファ役の鈴木さんがシズに自分を売り込むラファをわざと無邪気に明るく演じているのに初めから切なさを感じてウッとなってしまった。私は今回センターの席が多いんだけど、センターから見るラストの雪景色のシズとラファのシーン、本当に美しくてかなり心に刺さるのでみんな見てください!(?)

シズと陸は今回からキャストが変わったけど、三好さんのシズは今まで戦ってきた貫禄と覚悟故の言葉の節々の重みがあって、これからコロシアムに向かうシズにぴったりだった。そして、仮面の国と祝福のつもりのシズが纏う空気感が全く違うのもすごいなと思った。ちょっとスレてて重い荷物を背負い続けてるみたいな表情がこの話とコロシアムを経て、穏やかになっている変化をしっかり演じ分けられていてすごく良い。ただ、ちょっとスレてる感はあるけどそもそもの根が優しいのもラファとの関わりの中で見えてくるのが良いなと思う。最後にラファの外の世界って本当に綺麗ですね!に対して、そうか?って言いながら振り向いたシズが少しハッとした顔してそうかもな、って告げるのが世界の見え方が人との関わりで変わった瞬間みたいを垣間見たようで。

陸は前回のもっふもふ衣装も好きだったけど、シズとの会話が増えた今回は確かに"紳士"である方を強調するのは正解かもしれない。でも関さんがふとした時ちゃんと"犬"の瞬間を演じてくれているのが良かった。日によって警備員に足でお手するシーンや、シズに締め出されて部屋に入れてもらえた時に唸るシーンが好きすぎる。笑 しっぽを手で支えてるのもポーズ的に紳士っぽくなって良いなと思うんだけど、たまに手動でブンブンさせてるのが可愛い。笑

 

というわけで、非常に細かくて長い文章となってしまったが、総括すると、初演の良さはそのまま引き継ぎつつ、新しい見せ方も提示してくれたことで一層深みがあって小説の持つ雰囲気を舞台らしく落とし込んでいて期待以上だった!という所である。

カテコで推しが挨拶していた時に、1人ひとりの中にそれぞれのキノの旅があって、1人ひとりがキノの旅だから、1人ひとりが素晴らしいのでみなさん自信を持って生きてください!という話をしていた。観た人/読んだ人によって感じ方がかなり違う作品だから、それぞれの感じ方を大切にしてそれに自信を持ってほしいということなのかな~と思いながら聞いていた。確かに個々人の在り方みたいなものを今一度考えるきっかけになる作品だよなぁと改めて思った。

毎回同じ国なのに表情とか、セリフのニュアンスとか、色々なものが重なって少しずつ違った景色に見えるから、国民のみなさんが生き生きして見えて、それを旅人たちの目を通して体験できるのが本当に旅みたいな舞台だな~と思っていて、舞台の醍醐味が活きてる作品だな~と思う。それは原作が良いからであり、スタッフさんの腕が良いからでもある。今回1、2列目の観劇だけど後ろから全体も見てみたいかもと思った(円盤を見よう!)

全く時間がなくて結局原作を読み返せてないので、早く読み返して読めてない部分も読みたい気持ちでいっぱいになった。

 

今のところ明日以降の公演がどうなるかわからない所ではあるが、再開したら興味のある方は是非観に行ってほしいし、配信もあるので是非見てほしいです!

最後に今回カテコ撮影会があって動画を撮っていたので、折角だから写真にして置いておく。キャストの皆さんが言っていたけど、確かに劇団っぽさがある。

 

※6/25追記

この記事を書いた丁度次の日に公演が中止となって、その後再開のお知らせがあり、残りの24日と25日千秋楽も観劇してきた。

辻さんが体調不良で出演見合わせのため、エルメスは山本タカさんの影マイクと映像で表現ということで、どんな風になるのかドキドキしていたんだけど、たったの2日間で映像を追加して表現プランも調整して、スタッフさんもキャストさんも今出来る最善を尽くして違和感のないように仕上げて、旅を続けてくれて、本当に感謝しかないな~と思った……。特に櫻井さんは、映像と影マイクに合わせて間の取り方も演技も変えてて、本当にすごいな……と思った。タカさんの影マイクも違和感なく聞けて、本当にこんな短期間で…プロ魂…と思った。

24日のマチネの「どうしようか、悩み続けようか」を噛み締めるように言っていたのがすごく胸に刺さったし、終盤、雨の中でエルメスの機体をそっと笑顔で撫でるのも辻さんのエルメスを思う気持ちを感じて、すごく良かった。カテコの挨拶で加藤さんや櫻井さんが「旅が途中で止まってしまうことが辻くんにとって一番悔しいことだと思うから、いつか第3弾に笑顔で戻ってこられるように」「りょうくんの居場所を守るために旅を最後まで続けることにしました」という話をしていて、素敵なカンパニーだな…と思った。

映像のエルメスとのシーンだと、「魔法使いの国」でエルメスがキスシーンを見てひゅ~♪と言うのをキノが思い切り叩いて倒れ込んで痛さに悶絶したり、もう一回叩こうとしてた所が印象的だった。笑 ニーミャの家で物陰にこそこそ潜んだり、最後国から逃げようとして捌けたのに、国長に引っ張り出される演出になってたのもなんだかユーモアがあった。笑 あとは英雄達の国の初めの銃撃戦、すごくダイナミックにアレンジされててカッコよかった。(櫻井さんと三好さんで考えたというのはここのことかな)

日替わりで二日連続でオ・ネダリ―くんが暴れまわってたのは笑った。その近くの席だったからよく見えたんだけど、本当にオ・ネダリーくんのブロマイド(ネットプリント)だったので笑った。「オ・ネダリーさんの写真なのにボクがサインするんですね…」と戸惑うキノがすごく面白かったです。三好さん、毎回お疲れ様でした。笑

 

千秋楽はみなさんの挨拶が聞けて嬉しかったし、タカさんのお言葉も直接聞けて嬉しかった!!我々は千秋楽の国(関さんが言ってた。上手い!) の住民!!櫻井さんが、前に辻さんと"なんで舞台に立つのか、演劇をやるのか"という話を真面目にしたことがあるという話をしていて、その時にみんなに笑顔になってほしい、みんなの笑顔を見たいから、愛を返したいからなんだって思ったんだという話をしていて、すごく良かった。愛を持って演じて下さっているのがすごく伝わるので、言葉でもそれを伝えてくれるのがすごく嬉しいなと思った。捌け際に言っていた皆さんの人生の旅の途中でまたお会い出来たら嬉しいです(※ニュアンス)という言葉がすごくすごく好きだった。

改めて推しがキノをやってくれて本当に良かったな~と思った。好みの作品を、好みの演出と信頼のおけるキャスト陣で観られるのって本当に贅沢だな~と思う。

まだまだお話は沢山あるので、本当に是非第3弾も観たいな!と思っています。いつでも待ってます!!

 

最後にすごく余談なんだけど、パンフレットを買った時、黒星紅白先生のキノステバージョンの2人の描きおろしイラストが載っているって知らなくて、家で開いて本気でギャって声が出た。ずっと好きなイラストレーターさんが推しの絵を描いてくれる世界……生きててよかったな~ととても思った……。ありがとうございます。

お寄せいただいた舞台の謎特典情報(続・舞台の特典について考える会)

appleringo.hatenablog.com

 

先日書いた上の記事を読んでくれた方から

マシュマロに面白い舞台の特典情報をお寄せいただいたので紹介したいと思う。

それは…余韻に…浸らせてほしい…。

何らかのイベントでスポンサー企業の商品が配られるということはあるあるなので、

それがたまたま舞台で行われたということなのかもしれないけど、察するに割と重めな作品だったと窺えるのに噛み締めている途中で全然関係のないドレッシング渡されたら、一気に現実に引き戻されて悲しすぎますね。韓国に関係のあるものであったら、今韓国のミュージカル見てきたからな…とか自分を納得させられるかもしれないけど、全く関係なかったらもうどうしようもない…。

せめて入る時とかにスポンサー商品お配りしてま~すとか言いながら配ってほしいものである。

 

このマシュマロをいただいてから、私も昔、戦国もののそれなりに重めの内容の舞台を観終わったあと、音楽番組のコラボ企画で帰り道に観客がCandy Boy*1にキャンディを配られるという謎のイベントが発生したことがあったのを思い出した。

一応そのキャストたちはアンサンブルで出演してはいたものの、作品とCandy Boy自体は全く無関係なので、(何故今ここでキャンディを…)とは思った。もしかしたらマシュマロをくれた方も同じような気持ちだったのかもしれない…(?)

若手俳優メイン舞台では食べ物が特典で付属することってあまりないけど、ある程度作品に沿っていれば、嵩張って使わないものを渡されるよりは食べたら無くなるから良いのかも、と考えた。(そういえば今度ドーナツが付いてくる舞台あるよね) 衛生管理が難しそうだからあまり広まらないのかもだけど…。

 

あと、美容師がテーマの舞台を観劇した時に物販でシャンプーとトリートメントの試供品を配られたのを思い出した。これこそ多分スポンサー企業の商品だったんだと思うけど、作品にも沿ってるし、遠征の時とかに持っていって使えるしまあアリかなと思った。作品自体はそんなに面白くなかったけど…。

そういえば入浴剤が付いてきた舞台があったのも思い出した!(これはお風呂のシーンがあったからだと思う) 消耗品系、意外とアリかもしれない。

 

まあでもやっぱり前の記事の通り、一番良い特典はブロマイドかトレカだと思う。

送ってくださった方、貴重な情報をありがとうございました。

*1:その音楽番組発の俳優もやってるボーイズグループ。今久しぶりに検索して、まだ元気に活動してて(知らなかった…)になっている。

舞台のS席・プレミアムシートの特典グッズについて考える会

舞台作品、特に最近は2.5次元と呼ばれる作品や若手が多く起用されている作品の前方・センターブロック確約の席種のチケット(通常はS席とか、プレミアムシートとか呼ばれるもの)には、何らかのグッズが付いてくることが多い。

もらえて嬉しい品物も勿論あるが、同じ作品を何度も観に行く俳優のオタクとしては、いくつももらうと結構後々の保管に困る品物も多い。遠征時には荷物を減らしたくて配って帰ることもあるし、友達に配ることもあるが、それにも限界というものはある。この前丁度部屋の片づけをしており、それなりの年数分の様々なS席特典が出てきて、どうしよう…という気持ちになったので、折角なので、今までもらったS席特典を振り返りながら、"真に嬉しいS席特典"について考えてみようと思う。

※全てが独断と偏見です。

 

目次

 

布もの

・トートバック

割と多い特典。デザインが悪くなければ舞台期間にガンガン使って、ダメになったら替えられるので悪くはない。配ることも出来る。10枚とかあると嵩張るので保存はしづらい。

実用度 ★★★★☆

収納適合度 ★★★☆☆

困る度 ★★★☆☆

 

サコッシュ

トートバッグと似たような感じだが、私自身はあまり使用しないのでちょっと困った。バッグほど嵩張らないし、よく使う人は嬉しいかも。周りの友人達もあまり使いそうな人がいないので、行き場がない。紐を外してポーチに改造しているファンの方を見掛けて、それはすごく良いなと思った。

実用度 ★★★☆☆

収納適合度 ★★★☆☆

困る度 ★★★★☆

 

・バンダナ

付いてきた作品が作品(ヒプステ)だったので、カラーギャングか?と思ったが、お弁当を包む時には使えるかもしれない。でも正直あまり要らない。嵩張らないので保管には困らない。でも要らない。

実用度 ★★☆☆☆

収納適合度 ★★★★☆

困る度 ★★★☆☆

 

・作中の部活ジャージ

タンブリング』の特典で、作中で登場人物画着ているのと同じデザインなので、観劇しながら着ているとマネージャー気分になれるのですごく良かった。中原幸子さんデザインなので可愛くて、部屋着にも良い。めちゃめちゃ嵩張るので何着ももらうとかなり保管に困るけど、プレミアムシートの倍率が高かったので欲しい人が多くて、すぐ譲渡先が決まって渡して帰れたのであまり困らなかった。今も部屋着にしている。

実用度 ★★★★☆

収納適合度 ★☆☆☆☆

困る度 ★★☆☆☆

 

・布マスク

当時劇場だとほとんど不織布マスクが推奨されてたので使わなくない?という気持ちになった。マスクケースとセットだったりしたので、マスクケースだけで良いのに…と思った。

実用度 ★★☆☆☆

収納適合度 ★★★★☆

困る度 ★★★☆☆

 

・ハチマキ

「○○親衛隊」の○○部分に好きなキャスト(キャラクター)の名前を書いて使えるようになってるハチマキ。『歌謡倶楽部艶漢』のバナナシート(前方エリア)の特典。「○○親衛隊」は原作準拠の設定で、ショー形式のイベントだったので、付けてキャストと盛り上がると気持ちが高まるという意味では割と楽しい特典だった。しかし終わった後どうすれば良いのかわからないし、人にもあげられない。私も正直どこに仕舞ったか覚えていない。

実用度 ★★☆☆☆

収納適合度 ★★★★☆

困る度 ★★★★☆

 

布もの以外の実用系

・チケットケース/チケットホルダー

まあまあ良くある特典で、大抵が小さめサイズのクリアファイルのような形状のもの。電子チケットでない限り紙のチケットを持ち歩くものは必要になるし、作品ごとにデザインにオリジナリティがあるし、割と消耗品なのでいくつあっても困らないのでありがたい。ほぼ同じ形状でマスクケースという名前の場合もあるが、サイズが微妙に違うくらいで大体同じもの。

実用度 ★★★★☆

収納適合度 ★★★★★

困る度 ★☆☆☆☆

 

・コンパクトミラー

私が以前もらったものは結構可愛かったので普段使い出来た。(ミュージカル『魔界王子』の時のもの) ミラーもまあ壊れやすいものではあるので、消耗品としてスペアを保管しておくのはアリだと思うので、多少数があってもまあ許せるもの。同社の別舞台でキーホルダーミラーが付いていた作品があって、それも可愛いなと思った。

実用度 ★★★★☆

収納適合度 ★★★★☆

困る度 ★★☆☆☆

 

・DVD

劇中歌のMVのフルバージョンが収録されたDVD。回替わり特典だったのもあり、これは特別感があって嬉しかった。ダブり分は来られなかった友だちにあげたので丁度良かった。

実用度 ★★★☆☆

収納適合度 ★★★☆☆

困る度 ★☆☆☆☆

 

・ホッカイロ

寒い季節の特典。消耗品だし人にも配りやすいし嵩張らないけど、袋にキャストの写真がプリントされているので若干使いづらかった。でもまあいざとなれば使えるので、そんなに困らない。

実用度 ★★★★☆

収納適合度 ★★★☆☆

困る度 ★★☆☆☆

 

スマホリング

デザインが凝ってて可愛かったけど、使用しないのでどうしよう…と思ったまま引き出しに仕舞われている。コンパクトサイズなので収納には困らないが。使う人は嬉しいかもしれない。

実用度 ★★★☆

収納適合度 ★★★★☆

困る度 ★★★☆☆

 

・傘

今までの特典の中でトップ・オブ・どうしろと?だった特典がこれ。(艶漢の特典) 折り畳み傘とかではない。プリントの入った大きめのビニール傘(しかも回替わりで色ランダム)。 雨の日の観劇時は何故か2本の傘を持って帰らなくてはならないという不可解な事が起こった。実用性は確かに高いけど、何本もあるのはかなり困る。1本は暫く使っていたけど、それ以外は未だに押入れの奥に仕舞われている。

実用度 ★★★★☆

収納適合度 ★☆☆☆☆

困る度 ★★★★★

 

紙もの

・ミニビジュアルブック/ミニフォトブック

メインビジュアルやブロマイドとは異なるアザーカットのキャスト写真などが収録されている小さな冊子。そこでしか見られない推しの別ショットが見られるので単純に嬉しい。沢山あると困るかもしれないが、持ち歩きやすいし、人にも紹介がてら配りやすいし、そこまで困らないかもしれない。

実用度 ★★★☆☆

収納適合度 ★★★★☆

困る度 ★★☆☆☆

 

・パンフレット

物販で売っているものと同じパンフレットがプレミアム特典で付いてきたことがある。買えるものをわざわざつけるというのは理解が出来ない。何冊も要らないし、嵩張るし、配り辛いしとても困る。

実用度 ★★☆☆☆

収納適合度 ★★☆☆☆

困る度 ★★★★☆

 

・カレンダー

個人的に困る特典第2位。年末の舞台作品に付いてきがち。絶対に1年しか使えない上にスペアが全く要らない品物だし、そもそも俳優のオタクは大量にカレンダーを所持しているので、使用することすらないこともある。かなり困る。取り敢えず友だちに配ってみるが、限界はある。トップ・オブ・困るは傘だと思っているが、付属頻度を考えると一番消滅してほしい特典かもしれない。

実用度 ★★☆☆☆

収納適合度 ★★★☆☆

困る度 ★★★★★

 

・ポストカードセット

キャスト全員分のポストカードのセット。それなりに嵩張るので沢山あると困る。大抵のオタクはバラバラにして交換している。

実用度 ★★☆☆☆

収納適合度 ★★☆☆☆

困る度 ★★★★☆

 

・ミニレターセット

極上文學の特典で、古川紙工のそえぶみ箋シリーズの作品オリジナルバージョンだったんだけど、作品に合わせたモチーフと作品の判子の柄ですごくお洒落だった。使いやすいし、消耗品だからいくつあっても困らないし、良い特典。ただし、極上文學だから出来る特典のような気もする。同作は手拭いとかトートとかが特典のこともあったけど、レタセが一番良くない!?と思う。

実用度 ★★★★★

収納適合度 ★★★★☆

困る度 ★☆☆☆☆

 

・特典用ブロマイド/トレカ

大抵の場合、販売分とは別のカットのキャスト写真が使用されていることが多いブロマイドやトレカ。ランダムなこともあるが、単純に推しの別ショットが見られるのは嬉しいし、何枚あっても嵩張らないので困らないし、配りやすい。

実用度 ★★★☆☆

収納適合度 ★★★★★

困る度 ★☆☆☆☆

 

結論

シンプルにブロマイドやトレカを付けてもらえるのが多分一番嬉しいし、ありがたい。

 

*****

こうして並べてみると本当に多種多様な特典があってユニークだな~と思うし、制作側も色々試行錯誤の末に特典を決めているのだろうな~というのが伺える。

でもやはり、シンプルで嵩張らないものが一番ありがたいというのが事実である。何故なら、オタクはそもそも荷物が多いし、推しの写真が増えるのが嬉しくないオタクは少ないと思うので……。

 

記事に上げている以外で面白い特典をもらったことがある方がいれば、是非教えてください。

「貴方の選択で貴方の世界が作られる」ー演劇調異譚「xxxHOLiC-續-」ホリ譚 感想ほか

普段、観劇の感想などは公演期間が終わった後に書き始めることが多いのだけど、感想を書く公演というのはすごく良い公演だったことがほとんどなので、折角なら興味を持った人が観に来てくれるきっかけになればな~と思い立ち、今回は公演中に感想を書き始めた。しかし、始めてすぐに残りの東京公演が中止となってしまい、悲しみながら兵庫公演是非観に来てね…という記事にしよう…と思っていたらそちらも中止になってしまい、筆が止まってしまっていた。

しかし、とても素敵な公演だったことに変わりはないし、初日のアーカイブ配信が始まったようなので、気になったら配信を見てね!という意味でも、いつも通りの備忘の意味でも、感想を書き留めておこうと思う。

太田さんは無事に退院されたとのことで、本当に良かった…お大事になさってください…。

というわけで、演劇調異譚「xxxHOLiC-續-」の感想など。

※ネタバレ有なのでご注意ください。

 

*****

ホリ譚は初演も推しが出ていたので10公演くらい観に行った。

推しが演じたキャラクターが本筋に絡む話はそこで済んでいたので*1、次回作には出ないだろうな~と思いつつ、話の構成と演出がすごく好みだったし、キャストのイメージもぴったりだったので、推しが出なくても次回作があったら是非行きたいなと思っていた。(個別の記事は書いてないけど、2021年観劇まとめに感想を書いている。) なので、「續」にも推しが出ると発表された時はすごく嬉しかった。

忙しい時期が被っていたので10公演強観る予定でいて、途中で中止になってしまったので、観劇出来たのは初日含む5公演。(神戸も行く予定だった。)

 

初演のラストが俯くひまわりちゃんで終わっていて、次回作はきっとひまわりちゃんの話が来るぞ~!と思っていたので、しっかり物語の1つのターニングポイントとして描いてくれて嬉しかった。その他のお話のチョイスも、オムニバスでありながら初演以上にテンポ良く流れていくように思った。

 

初めの写真の女性の話は、侑子さんの"願いを叶える"ということへの思想とxxxHOLiCのダークな世界観が伝わってきて、掴みとしてベストチョイスだな~と思った。初日は急に美女の推しが出てきたのでめちゃめちゃ驚いたけど…。笑 曖昧な記憶だけどモデルか女優かな設定だったかと思うんだけど、写真を侑子さんに渡しながら目を逸らす視線や、この写真より嫌なものなんてないわ!って叫ぶシーン、写真に映らないように歩き惑うシーンなんかは、仕事柄なのか"女性的な女性"な彼女の様子が表現されていてすごく良かった。(突き落としてしまった女性が映る写真を消す対価として記録媒体に映ってはいけないという注意を聞いた時の「え?」の声の震えも迫真だった。) 侑子さんがさらりと対価を告げるシーンは何度見ても美しいのにすごく不気味で、震えそうになる。

ステージ後方に下りて来る半透明のフレームのセットも"動く写真"の不思議さと不気味さを演劇らしく表している表現で好きだった。写真は演劇的に表現されているのに対して、この話の終わりに依頼主がこの先何にも映らないなんて不可能だろうということを表わすシーンは映像での表現になっていて、この使い分けが絶妙だな~と思った。あと、ビビってる四月一日が可愛かった。四月一日のバタバタ感は今作も健在で嬉しい。阪本さんの大袈裟だけどわざとらしくなりすぎない生き生きとした表情や動きの匙加減が好き。

 

この導入的なお話のあと、単発のお話の積み重ねで四月一日の意識の変化・ひまわりちゃんの秘密への道筋へ少しずつ繋がっていくのが、1つの舞台の流れとして完成していて素晴らしいな、と思った。(実際、初演未見の友人が何人か観に来てくれたけど、面白かった~!と話してくれた。)

個々の話で特に良かったのは、四月一日と佳朱弥さんの話。佳朱弥さんは原作には無い名前だったので、もしかして原作で自分の一番好きな話かな?と思いつつハッキリは分からなかったのだけど、初日に観劇したらそのお話だったので非常に嬉しかった。

四月一日と佳朱弥さんが出会って、四月一日の素直さが佳朱弥さんの救いになって、佳朱弥さんの包み込むような優しさが四月一日の心の孤独を埋めていくという心の動きが丁寧に繊細に描かれていて、漫画同様に2人が仲を深める様に説得力があったし、優しさがしんみりと胸にしみた。と同時に、結末を知っていたので、それが余計切なさを増幅させて…。佳朱弥役の加納さんは女形のプロなので、四月一日への接し方や話し方がどれも包み込むように暖かくて、両親を早くに亡くしている四月一日に母のような温もりを感じさせるものだったことが見ているだけですごく伝わってきた。途中に時間の経過を表わすように2人が回りながら日々を過ごしていく演出があるのだけど、その時に流れているストリングスとピアノの入った曲がすごく良くて…。(いつもここから泣いてる人になってた) 日々を過ごす中で秋が深まって寒くなっていく空気感も舞台上から客席に伝わってくるのがすごいなぁと思った。それと同時に、2人が回る時に小物の受け渡しをするのが"邪気"のアンサンブルの方で、段々と四月一日に近づく"黒い影"を表わしているのが上手すぎる~…と感動した。ベンチに座る2人の後ろには大きな黒い影があり、そこから四月一日はどんどん体調を崩していくので…。

最終的に百目鬼が佳朱弥さんの正体にうすうす感づいて、四月一日を救うために矢を放つシーンでの彼の反魔のパワーが黒く蠢く邪気に対して白衣装のアンサンブルの方の舞でしっかり差別化されているのも好き。侑子さんにあの人の正体、聞きたい?って聞かれて涙を浮かべながら話しているのが、心が動いている様を見せているようですごく良かった。最終的には彼が選んだことなんだなとしっかり伝えてくれているようで。あとひまわりちゃんが度々四月一日に告げたその人きっと楽しみにしてるよ、喜んでくれるよ、という言葉がすごく力強くて、自分に重ねている部分もあるのかな~と思ったりした。あとこの話の侑子さんの衣裳がめちゃめちゃ好き。髪飾りが素敵。

 

「續」はこのまま小指関連の話を拾ってラストに繋がっていくけど、物語間で箸休め的に座敷童・雨童女猫娘がコミカルに出てきてくれるので嬉しかった。猫娘は本筋でも出番ありそうだけど、あとの2人の出番をどうやって作るんだろうか?と思っていたので、四月一日に会いに行くために特訓!から始まり、やっと会いに行けて、その時に座敷童が「その小指、誰と指切りしたの?」と声を掛けることでただの箸休めではなく、次の話へ繋ぐ役割にもなっているのが良かった。今回の日替わりは座敷童と雨童女の特訓だったけど、毎回恥ずかしがるけど結構強めのボケを入れて来る座敷童と冷静だけど偶に熱くツッコむ雨童女に毎回笑わされた。

男ってのはね…小さいのが好きなのよ!という雨童女の言葉を聞いて、座敷童が小さい、小さい…と呟きながらしゃがんでオギャ!とい言いながら近づいてきてもうカワイイ~~!と雨童女に抱きしめられる回がすごく可愛かった。あと、2週目の終わりで初演よりパワーアップした四月一日のお面が出てきて、、雨童女にお面の表見ると照れちゃうから見ないようにねって言われてるのに、裏返して見てキャ~///って言いながらバタバタしててフリじゃないのよ!て怒られる座敷童も可愛かった笑 雨童女が座敷童のマネして、四月一日を座敷童が演じた時に何で何も言ってくれないの!?→アンタのマネしてるからよ!!→私っていつもこんななの~!?と困惑するのも良かった。笑 猫娘の金魚を座敷童がリリースするのも可愛かったな。

あと猫娘と座敷童のお返しのお返し~も良かったな。妄想が溢れだす座敷童も可愛かったな。混乱。座敷童と雨童女の新しい衣装すごく可愛いよね。雨童女のワンピースが生地に地模様があって高級感があって素敵だった~傘も合わせて白になっているのも良かった。座敷童のワンピースは素朴で可愛い感じにぴったりな生地感だったな。最前列で近くから見ても見劣りしない衣装、素敵。猫娘役の三井さんはへそ出しに適した体型ですごいな…と思ったし、お転婆に動き回る姿が見ていてとても楽しかった。

猫娘は水汲みの話の時に出て来るけど、あの話の風呂敷が飛んでいくシーンで、邪気が風呂敷を受け渡していく演出が寒気と風を両方しっかり感じられるのがすごく好きだった。こういう所が映像ではないのかなり好きだな~と思う。

 

座敷童と四月一日の再会の後、侑子さん、座敷童、雨童女が疼く傷が、という歌を歌うんだけど、3人が無表情と陰のある表情の境目の顔でぽつり、ぽつりと歌っていくという静かなおどろおどろが、後ろで起きている四月一日がひまわりちゃんが叩いた肩から窓に落ちる様子の恐ろしさとリンクしていてゾクッとする場面だった。

ひまわりちゃんと四月一日の対話シーンは、ひまわりちゃんの強がりな話し方がすごく切なかったし、次は死ぬかもしれないよの低く、真剣な声にも胸が苦しくなったけど、それを四月一日が何でもなかったような様子で"次"の話をする様子がすごく暖かった。あの声の作り方も凄く良かったな。ひまわりちゃんはこういう友達からの"普通"の反応が一番欲しかったんだろうな~というのを強く感じた。それを下でずっと待っている百目鬼四月一日のことを大切なんだな~というのが伝わってくる構成だった。(四月一日が寝かされているミセのベッドのセットが原作そのままですごい…!と思った。)

侑子さんが四月一日に語りかけるのもすごく優しい声色で良かったな。キャストさんも言っていたけど、太田さんの侑子さんの語りかけは、まるで客席にも語りかけているような不思議な広がりと説得力があって、すごく良いよね。

そして、ひまわりちゃんのあの歌すごく好きだ~!「あなたの隣 もう歩けない でも繋がっている」というニュアンスの歌詞が切ないけど暖かくてすごく素敵だった。下手の2列目くらいだった時、ひまわりちゃんの「四月一日くんの嘘つき」の泣きの演技が良く見えて、それがすごく良くて…。後ろ向いて捌ける時まで背中が震えてるのがもう…。(初めの頃は赤澤さんがあまりブラウスの肩を落としていなくて見えなかったんだけど、後半の回で背中の傷跡がハッキリ見えて…ひまわりちゃんの覚悟がより伝わるな~と思った。) たんぽぽのシーンも素敵。あのシーンの後に百目鬼が持っててあげたひまわりちゃんの鞄を、四月一日が奪い返そうとして誤って百目鬼の鞄を持っていってしまい、それ俺のだけど…となっているのが微笑ましくて、また日常が戻ってきたんだな、の象徴にもなっていてすごく良かったな。

 

初演のお話って、四月一日が侑子さん達との出会いの中で「貴方の世界は貴方が作るの」の意味を段々と知っていく段階の話だったと思うけど、今回の「續」は、「貴方の選択で貴方の世界が出来る」を実行出来るようになってきた話だな、と思った。自分が危ないと知っても佳朱弥さんへ会いに行く選択、百目鬼の選択を怒りながらも受け入れるという選択、自己犠牲でひまわりちゃんが悲しむことを知ったから彼女の不幸を肩代わりしないという選択、どの話も四月一日の成長を表わす物語としてこれ以上ないセレクトだな~と思った。単に徐々に成長していく過程をピックアップするのではなくて、演目ごとにしっかり「この変化が生まれる」という点を提示してくれるのが好きだな、と思った。

自分に出来る形で周りの人を大切にすることが出来るようになってきた四月一日が、今後の舞台でどのように描かれていくのかすごく楽しみだな~と思う。原作のツバサとのリンク部分をバッサリカットしているので、最終的にどう締めるのかもすごく気になる。エンディング後の侑子さんとの対話も気になるところだし。(Wカテコの後にあの対話を入れるのはすごく挑戦的だな~と思った。怪しくて謎を残す終わり方がこの作品らしくて素敵でした。)

初演のエンディング曲が大好きなので、今回もアレンジで嬉しかった! ラストで桜吹雪が舞う中でキャストが揃うのは圧巻だなぁと思った。ステージセットの完成度もこの時に特に感じたかも。桜吹雪が照明の関係で薄紅にも青にも見えるのがすごく綺麗だし、人間とは摩可不思議なもの~という二面的な部分が感じられる(?)のも、この世界観にぴったりだなと思っている。

 

文中で度々触れたけど、キャストさんたちもインタビューなどで話しているように、本作はかなり演劇らしい演出(プロジェクションマッピングで表現しそうな所を、人の動きを用いて表現する、など)がメインになっていると思う。私は演劇観に来たなら演劇でしか見られない演出が見たいという部分が強いタイプなので、この見せ方はすごく嬉しい。

ただ、松崎さんはそれだけではなく、ここだ!というポイントでは映像も使用するハイブリッドな形になっていて、2つがうまく噛み合って独自の世界観が出来ているのですごい。現代の演劇に使える良いテクニックの良いところですごく上手いなぁと思う。松崎演出の作品たぶん他には観たことないと思うんだけど、機会があれば観てみたいと思う。

あと初演の時も女性役のキャストがより美しく、可愛くなっていくのが素敵だったのだけど、再演は初演を踏まえて一層それぞれのキャラクターの持つ魅力に合った仕草や表情を体現していてとても良かった。誰かがインタビューで、女性のキャラクターを演じるというのは、女性を演じながらキャラクターを演じるという二重性があるのが難しいと話されていたのを覚えているけど、本作はどのキャストの方も"女性"を通って"キャラクター"に繋がる道筋(?)がすごく滑らかだったから見ていて安定感があったな…と思う。

 

冒頭でも述べたけど、現在初日のアーカイブ配信を行っているようなので、ご興味があれば是非。

engeki-xxxholic.com

このシリーズは是非これからも続いていってほしいし、また「續」の再演でも、新作公演でも(気が早い)、ホリ譚の世界に浸れる日が来るのを楽しみに待っている。

*1:原作の漫画は出ている所までは読了済。

ファン文化の「あがる(上がる)」と「降りる」に関するノート ー「担降り」「他界」「卒業」ほかオタクの"ファンを辞める"言葉について

「あの子、〇〇(俳優)はあがったって言ってたよ。…あ、違った"降りた"だったわ」

俳優のオタクと話している時、度々こういった発言をしてしまうことがある。

 

ここでの"降りる"という言葉は、ファンをしていた(熱い眼差しを向けていた、熱量を持って応援をしていた、位の強めの表現の方が正しいか) 俳優のファンを辞めることを指している。元々はアイドルオタク文化、というよりジャニーズのファン文化で使われている"担降り"*1という言葉から派生して現れ、気付けば様々な界隈に広まった言葉のようである。

一方で、私が今もうっかり使ってしまう"あがる(上がる)"という言葉は、主にヴィジュアル系のライブに通っているバンギャが、ファンをしていたバンドのライブに来るのを辞めることを示す言葉である。何かのバンドだけではなく、バンギャそのものを辞める時にも"あがる"という言葉が使われる。私はバンギャを"あがった"元ギャだが、未だにバンギャル文化が染み付いている。それで時折その頃の言葉が口をついて出てしまい、冒頭のような発言が生まれるのであった。

 

この"あがる"と"降りる"の違いについては、昔からよく言われていることがある。バンギャルたちがファンを辞める時は、圧倒的に地下に多いライブハウスから"這い上がってくる"イメージから"あがる"が定着し、ジャニオタたちがファンを辞める時は、明るくキラキラ眩しい天のような場所から"地上へ戻ってくる"イメージから"降りる"が定着していったという謂われである。実際にそういった意味で使用され始めたのかはわからないし、誰が言い始めたことなのかも今となってはわからないが*2、私もあながちそれは間違っていないと思う。

文フリで頒布した『「量産型」のゆくえ』において「量産型」と「地雷系」の相違点について考えた際に、「量産型」が最初は主に大きな会場・劇場・ファッションビルなど比較的明るく開けた場所に集まるファンの界隈(アイドル・俳優・二次元キャラ)に広まったのに対し、「地雷系」は主にホストクラブ、ライブハウス、小さなイベントスペースなど比較的閉鎖的でアングラな場所に集まるファンの界隈(ホストやメンズ地下アイドルに通う女性、バンギャル)に広まったことを論じた。これだけ界隈によって陰と陽の文化のカラーの違いがはっきり現れるのだから、使用される表現ひとつ取っても違いが現れるのは多分にあり得ることだと思う。

 

しかし、それらを踏まえた上で"あがる"/"降りる"文化について考えてみると、「不思議だな」と感じる事がある。

それは、ジャニーズを含む大手のアイドル文化よりも明らかにヴィジュアル系の文化に様相が近いように見えるメンズ地下アイドルの界隈において、"降りる"が定着していることである。

試しにTwitterで「メン地下 降りる」で検索すると、「ファン辞める」という意を含むツイートが散見されるが、「メン地下 あがる(上がる)」で検索しても、そこで見られるのは違う意味で"上がる"という言葉が使用されているツイートが殆どである*3。独特のアングラな文化を持ち、ヴィジュアル系と同じように主に地下のライブハウスや小さなイベントスペースでライブやイベントが行われているメンズ地下アイドルの様相を考えると、"あがる"の方が適しているように思えてくる。*4メン地下のファンたちはどれだけ地の奥深く深くまで"降りて"いってしまうつもりなのだろうか。

 

勿論、ここで何故"降りる"が使用されているのかということも同じように考えることが出来る事ではある。

ジャニーズで使用されている"降りる"という言葉にはもう一つよく知れ渡っているイメージがある。それは年齢が高かったり、人気が高かったりする担当から、若かったり、駆け出しだったりする担当に鞍替えする、という時間や評判の高低差に付随するイメージである。このイメージから考えると、大手であるジャニーズのファンからマイナーなアイドルのファンへ鞍替えすることは"降りる"となるだろうし、そのイメージを持ったままメン地下のファンをしていたら、そのまま"降りる"という言葉を使用するだろうというのも頷ける。実際に大手のアイドルから別の魅力を求めて地下のオタクになるというパターンは多いようなので、そういった流れが積み重なって、メン地下は"降りる"ものになったのかもしれない。

また、意味がどうということは関係なく、単純に自分がいた界隈の言葉をそのまま持って来て流用しているオタクが多いということも考えられるだろう。(ジャニオタの友人もやはり"担当を降りる"のコロケーションの影響では、と言っていた。) 日本の女性のファンカルチャーにおいてジャニーズというジャンルがどれだけ大きな影響力を持っているのかを窺わせる話である。*5

 

実際私がバンギャだった時代よりも長期間いる舞台・若手俳優の界隈でも、以前は"降りる"という言葉はそこまで使われていなかったように思う。(シンプルに"ファンを辞める"という表現を一番見かけたような。)

GoogleTwitterの日時検索で、ひとまず10年前の2013年に絞って「俳優 降りる」と検索すると上記のような意味で"降りる"を使っている記事やツイートはあまり見られない。(最も、この時代やこれより前の時代は、今より掲示板の文化が盛んだったし、Twitterの利用人口も今とは比べ物にならないほど少ないと思うので、表に出てこない部分で使用されていることはそこそこあったとは思う。)

ここから1年ごとに期間を現在に近づけていくと、徐々にファンを辞めるの意で"降りる"という言葉を使うツイートが増えていき、2016~7年頃からは大分多くなってくる。Googleの検索にもトップに近い位置に俳優を降りた人たちのブログなどが表示されるようになる。

この辺りの時期というのは、「ミュージカル刀剣乱舞」や「あんステ」の初演があり、「2.5次元」という言葉がメディアにも段々と認知されていくようになった時期である。私の記憶ではその位の頃まではテニミュドリライとかネルケのドルステくらいしか思いつかないような、演劇+ライブの形式で公演が行われる作品も爆発的に増え、直球にアイドルものの舞台も増えていく。この2.5次元舞台の増加と注目によって、ジャニーズ含むアイドルジャンルから流入してきたオタクが多いというのは私も肌感覚として感じていて*6、それに伴い"降りる"の使用がより一般化していったと考えると、それはすごく納得のできる話であるように思う。

 

他の界隈の"ファンを辞める"の意で使われる言葉はどうなっているんだろうな~と調べていると、昨年作成された下記の記事がヒットした。

【最新版】オタク用語一覧🎀二次元やアイドルも界隈別で紹介 | Lafary(ラファリー)

これが全てではないであろうが、"降りる"の勢力、強すぎる。

みんなどこまで下へ下へと降りていってしまうのであろうか。

ペン卒とは?意味や韓国語での言い方、ペン卒の理由&きっかけを調査 | tretoy magazine(トレトイマガジン)

K-POP界隈だとこれ以外に"ペン卒"という言葉も使われるらしい。二次元の界隈でも"オタ卒"なんて言葉を聞くことがある。"卒業"は分かりやすく、オタク以外の人にも伝わりやすい表現だなと思う。

 

また、先ほど論じていたメンズ地下アイドルに関連して、男性ではなく女性の地下アイドルの界隈では、随分前から"他界"という言葉が使われている。死ぬな。生きろ。とは思うが、こちらは天に昇るようなイメージがあり、雰囲気としては"あがる"に近いように思う。

オタクやアイドル用語の「他界」とは?意味や言葉の使い方、概要(元ネタ)など | 意味解説辞典

意味解説辞典に記事があったので読んでいくと、「オタクを卒業して、普通の人に生まれ変わるという決意」という意味が記載されており、なるほど天に昇る所までではなく、その後の未来も示している言葉なのか…と面白さを感じた。

この"他界"という言葉はコン喫*7界隈でも使用されており、コン喫の中でも女性客の方が多いはずの男装喫茶でも同様の言葉が使用されている。改めて、客層や文化の流入元によって表現が変わるということが良くわかる例かもしれない。

同じようにどちらかと言えばメンズ地下アイドルと近い、閉鎖的・アングラな場であるホストクラブでは、通常は担当を"切る"という言葉が使用されている。ジャニーズ界隈では"降りる"ものである担当を"切る"というのは面白い。これは姫と指名される側のホストの距離感の近さや営業方法の違いによるものであろうと推測できる。縁を"切る"という意味合いも含まれているような気がする。

 

こうして見ていくと、"あがる"を使用しているのはほぼほぼバンギャだけである。そこまで独自の文化で突き進んできたヴィジュアル系文化というものの芯の強さを改めて感じるが、地下にいる他のオタクたちも、辞める時は地の深く深くへ降りていくのではなく、是非明るい地上に"あがって"ほしい。

 

 

 

*1:ジャニーズ文化では自分の好きなアイドルのことを"担当"と呼び、担当のファンを辞めることが"担降り"と呼ばれている。ファンの間ではそれを宣言するということが結構な一大事であるようだ。

*2:私がヴィジュアル系を聞き始めた頃から聞いたことのあった話なので、少なくとも12、3年は言われている事である。

*3:テンションが上がる、自己肯定感が上がる、話題にあがる…等

*4:実際、ヴィジュアル系バンドマンを辞めてメンズ地下アイドルに転向したメンバーもいるし、メンズ地下アイドルをプロデュースしているバンドマンもいたりする。そもそもの親和性が高いのは何となく頷ける。

*5:私は一度も通ってきていないので、たまにそんなことある!?という反応をされることがある。

*6:こうした作品にアイドルグループ所属の俳優が起用されることも多く、それを追ってそのまま舞台の界隈に来る人も多い。

*7:メイド喫茶、男装喫茶などを含むコンセプト喫茶。